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【海外発!Breaking News】闘犬を興奮させる道具として利用され顔が変形した犬、第2の人生を歩む(米)<動画あり>

TechinsightJapan 2022年2月23日 23時30分

闘犬を興奮させるための道具として利用され、愛を知らずに育った犬が保護されて運命の女性と巡り会った。犬は顔が変形するほどの大怪我をしていたが、安心できる場所でたくさんの愛を注がれ第2の人生を歩み出したという。『The Mirror』などが伝えている。

米ワシントンD.C.に住むエリン・ウィリアムズさん(Erin Williams、36)は2020年5月、当時9歳だった飼い犬“エリー(Ellie)”を脳腫瘍で亡くした。愛犬の死は突然のことで、エリンさんは心の傷を埋めるためにエリーと似た犬を探すことにした。

そしてオンラインの里親募集サイトを検索すると、ある犬に目が釘付けになった。それは顔の右半分の皮膚が剥がれて右目の眼球がないメス犬“ハディ(Haddie)”で、エリーとは似ても似つかなかったがなぜか心惹かれるものがあった。

「ハディがつらい過去を生きてきたのは写真を見れば分かりましたが、幸せそうな顔をしていたのが印象的でした」と語るエリンさん。その後も犬の検索をするたびに現れるハディの姿が頭から離れず、エリンさんは数日後、思い切ってハディが保護されていた米カリフォルニア州サンディエゴのペット里親サービス「Mutt Scouts」に連絡をした。2020年の8月のことだった。

すると2、3日後にエリンさんはオンラインでインタビューを受け、あれよあれよという間にハディを引き取ることが決まった。「他に犬を飼っていないこと」「安全な環境を与えられること」などの条件がマッチした結果だった。

実はハディ、メキシコで違法な闘犬の“ベイトドッグ”として利用されていたところを救出され、「Mutt Scouts」が保護していた。ベイトドッグとは闘犬を興奮させたり自信を付けさせるための“餌食”として使われる噛まれ役のことで、小型で大人しい犬が多い。ハディの場合、闘犬に噛まれたことで全身が傷だらけで特に顔の損傷が酷かった。

エリンさんは施設に保護された当時のハディについて、このように述べている。

「ハディは両目と口の周りの皮膚の損傷が特に酷く、辛うじてくっついている状態だったようです。そのため保護されてから数週間を集中治療室で過ごし、獣医はハディの命を救うために腐った皮膚を切除し、右の眼球を摘出しました。残った左目も、角膜に一生消えることがない傷がついているのです。私がハディを迎えたのはほとんどの手術が終わってからですが、手術前の写真はそれは酷いものでした。」

「ハディがどのくらいベイトドッグとして利用されていたのかは分かりませんが、救出された当時は2、3歳だったと聞いています。顔の傷は他の犬によってできたもので、ハディは闘犬の闘争心を掻き立てるために何度も虐待され、攻撃を受けてきた被害者なのです。」



誕生してからずっと過酷な状況の中で生き抜いてきたであろうハディ。保護されエリンさんに引き取られてからというもの、それまでの人生を取り戻すかのように生き生きとしているという。エリンさんは「ハディはまるで子犬のようで、やんちゃでいたずら好きなのですよ。きっと生まれて初めて人生を楽しんでいるのでしょうね。そんなハディに私ができることは、安全な環境を提供してたくさんの愛を注ぐことだと思っています」と語っている。



それでもエリンさんの家にやってきた当初のハディは、外で犬の鳴き声がするだけで体を震わせて吠えていたそうで、エリンさんは恐怖心を失くすためにドッグトレーナーの協力を仰いだという。

エリンさんは「とにかく最初は、ハディを落ち着かせることから始めました。他の犬を紹介する時にはまずハディにホットドッグをトリーツとして与え、犬との距離を少しずつ縮めていったのです。そうして他に犬がいる時はトリーツがもらえることや安全であることを体得させ、『犬はあなたを襲ったりしないよ。遊びたいのよ』ということを教えていきました」と当時を振り返り、現在のハディの様子についてこのように明かした。

「ハディは犬への恐怖心が消え、ほとんど毎日、アパートの近くの公園にいる犬たちと走り回って遊びます。やってきた当初とは雲泥の差で、見ていると心が温かくなるのです。」

「ハディが外出する時は今でも鼻や傷痕に日焼け止めが必要ですが、それ以外は普通の犬と何ら変わりません。もちろん顔は変形していますが、愛されキャラなのはハディの性格あってのことでしょうね。あの子はとても頭がよくて活発で、人が大好き。人に会うと耳を撫でてもらえると思っているのです。それでもその特異な外見からじっと見られたり、全く知らない人から質問を受けたりすることはありますが、ほとんどの人はとても優しくフレンドリーに接してくれます。きっと人々はハディが人生を思う存分楽しんでいることを肌で感じているのだと思います。私はネガティブなことを言ってきてハディのことを知ろうとしない人というのは逆に、損をしていると思います。」

「私が特に好きなのは、ハディと子供たちが触れ合う姿です。ハディは子供たちに対してはとても忍耐強く、彼らが撫でたり質問をしてくる間はじっと座っているのが好きなのです。子供たちは私が質問に答えると理解を示し、『ハディはなんていい子なの!』と納得するようです。」



そんなハディはInstagramやTikTokのアカウントを持っており、たくさんの人から応援の声が届いているそうで、エリンさんは最後にこんな言葉を残している。

「ハディは昼寝をしたり、トリーツで喜んだり、太陽の下に座ってくつろいだりと、ささいなことを楽しむことを私に教えてくれました。私が落ち込んだ時に助けてくれるのもハディで、今では唯一無二の存在です。安心できる環境と愛があれば、私たちは十分に幸せになれるのです。」

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画像は『Haddie the Dog 2022年2月10日付Instagram「I am so lucky.」、2022年2月16日付Instagram「Back in pirate mode」、2021年12月25日付Instagram「This is our profile photo!」、2021年12月27日付Instagram「That time she hung with Birdie in Los Feliz.」、2022年2月21日付Instagram「Just a lovely, relaxing day over here」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)

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