生後間もなく養子に出されたイギリス在住の女性が、65年ぶりに実の母親と再会した。20年前に養母が亡くなったことをきっかけに実母を探し始めたが、長い間見つけることができずにいた女性は昨年、生き別れた家族との再会を叶えるテレビ番組『Long Lost Family』に応募した。そしてこのほど84歳の実母が、フランスで元気に暮らしていることが明らかになったという。『The Mirror』などが伝えている。
生後まもなく養子に出された英ウェスト・ミッドランズ州ダドリーに住むジュディ・ケニオンさん（Judy Kenyon、65）は先日、実の母親であるジーナ・ハガードさん（Gina Haggard、84）と65年ぶりの再会を果たした。
20年以上にもわたり実母を探し続けてきたジュディさんは、再会までの経緯をこう振り返っている。
「生後2週間で養子に出された私は、別の家庭から養子にきた弟デイビッド（David）とともにシュロップシャーの義理の両親のもとで育ちました。その後両親は離婚し、養母は裕福な貴族と再婚することになりました。当時はマナーハウス（貴族が所有する邸宅）で暮らしていましたが私たちが歓迎されることはなく、両親はいつも私のことを養子として紹介していました。そこに自分の居場所はなかったし、いつも何かが欠けているような気がして…。心の中にある小さな穴が埋まることはありませんでした。」
そして2000年、養母が亡くなったことを機に実母を探し始めたというジュディさん。家系図を作成できるサイトや養子縁組の登録簿などから情報を集めたところ、実の母親の名前は「ジーナ・ハガード（Gina Haggard）」であることが判明した。
「登録簿には母親の名前とウェストロンドンの住所が書かれていました。でもそこにはもう住んでいなかったので、私はロンドンにいるすべてのジーナ・ハガードさんに手紙を書いたのです。すべての手紙に切手を貼った封筒を同封しましたが、返事があったのは1人だけで、その手紙には『母親のことは何も分からないけど幸運を祈る』と綴られていました。」
ジュディさんはその後、ジーナさんが1962年に出産した女児の出生記録を見つけたそうで、「ジェーン（Jane）」という名前の妹の存在を知ったという。
それから2人のことを必死で探したが見つけることができなかったジュディさんは昨年、生き別れた家族との再会を叶えるテレビ番組『Long Lost Family』に応募した。
ジーナさんとジェーンさんはフランスのカンヌ郊外で元気に暮らしていることが明らかになり、65年ぶりに再会を果たした母娘の様子は6月13日に放映された。
生まれたばかりの愛娘との写真を今も大切に保管していたジーナさんは、ジュディさんとの再会についてこのように明かした。
「もしジュディが私を見つけようとするなら、私の両親はずっと同じ場所に住んでいたのできっと見つけてくれると思いました。でも運命のいたずらで、彼女が手紙を出した1年前に両親は引っ越していたんです。にもかかわらず、こうして再会できるなんて奇跡です。」
「ジュディの父親は赤ちゃんを欲しがらず、私は二度と彼に会うことはありませんでした。そして医師から養子縁組の仲介をしなければならないと言われて…。ジュディと過ごすことができたのはたったの2週間だけです。それからしばらくして、周りからは『ああ、あなたは赤ちゃんを手放したのね』と言われましたが、『いいえ、絶対に違います。赤ちゃんは奪われたのです』と答えました。だって選択の余地はなかったのですから。私には娘の幸せを願うことしかできませんでした。離ればなれになってからも毎年彼女の誕生日を祝っていたんです。」
65年の時を越えて再会した母娘は現在、定期的に電話やSNSで連絡を取り合っているそうで、ジュディさんはまるで夢のようだとして次のように語っている。
「19歳の時に私を産み、養子に出すしかなかった母が生きているかどうかも分かりませんでしたが、私は決して諦めず母を探し続けました。元気で暮らしていることを知った時には本当に嬉しかったです。」
「母と再会できて、私の写真をずっと大切に持っていたことを知ってとても特別な感じがします。私はこんなに幼い自分の写真を見たことがありませんでしたから。本当に素晴らしい夢のような気分です。長い間離れていましたが、私たちはいつも一緒にいたような気がしています。」
画像は『Long Lost Family 2022年6月14日付Twitter「“She’s always been my mother”- Judy.」』『The Mirror 2022年6月12日付「EXCLUSIVE: ‘I finally met my mum after 64 years and I had something I had to tell her’」（Image: SWNS）』のスクリーンショット
