今から11年前、顔面片側が痩せて凹んでくる「進行性顔面片側萎縮症（ロンバーグ病）」と診断された男性（18）は、一卵性双生児の兄弟に支えられて前向きに生きることを学んできた。外見の違いからいじめられたこともあったという男性だが、2年前に始めたTikTokで“自分らしく自信を持って生きることの大切さ”を発信し注目されている。『Truly』などが伝えた。
米ネブラスカ州オマハ出身のルーカス・コードウェルさん（Lukas Caldwell、18）は、7歳の時に行った生体検査で進行性顔面片側萎縮症（ロンバーグ病、以下PRS）と診断された。ルーカスさんが最初に顔の異変に気付いたのは6歳の頃で、一卵性双生児の兄弟ベンさん（Ben、18）に症状はない。
ルーカスさんによると、PRSは遺伝性ではなく約10万分の1の確率で発症するそうで、顔面片側の軟部組織（脂肪や筋肉など）および骨組織が進行性に萎縮する稀な疾患という。原因ははっきりと分かっておらず、交感神経や自己免疫の異常によって発症するとも言われる。
幼い頃から少しずつ顔が変形していったルーカスさんはよくからかわれ、「『ハーフ・フェイス（顔が半分しかないこと）』と呼ばれたり、面と向かって『醜い』と言われたり、うつる病気ではないのに『感染するから近づくな』といじめられた」と明かすと、複雑な心情をこのように吐露した。
「実はずっと自分に自信が持てなくてね。病気との最大の闘いは自分を受け入れることだった。自分は普通ではないと思っていたし、周りに溶け込めると思わなかった。外見のことで嫌な対応をされて、自分の感情を表に出さないようになったし、精神的に参ってしまったこともあったね。」
そんなルーカスさんを陰になり日向になり支えてきたのは家族で、ルーカスさんは「家族が僕に『人と違っても構わない。人と違うことは恥ずかしいことではない』ということを教えてくれた」と明かす。
特にベンさんは、いつもルーカスさんに寄り添い守ってきたようで、幼少期のことを「ルーカスをからかったり怖がったりする子はたくさんいた。そんな子は僕が許さなかったし、『怖がる必要はない』ということをきちんと説明してきた」と振り返る。
それでもルーカスさんの学校の成績はトップクラスで、ボランティアやボーイスカウトなどの校外活動に積極的に参加、「同じ学校に通うベンに負けないように頑張ってきた。その甲斐あって、やればできることを学んだ」と胸を張る。
またルーカスさんが高校在学中だった2020年8月に始めたTikTokは現在、240万人のフォロワーを獲得しており「最初に投稿した動画の再生回数が、2日間で50万回に達してね。これだったらPRSの僕にもできると思った。TikTokで人気が出るなんて、全く予期していなかった」と驚きを隠さない。ただ「自分の顔を売り物にしている」などとネガティブなコメントをしてくる人もいるそうで、ルーカスさんは「そんなコメントは気にしないようにしている。PRSについて知ってもらい、常に前向きなメッセージを発信したい」と述べている。
ちなみに兄弟はこの夏から揃ってカンザス州のカンザス大学に入学しており、ベンさんはルーカスさんのことを「ベストフレンド」と呼び、こう続けた。
「ルーカスはクイズボウル（競技クイズ）クラブやロボット工学チームに所属していたけど、僕は野球やアメフトなどのスポーツが好きでね。僕たちは興味は違うけど、それ以外の点に関してはよく似ているんだ。」
「ルーカスのTikTokの成功については僕も驚いている。あんなことができるなんて尊敬しているよ…。僕はルーカスから自分に自信を持つこと、そして自分らしく生きることの大切さを学んだね。」
なおPRSの患者の顔の萎縮は発症後数年経つと徐々に治まるそうで、ルーカスさんは3年前に進行が止まり、現在は矯正歯科で歯並びの治療を行っている。また顎が変形し、片側でしか物を噛むことができず痛みもあるため、7月には骨切り術という顎の骨を切る手術を受けている。
ルーカスさんは自身の写真をTikTokやInstagramでシェアしており、同じような症状を持つ人に「外見だけではその人のことを判断することはできない。もし自分に自信がなく悩んでいたら、僕がインスパイアできれば嬉しく思う」と語っている。そして「これからも動画を発信し続け、大学でもいい成績が取れるよう頑張るよ！」と素敵な笑顔を見せている。
画像は『Lukas Caldwell 2022年4月1日付Instagram「A pic of me and my twin from when we were like 6.」、2022年5月28日付Instagram「Guess how old I was in this picture」、2021年3月18日付Instagram「Hey guys!」、2022年4月4日付Instagram「Had fun at prom」、2022年5月18日付Instagram「Tomorrow is my last day of high school!」、2022年7月28日付Instagram「3 weeks after surgery」』のスクリーンショット
