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【海外発!Breaking News】山で見つかった薄汚れた羊、刈り取った被毛は40キロに(豪)<動画あり>

TechinsightJapan 2022年3月23日 5時0分

オーストラリアの山中でハイキングをしていた人が、薄汚れて被毛が伸びきった羊を発見した。自力で頭を上げることもできないほど弱っていた羊だが、その被毛を刈り取ると40キロもの重さになったという。一気に40キロも体重が減った羊は当初自力で立つことができなかったが、現在は無事に回復して元気に過ごしていることを『ABC Australia』などが伝えている。

豪ビクトリア州メルボルンから約60km北のランセフィールドにある動物保護団体「Edgar’s Mission Farm Sanctuary」のオーナー、パム・エイハーンさん(Pam Ahern)のもとに1頭の羊が運び込まれた。パムさんに連絡をしたボランティアで野生動物の世話を行う“野生動物ケアラー”によると、マウント・アレクサンダー(Mount Alexander)という山をハイキングしていた人が、被毛が伸びきり弱った状態のこの羊を発見したという。

山の名前にちなんでこの羊に“アレックス(Alex)”という名前を付けたパムさんは、当時の様子をこのように語った。

「アレックスの被毛は40キロあり、尿や小枝、虫などが全身に付着して胸が痛くなるほど酷い状態でした。連絡してくれた野生動物ケアラーの方も『助かりそうにないなら、もうそのままにした方がアレックスにとっていいのではないだろうか』と嘆いていましたが、それでもアレックスにチャンスをあげたいと話していました。」

パムさんのもとに運ばれてきたアレックスは、自身で頭を上げることもできないほど弱っていた。被毛が多すぎて点滴の針を打つこともできず「もしかしたら助からないかもしれない」と考えてしまうほどの状態だったが、弱々しくも頭を上げたアレックスと目が合ったパムさんは「『君ならできる』と思いましたね」と振り返っている。

アレックスの被毛は考えられないほど絡まっていたため、多くの羊の世話をしてきたパムさんでさえもどこから刈ればいいのか分からない状態だった。そこでパムさんは羊毛刈りの専門家であるホーリー・ケンダルさん(Holly Kendall)に連絡して助けを求めた。ホーリーさんの手により1時間かけて刈られたアレックスの被毛の重さを量ってみると、なんと40キロもあったという。



ホーリーさんは「被毛が伸びすぎた羊は、どこから刈り始めればいいのか分からないものです。今回も被毛を刈るのに時間がかかりました。刈り終わった後のアレックスは立っているのに助けが必要な状態でしたが、アレックスの目は次第に明るく輝いてきました」と明かしており、パムさんも「その晩にアレックスの被毛を刈り取ることができなければ、アレックスは生き延びることができていなかったかもしれません」と話していることから緊迫した状況にあったようだ。

パムさんはアレックスの状態を見て「恐らく若い頃に農場から逃げ出し、伸びきった羊毛の量から見て6年間は毛を刈っていなかったと思われます。もしかしたら最初の毛刈りを受ける前に逃げてしまったのかもしれません」と推測している。現在アレックスはすっかり回復して自分で駆け回っており、パムさんのもとで飼われている2頭の羊“クロエ(Chloe)”と“モリー・ブラウン(Molly Brown)”とともに元気に過ごしているそうだ。

なお同団体に毛が伸び過ぎた羊が運び込まれたのは、アレックスが初めてではなかった。昨年2月には35キロの伸びきった被毛をまとい、自身の被毛に顔が埋まってしまうほどの状態だった羊が保護されていた。通常の羊は自然に被毛が抜け落ちて正常な毛の長さを保てるが、飼育用に品種改良された羊は人間の手で毛の長さを整えなければ伸び続けてしまうため、時折毛が伸び過ぎた羊が発見されるという。



画像は『ABC Australia 2022年3月17日付「Alex the sheep gets new fleece on life after losing 40kg in close shave」(Supplied: Edgar’s Mission)(ABC Rural: Eden Hynninen)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 iruy)

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