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【海外発!Breaking News】体の60%以上に火傷を負い10年間闘い続けた女性「これからは恩返ししたい」(豪)<動画あり>

TechinsightJapan 2022年3月7日 5時0分

「夫と浮気している」と勘違いした女に薬品をかけられて火をつけられ、体の60%以上に火傷を負った女性が、事件から10年を記念してInstagramに胸のうちを綴った。女性は自身の素の姿を晒し「決して諦めないで!」とメッセージを発信し続けており、多くの人をインスパイアしている。『news.com.au』などが伝えた。

オーストラリアのパースに住むダナ・ブーリンさん(36)は2012年2月16日深夜、自宅に侵入したナタリー・ディミトロフスカ(Natalie Dimitrovska)にメタノール変性アルコールをかけられて火をつけられた。

ダナさんは2011年の年の瀬のパーティでナタリーの夫と軽い会話を交わしただけだったが、ナタリーは「あの女は夫と浮気をしている」と嫉妬に狂ってダナさんのアパートに侵入、「可愛い顔を台無しにしてやる」と犯行に及んだ。ナタリーは犯行当時、覚せい剤を使用していたことが分かっており、2013年に懲役17年の有罪判決を受けた。

この事件でダナさんは体の60%以上に重度の火傷を負い、家族が「彼女が生き残ることは難しいだろう。山を乗り越えても鉛筆を持つことさえできない」と告知されるほどの重傷を負ったが、1年半を病院で過ごしなんとか命を取りとめた。

しかし治療はつらく、ダナさんは顔全体を覆うコンプレッションマスクを約2年半装着、これまでに200回を超える手術を受け、苦しいリハビリに耐えてきた。そして10年を迎えた今年2月、Instagramに「私の人生の中で最も長かった10年」と言葉を添え、それまでの闘いの道のりを記した動画を投稿した。



また3月に36歳の誕生日を迎えたダナさんは、2013年、2016年、そして現在の自分の下着姿の写真を投稿しこのように綴った。

「この写真はセクシーさを強調しているものではなく、火傷のサバイバーらに『どんなことだって可能』ということを伝えるメッセージよ…。そして全く編集されていない私の素の姿なの!」

「私はこれまでの自分の頑張りを誇りに思っている。36歳の私はこれまでの人生で一番強く、健康だと感じるの。傷は誇りであり、私は自分の傷を愛することを学んだわ…。そして決して諦めないことをね!」



なおダナさんはこの事件後、メディアに何度も取り上げられモチベーション・スピーカーとして活躍してきた。また2017年には事件やその後について綴った自伝「Worth Fighting For」を出版し、その中でナタリーに襲われた直後の恐怖をこのように綴っていた。

「顔、腕、胸、肩、腹部、全てが火に包まれた。頭に火が燃え移ると、髪の毛は一瞬にして燃え上がり、薬品で燃える顔の火を消そうして初めて、自分の手も火で包まれていることに気が付いた…。あの瞬間、昔学校で教えてもらった着衣着火の際の対処法である『止まって、倒れて、転がって』を思い出し、床を何度か転がった。ただこの私の行動は、薬品火傷をした時には最悪の処置だということを後から知った。私の火傷は背中まで広がった。」

「猛烈な痛みで叫び声を上げる中、ナタリーが引き戸から逃げ出す音が聞こえた。ナタリーは私が生きたまま焼かれるのを見て笑っていた。私を包む炎はさらに勢いを増し、痛みで頭が回らなくなった。パニックになり、頭からバケツの水をかけようと水道の蛇口をひねった。」

「助けを呼ぼうと玄関のドアを開けると手指の皮膚がごっそり落ちた。火が消えても薬品で皮膚が焼かれていくのを感じた。強烈な痛みだった。声が出る限り叫び続けたが誰も気付かず、やっと現れた人物は隣のアパートの男性だった…。」



こうしてダナさんは経験したこともないような地獄の苦しみに耐えてきた。そして多くの人のサポートを受けて立ち直り、昨年1月には看護学で修士号を取得、メディカルタトゥーなどを同時に学ぶと、昨年8月には怪我や乳がんなどの手術の傷を隠すためのコスメティックタトゥーやフィラー治療などを行うクリニックをオープンした。



「どんなことがあっても決して諦めなかった」と語るダナさんの火傷の後の軌跡を見ると、よくこの状態から回復したと感心せざるを得ない。ダナさんはInstagramやその生き様を通して多くの人をインスパイアし続けており、火傷から10年を記念しこんな言葉を残している。

「10年前、私の人生の全てが壊され、家族や友人の人生が傷つき止まってしまった…。これまでの道のりは険しかった。人間に起こり得る中で最も極悪で、陰惨で、魂が破壊されることが私に降りかかったのだから。残酷という言葉では表せないくらいの大きな波が私の心、身体、精神、魂、それら全てを飲み込んだ。」

「でも私は家族、友人、病院のスタッフ、世界中の見知らぬ人からの無償の愛によって、瀕死の状態から立ち上がり闘った。人間が決して経験するべきでない、究極の痛みや喪失感を味わいながら、諦めずに前進してきた。闘いを止めたくて心が折れたことは何度もある。でもそのたびに私は強くなり、前に進んできた。」

「私ほどボロボロになった人間はきっといないだろう。私はどん底まで落ちても、人の2倍の努力で這い上がってきた。私はこの10年で達成したことを心から誇りに思う。そしてこれからは世界に、私が恩返しをする番だ。」

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画像は『Dana Vulin 2017年8月23日付Instagram「Radio ALL DAY.」、2022年2月16日付Instagram「10 YEARS - 10 OF THE LONGEST YEARS OF MY LIFE!」、2017年5月18日付Instagram「After years of working on my book」、2015年4月27日付Instagram「#someofmyjourney2012-2014」、2016年5月31日付Instagram「Transformation Tuesday.」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)

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