（TechinsightJapan編集部 A.C.）
米ネブラスカ州オマハ出身のルーカス・コードウェルさん（Lukas Caldwell、18）は、7歳の時に行った生体検査で進行性顔面片側萎縮症（ロンバーグ病、以下PRS）と診断された。ルーカスさんが最初に顔の異変に気付いたのは6歳の頃で、一卵性双生児の兄弟ベンさん（Ben、18）に症状はない。
ルーカスさんによると、PRSは遺伝性ではなく約10万分の1の確率で発症するそうで、顔面片側の軟部組織（脂肪や筋肉など）および骨組織が進行性に萎縮する稀な疾患という。原因ははっきりと分かっておらず、交感神経や自己免疫の異常によって発症するとも言われる。
幼い頃から少しずつ顔が変形していったルーカスさんはよくからかわれ、「『ハーフ・フェイス（顔が半分しかないこと）』と呼ばれたり、面と向かって『醜い』と言われたり、うつる病気ではないのに『感染するから近づくな』といじめられた」と明かすと、複雑な心情をこのように吐露した。
「実はずっと自分に自信が持てなくてね。病気との最大の闘いは自分を受け入れることだった。自分は普通ではないと思っていたし、周りに溶け込めると思わなかった。外見のことで嫌な対応をされて、自分の感情を表に出さないようになったし、精神的に参ってしまったこともあったね。」
そんなルーカスさんを陰になり日向になり支えてきたのは家族で、ルーカスさんは「家族が僕に『人と違っても構わない。人と違うことは恥ずかしいことではない』ということを教えてくれた」と明かす。
特にベンさんは、いつもルーカスさんに寄り添い守ってきたようで、幼少期のことを「ルーカスをからかったり怖がったりする子はたくさんいた。そんな子は僕が許さなかったし、『怖がる必要はない』ということをきちんと説明してきた」と振り返る。
それでもルーカスさんの学校の成績はトップクラスで、ボランティアやボーイスカウトなどの校外活動に積極的に参加、「同じ学校に通うベンに負けないように頑張ってきた。その甲斐あって、やればできることを学んだ」と胸を張る。
またルーカスさんが高校在学中だった2020年8月に始めたTikTokは現在、240万人のフォロワーを獲得しており「最初に投稿した動画の再生回数が、2日間で50万回に達してね。これだったらPRSの僕にもできると思った。TikTokで人気が出るなんて、全く予期していなかった」と驚きを隠さない。ただ「自分の顔を売り物にしている」などとネガティブなコメントをしてくる人もいるそうで、ルーカスさんは「そんなコメントは気にしないようにしている。PRSについて知ってもらい、常に前向きなメッセージを発信したい」と述べている。
ちなみに兄弟はこの夏から揃ってカンザス州のカンザス大学に入学しており、ベンさんはルーカスさんのことを「ベストフレンド」と呼び、こう続けた。
「ルーカスはクイズボウル（競技クイズ）クラブやロボット工学チームに所属していたけど、僕は野球やアメフトなどのスポーツが好きでね。僕たちは興味は違うけど、それ以外の点に関してはよく似ているんだ。」
「ルーカスのTikTokの成功については僕も驚いている。あんなことができるなんて尊敬しているよ…。僕はルーカスから自分に自信を持つこと、そして自分らしく生きることの大切さを学んだね。」
なおPRSの患者の顔の萎縮は発症後数年経つと徐々に治まるそうで、ルーカスさんは3年前に進行が止まり、現在は矯正歯科で歯並びの治療を行っている。また顎が変形し、片側でしか物を噛むことができず痛みもあるため、7月には骨切り術という顎の骨を切る手術を受けている。
ルーカスさんは自身の写真をTikTokやInstagramでシェアしており、同じような症状を持つ人に「外見だけではその人のことを判断することはできない。もし自分に自信がなく悩んでいたら、僕がインスパイアできれば嬉しく思う」と語っている。そして「これからも動画を発信し続け、大学でもいい成績が取れるよう頑張るよ！」と素敵な笑顔を見せている。
画像は『Lukas Caldwell 2022年4月1日付Instagram「A pic of me and my twin from when we were like 6.」、2022年5月28日付Instagram「Guess how old I was in this picture」、2021年3月18日付Instagram「Hey guys!」、2022年4月4日付Instagram「Had fun at prom」、2022年5月18日付Instagram「Tomorrow is my last day of high school!」、2022年7月28日付Instagram「3 weeks after surgery」』のスクリーンショット
（TechinsightJapan編集部 A.C.）