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【海外発!Breaking News】稀な疾患で昏睡状態に陥った4歳女児 「新生児のように何もできなくなってしまった」と母親(スコットランド)

TechinsightJapan 2022年3月31日 4時0分

スコットランドで暮らす4歳の女児は昨年、稀な疾患である「急性散在性脳脊髄炎(ADEM)」と診断された。この病気により女児は話すことや歩くこと、自分で食事を摂ることもできなくなってしまったそうだ。両親は「まるで新生児の頃に戻ったよう」と語ったが、数か月間に及ぶ治療を受けて現在は少しずつ元気な姿を取り戻しているという。『Daily Record』『The Mirror』などが伝えている。

スコットランドのインヴァネスに住むレクシー・フォーサイスちゃん(Lexie Forsyth、4)は昨年8月、体調を崩して医師の診察を受けたところ、ウイルス性の感染症と診断された。

しかしその後も嘔吐などの症状が続き、意識を失うようになってしまったレクシーちゃんは大きな病院に搬送されることとなった。そして詳しい検査を受けた結果、稀な疾患である「急性散在性脳脊髄炎(ADEM)」に侵されていることが判明した。

母親のエミリア・ブラナルさん(Emilia Blanaru、34)は、レクシーちゃんの病気が発覚するまでのことをこのように振り返っている。

「去年の夏に嘔吐やけいれん発作などの症状が出るようになって、当初はウイルス性の感染症だと診断されていました。でも病状が悪化する一方で…その後レクシーが意識を失い始めたためウィックのケイスネス総合病院(Caithness General Hospital)からインヴァネスにあるレイグモア病院(Raigmore Hospital)に転院しました。当時サーソーで暮らしていた私たちは陸路でインバネスに向かう予定でしたが、娘にとっては時間との闘いだと判断され110マイル(約177キロ)の距離を空路で移動することになったのです。」

「病院に到着後、レクシーは7日間ほど昏睡状態に陥りました。医師たちは最初、尿路感染症を疑っていましたが、髄膜炎の可能性も考えて抗生物質とステロイドを投与しました。そして腰椎穿刺などの検査を繰り返し、必死に原因を突き止めようとしていました。そして2か月後、レクシーは急性散在性脳脊髄炎であることが分かったんです。この稀な炎症により脳が腫れ上がってしまったせいで娘は話すことも歩くことも、自分で食事をすることもできなくなってしまって…まるで新生児の頃に戻ったようでした。」

この病気はウイルス感染などをきっかけに強くなりすぎた免疫力が自分の体を攻撃してしまう自己免疫という現象によって、脳や脊髄などの神経を傷つけてしまうことで発症すると考えられており、重い後遺症を残したり、死亡率も高いと言われている。日本では人口10万人当たり0.8人という罹患率とのことだ。父親のマーク・フォーサイスさん(Mark Forsyth)はその原因についてこう語った。

「医師からはレクシーの体がウイルスと闘っているうちに、誤って脳を攻撃してしまったのだろうと説明を受けました。娘の口の中に存在していた珍しいウイルスが原因だと考えられていますが、はっきりとしたことは謎のままだそうです。」

その後、117日間の入院生活と数か月に及ぶ治療を受けたレクシーちゃん。医師からは「この先も完全に回復するかどうか分からない」と告げられていたにもかかわらず、集中的な言語療法と理学療法を受けた結果、かつての元気な姿を取り戻しつつあるという。

マークさんはその様子を次のように明かした。

「自分で体を支えられるようになるまで歩行器を使って歩く練習をしたり、治療用プールで泳いだりして体幹を鍛えていました。レクシーはいつも笑顔で、その笑顔のおかげで私たちもこの試練を乗り越えることができたのかもしれません。昨年12月にはひとりで歩けるようにもなりました。現在も週1回は理学療法を受けていて、まだ長距離を歩くことはできないので車椅子を使っていますが、保育園にも戻り、弟のダニエル(Daniel、2)と一緒にいたずらをするようになりました。」

そんなレクシーちゃんは、今月行われた「​​ハイランド・ヒーローズ2022」の授賞式で「ブレイブ・チャイルド・オブ・ザ・イヤー(今年最も勇敢な子供)」の栄冠に輝いた。それはハイランド地方で地域社会や医療、教育などに大きな貢献をしている人たちを表彰する制度だという。



エミリアさんは多くの試練を乗り越えてきたレクシーちゃんを称えており、このように述べている。

「レクシーは本当によく頑張ってきました。昏睡状態になった時、私は娘を失うのではないかと心配で、本当に怖かったです。あまりに突然の出来事で何が起きているか分からなかったし、苦しんでいる娘の姿を見ていると気がおかしくなりそうでした。病気で何もできなくなってしまったレクシーは、歩くことや座ることもできず、おむつをはいていました。でも決して諦めず、元気な姿を取り戻すために挑戦し続けたのです。そんな娘に私は『あなたは強いからきっと大丈夫』と言い続けてきました。まだ完全ではありませんが、ここまで回復してくれてとても嬉しいし本当に良かったです。」

画像は『The Mirror 2022年3月28日付「Toddler turned into ‘newborn baby again’ as illness causes her brain to swell」(Image: Michael Traill)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 上川華子)

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