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【海外発!Breaking News】「舌から黒い毛が?」 脳卒中を起こした男性がのちに「黒毛舌」を発症する(印)

TechinsightJapan 2022年3月13日 4時0分

脳卒中を起こしたインドの男性が、発症後に舌の表面に黒い毛のようなものに覆われる後遺症に悩まされたという。米医学雑誌が脳卒中の後遺症として報告している。『The Sun』『New York Post』などが伝えた。

今月9日、米国医師会が発行する月刊医学雑誌『ジャマ・ダーマトロジー(JAMA Dermatology)』に報告されたインドに住む50代の男性の症例が注目を集めている。男性は脳卒中を発症したのちに舌の表面が黒い絨毯のようなもので覆われてしまったという。

この症例はインド、ケーララ州コーチにある「メディカル・トラスト病院(Medical Trust Hospital)」の医師らによって報告された。症例報告によると、男性は脳卒中を発症したことで左半身に麻痺が生じてしまった。そのため食べ物の咀嚼がうまくできず、ピューレ状の食事を摂取していたそうだ。

ところが脳卒中を発症してから2か月半ほど経った頃、男性の介護者が彼の舌の表面が黒くなっていることに気づいた。症例報告に公開されている写真を見ると、男性の舌の表面には短い黒い毛のようなものが密集して生えているように見える。

その様相から英メディア『The Sun』では「男性の舌は不思議なことに脳卒中後に舌に毛が生えて黒くなる」と見出しをつけているが、実際に男性は「黒毛舌」を発症しており、これは舌にある糸状乳頭(舌の表面にある円筒形の突起)が著しく伸びて舌に毛が生えたように見える症状とのことだ。

また伸びた糸状乳頭にバクテリアなどが蓄積してさらに肥大化し、黒または白や黄色に変色してしまい、場合によっては1センチ近くまで伸びてしまうこともあるそうだ。この症状は大きな害はないものの見た目が良くないことと口腔内の健康状態の悪化につながってしまうという。

黒毛舌は40歳以下の人が発症することは稀だが、喫煙、飲酒、薬物の使用、コーヒーや抗生物質などの服用によって引き起こされることがあるごく一般的な疾患とのことだ。英・脳卒中協会(The Stroke Association)では脳卒中後は合併症を防ぐためにも口腔内の衛生を保つことが重要だとしている。

今回症例で報告された男性は、通常の口腔衛生習慣を続けたことにより20日後に黒毛舌は改善されたそうだ。なお医師はこの症状を防ぐためにも「一日2回ほど歯ブラシや舌磨きで舌を綺麗にするように」と推奨している。

画像2枚目は『The Sun 2022年3月11日付「HAIR RAISING Man’s tongue mysteriously turns black and grows HAIRS after stroke」(Credit: JAMA Dermatology)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 MasumiMaher)

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