（TechinsightJapan編集部 上川華子）
生後まもなく養子に出された英ウェスト・ミッドランズ州ダドリーに住むジュディ・ケニオンさん（Judy Kenyon、65）は先日、実の母親であるジーナ・ハガードさん（Gina Haggard、84）と65年ぶりの再会を果たした。
20年以上にもわたり実母を探し続けてきたジュディさんは、再会までの経緯をこう振り返っている。
「生後2週間で養子に出された私は、別の家庭から養子にきた弟デイビッド（David）とともにシュロップシャーの義理の両親のもとで育ちました。その後両親は離婚し、養母は裕福な貴族と再婚することになりました。当時はマナーハウス（貴族が所有する邸宅）で暮らしていましたが私たちが歓迎されることはなく、両親はいつも私のことを養子として紹介していました。そこに自分の居場所はなかったし、いつも何かが欠けているような気がして…。心の中にある小さな穴が埋まることはありませんでした。」
そして2000年、養母が亡くなったことを機に実母を探し始めたというジュディさん。家系図を作成できるサイトや養子縁組の登録簿などから情報を集めたところ、実の母親の名前は「ジーナ・ハガード（Gina Haggard）」であることが判明した。
「登録簿には母親の名前とウェストロンドンの住所が書かれていました。でもそこにはもう住んでいなかったので、私はロンドンにいるすべてのジーナ・ハガードさんに手紙を書いたのです。すべての手紙に切手を貼った封筒を同封しましたが、返事があったのは1人だけで、その手紙には『母親のことは何も分からないけど幸運を祈る』と綴られていました。」
ジュディさんはその後、ジーナさんが1962年に出産した女児の出生記録を見つけたそうで、「ジェーン（Jane）」という名前の妹の存在を知ったという。
それから2人のことを必死で探したが見つけることができなかったジュディさんは昨年、生き別れた家族との再会を叶えるテレビ番組『Long Lost Family』に応募した。
ジーナさんとジェーンさんはフランスのカンヌ郊外で元気に暮らしていることが明らかになり、65年ぶりに再会を果たした母娘の様子は6月13日に放映された。
生まれたばかりの愛娘との写真を今も大切に保管していたジーナさんは、ジュディさんとの再会についてこのように明かした。
「もしジュディが私を見つけようとするなら、私の両親はずっと同じ場所に住んでいたのできっと見つけてくれると思いました。でも運命のいたずらで、彼女が手紙を出した1年前に両親は引っ越していたんです。にもかかわらず、こうして再会できるなんて奇跡です。」
「ジュディの父親は赤ちゃんを欲しがらず、私は二度と彼に会うことはありませんでした。そして医師から養子縁組の仲介をしなければならないと言われて…。ジュディと過ごすことができたのはたったの2週間だけです。それからしばらくして、周りからは『ああ、あなたは赤ちゃんを手放したのね』と言われましたが、『いいえ、絶対に違います。赤ちゃんは奪われたのです』と答えました。だって選択の余地はなかったのですから。私には娘の幸せを願うことしかできませんでした。離ればなれになってからも毎年彼女の誕生日を祝っていたんです。」
65年の時を越えて再会した母娘は現在、定期的に電話やSNSで連絡を取り合っているそうで、ジュディさんはまるで夢のようだとして次のように語っている。
「19歳の時に私を産み、養子に出すしかなかった母が生きているかどうかも分かりませんでしたが、私は決して諦めず母を探し続けました。元気で暮らしていることを知った時には本当に嬉しかったです。」
「母と再会できて、私の写真をずっと大切に持っていたことを知ってとても特別な感じがします。私はこんなに幼い自分の写真を見たことがありませんでしたから。本当に素晴らしい夢のような気分です。長い間離れていましたが、私たちはいつも一緒にいたような気がしています。」
画像は『Long Lost Family 2022年6月14日付Twitter「“She’s always been my mother”- Judy.」』『The Mirror 2022年6月12日付「EXCLUSIVE: ‘I finally met my mum after 64 years and I had something I had to tell her’」（Image: SWNS）』のスクリーンショット
（TechinsightJapan編集部 上川華子）