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【海外発!Breaking News】小さな町に現れた多数のカンガルー、襲撃を恐れ棒を持って外出する住民も(豪)<動画あり>

TechinsightJapan 2022年8月23日 15時30分

オーストラリアの小さな町に多数のカンガルーが現れるようになり、住民が困惑しているというニュースが届いた。町中でカンガルーが芝生を食べたり寝転がっている様子はなんとも穏やかだが、カンガルーに襲われる危険性もあり住民らは頭を抱えているという。『ABC(Australian Broadcasting Corporation)』などが伝えている。

豪クイーンズランド州マアルームにある人口約220人という小さな海沿いの町に、多数の野生のカンガルーが姿を見せるようになった。カンガルーは穏やかなイメージが強く、同地域に現れたカンガルーの姿を捉えた写真では芝生を食べたり日向で横になったりとリラックスした様子が確認できる。

しかし大きな脚から繰り出されるキックは強烈で、今年4月には同州アランデルにあるゴルフ場でカンガルーが女性を襲撃して全身に裂傷を負わせていた。こうした危険性から、町は電光掲示板でカンガルーの襲撃に関して注意喚起している。

この町には観光客もよく訪れるそうで、キャンピングカー駐車場のマネージャーであるカレン・サトクリフさん(Karen Sutcliffe)は「数えきれないほどたくさんのカンガルーが飛び回っていて、停車しているキャンピングトレーラーの合間を縫ってジャンプしています」とこれまでとは比にならないほど多くのカンガルーが現れていると明かした。

地元の人々はカンガルーに襲われてしまった時のことを考え大きな棒を持って外出するなどの対策をしているが、カレンさんは「午後から釣りに行こうと思っていましたが、カンガルーに襲われてしまうかもしれないのでやめました。彼らはとても素早いのでどこにいるのか分からないのです」と話しており、自由に外出することができなくなったという。

同地域の住民であるマーク・シダウェイさん(Mark Sidaway)は「ここ数年はラニーニャ現象の影響で雨が多く、芝生が成長するのに適した環境になりました。庭の芝を定期的にメンテナンスしておらず芝が伸び放題のところにカンガルーの群れがやってくるのです」と多数のカンガルーが現れた原因について推測している。

クイーンズランド州環境科学省(Department of Environment and Science、以下DES)で南部野生動物を担当するフランク・ミルズさん(Frank Mills)は「クイーンズランド州ではカンガルーに襲われるケースが少なくありませんが、ほとんどは雄のカンガルーによるもので縄張り争いや交尾に関係しています。マアルームで毎日60~80頭以上のカンガルーを確認していますが、周辺の森林はこれほど多くのカンガルーが過ごせるほど十分なものではありません。住民がカンガルーにエサを与えているという報告が届いており、これはカンガルーが人間に近づいてしまうのを助長し悪影響になります」とコメントしている。

地域住民の中には、カンガルーから身を守るためにジェルブラスター(水で膨らむ弾を使用しているため安全と言われているトイガン)を使用しているという報告もあがっており、フランクさんは「動物が人間に対してネガティブな印象を抱く可能性があり、より攻撃的になる恐れがあります」と警告している。



なお現在は警告看板を出すなどの対策を行っており、DESは「カンガルーを殺処分する考えはない」と明かしている。



画像は『ABC 2022年8月19日付「Kangaroo attacks leave coast town residents scared to leave home」(ABC Wide Bay: Jake Kearnan)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 iruy)

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