オーストラリアでこのほど羊が大量死した。食べていた草が原因で、ヘロイン中毒のような症状を起こして死んでいったが、決して悪意の人物による犯罪行為ではないという。
豪サウスウェールズ州のとある牧場でこのほど800頭もの羊の様子がおかしくなり、その数多くが死んだ。原因は彼らが食べていた草。“Darling Pea”と呼ばれ、赤、紫、ピンクの可憐な花をつける植物だが、これは精製されると“Swainsonine(スワインソニン)”と呼ばれ、インドリジンアルカロイド(幻覚作用のある麻薬)の一種となる。北米では馬や牛には絶対に食べさせるなとされてきた禁忌の植物である。
それを食んでしまったことから羊たちは飲酒でもしたかのようにフラフラし、体重がどんどん減り、麻痺したように脚をひきずり始めた。また、うつ症状のように元気が失せていった羊も多かったが、悲惨なことに、頭蓋骨が割れるまで自らの頭を柵のポストに打ち付けて死んでいった羊もいたという。
ただしこれは人為的なミスや犯罪行為ではない。乾燥した時期のオーストラリアでは“ブッシュ・ファイアー”と呼ばれる火事が自然発生することがままあり、牧場もその被害に見舞われたことにより、Darling Peaが“精製”され危険なドラッグへと化してしまったのだという。牧場主であるルイーズ・ナイトさんは今、祈るような思いで羊たちの中枢神経が健康な状態に戻ることを見守っているが、全身症状が重い羊たちについては諦めなければならないという。
※ 画像はイメージです。
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)
豪サウスウェールズ州のとある牧場でこのほど800頭もの羊の様子がおかしくなり、その数多くが死んだ。原因は彼らが食べていた草。“Darling Pea”と呼ばれ、赤、紫、ピンクの可憐な花をつける植物だが、これは精製されると“Swainsonine(スワインソニン)”と呼ばれ、インドリジンアルカロイド(幻覚作用のある麻薬)の一種となる。北米では馬や牛には絶対に食べさせるなとされてきた禁忌の植物である。
それを食んでしまったことから羊たちは飲酒でもしたかのようにフラフラし、体重がどんどん減り、麻痺したように脚をひきずり始めた。また、うつ症状のように元気が失せていった羊も多かったが、悲惨なことに、頭蓋骨が割れるまで自らの頭を柵のポストに打ち付けて死んでいった羊もいたという。
ただしこれは人為的なミスや犯罪行為ではない。乾燥した時期のオーストラリアでは“ブッシュ・ファイアー”と呼ばれる火事が自然発生することがままあり、牧場もその被害に見舞われたことにより、Darling Peaが“精製”され危険なドラッグへと化してしまったのだという。牧場主であるルイーズ・ナイトさんは今、祈るような思いで羊たちの中枢神経が健康な状態に戻ることを見守っているが、全身症状が重い羊たちについては諦めなければならないという。
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(TechinsightJapan編集部 Joy横手)