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【海外発!Breaking News】ムカデを3分の2ほど飲み込んだ希少ヘビ、大きすぎて窒息死か(米)

TechinsightJapan 2022年9月10日 4時1分

今年2月、1975年に米フロリダ州で絶滅危機種に指定されている「リム・ロック・クラウン・スネーク(Rim rock crown snake、またはTantilla oolitica)」の死骸が発見され、今月4日にその死因の研究結果が公開された。非常に希少なヘビはムカデを飲み込んでいる最中に死んでおり、研究者は意外な死因に驚愕しているという。『Live Science』などが伝えている。

北米で最も稀なヘビと言われ、最後に野生で確認されたのが4年前という「リム・ロック・クラウン・スネーク」の死骸が2月28日、フロリダキーズ諸島最大の島キーラーゴの「ジョン・ペネカンプ・コーラル・リーフ州立公園(John Pennekamp Coral Reef State Park)」をハイキング中だった人によって発見された。

フロリダ魚類野生生物保護委員会(FWC)によると、リム・ロック・クラウン・スネークは米フロリダ南東部とフロリダキーズ諸島の一部のみに生息し、無毒で体長は最大で約25センチと小さいという。

今回発見されたのも体長約21センチで、死骸はゲインズビルのフロリダ自然史博物館に持ち込まれ、CTスキャンをもとに作られたデジタルイメージなどによる死因の分析が行われた。

その結果、ヘビはムカデを飲み込んだことで窒息死した可能性が高いことが判明、今月4日のオンラインジャーナル『エコロジー(Ecology)』で公開された。

それによるとヘビが頭から飲み込んだのは体長約7.3センチの有毒のムカデで、尾部2.3センチほどを残して口を開けたまま息絶えており、ムカデの最も太い胴体部分がヘビの気管を塞いでいたという。

そのため研究者は「ヘビは顎が柔軟であることで知られており、必要であれば獲物が大きすぎても吐き出すことができる。しかしこの個体の場合はムカデの多数の足が邪魔して、迅速に吐き出すことができなかったのではないだろうか」と興味深い推測をしており、「この個体はムカデを飲み込んでいる最中に気管を塞がれ、呼吸ができなくなって窒息死した可能性が高い」としている。

なおフロリダ自然史博物館の爬虫両棲類学コレクション・マネージャーで、研究論文の共著者でもあるコールマン・シーヒー氏(Coleman Sheehy)は「このヘビの体の側面には、有毒のムカデによって咬まれたと思われる小さな傷があった」と明かし、次のように述べた。

「有毒のムカデをよく食べるヘビには、毒に対して免疫があると言われています。ただリム・ロック・クラウン・スネークに免疫があるかどうかは分かっておらず、この個体には咬まれたことによる内出血も見られました。それでもムカデを途中まで飲み込んだヘビが、咬み傷や毒で致命傷を負ったとは考えにくいのです。」



どうやら小さなリム・ロック・クラウン・スネークは、自分の体に見合わないムカデを飲み込もうとして反撃され、窒息して息絶えたようだが、シーヒー氏は今回の希少な発見について「誰もが興奮している」と明かし、次のように語った。

「ヘビが獲物を飲み込んでいる最中に命を落とすということは非常に稀です。ましてやリム・ロック・クラウン・スネークの希少さを考慮に入れると、今回のような発見は全く予測できなかったことであり、私たちはみな驚愕しているのです!」

画像は『Florida Museum of Natural History 2022年9月7日付「North America’s rarest snake found biting off more than it could chew」(IMAGE BY ENGE ET ALL, 2022 IN THE JOURNAL ECOLOGY)(FLORIDA MUSEUM PHOTO BY JERALD PINSON)(PHOTO COURTESY OF DREW MARTIN)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)

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