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【海外発!Breaking News】「最もふくよかなクマ」コンテストで不正が発覚する(米)

TechinsightJapan 2022年10月24日 22時0分

10月11日、米アラスカ州で開催された「ファット・ベア・ウィーク(Fat Bear Week)」で、2022年の優勝クマが決定した。このコンテストは冬眠に備えた「最もふくよかなクマ」の活躍を称える大会で、今回は12頭のクマが出場した。優勝したクマは推定635キロもの体重があり、地球上でもっとも大きなヒグマだとされている。2014年から始まった同コンテストは年々人気となり、今年は100万票が集まった。しかしその中で「不正票」が投じられ、一時的に集計ミスが発覚した。『CNN』などが伝えている。

アメリカ最北端のアラスカ州にあるカトマイ国立公園は、“747”と名付けられたクマが「ファット・ベア・ウィーク」の勝者に選ばれたと発表した。“747”は一般投票の100万票以上の中から68,105票を獲得し、56,876票獲得した2位のクマ“901”と差をつけての勝利となった。

“747”は地球上で最も大きなヒグマの1頭とされており、体重は推定635キロあるという。“747”のような胴回りになるクマはほとんどおらず、今年の6月下旬から9月中旬まではほぼ毎日“747”は公園内のブルックス川で魚を捕っていたというから、これほどの巨体になったのにも納得がいく。なお“747”は今回が初めての優勝ではなく、2020年にも王座に輝いていた。

カトマイ国立公園は、19,000平方メートル以上の広大な敷地に2,000頭以上のヒグマが生息しており、野生の動物を見るには絶好の場所である。しかしこの地域は辺鄙な場所にあるため、飛行機か船でしか行くことができない。このような環境でクマたちを直接観察することは難しいが、ファット・ベア・ウィークを主催しているサイト『Explore.org』では、6台のカメラによる様々な場所のライブ映像や録画映像を見ることができる。

『Explore.org』では世界中の動物園や自然公園にカメラを設置し、動物の生態や広大な自然の映像をライブ配信しており、ファット・ベア・ウィークは人気コンテンツの1つとなっている。冬眠する前のヒグマが集まってくるブルックス川でのサケの捕獲シーンや、川辺でくつろぐ子グマなどの様子を見ることが可能で、また同サイトには出場したヒグマたちのプロフィールや冬眠前後の写真など詳細な情報が記載されている。

1週間にわたって行われるファット・ベア・ウィークでは、世界中の視聴者が川の周囲に設置されたライブカメラを通してクマを観察する。視聴者は、5か月間の冬眠を経て飢餓状態になったクマたちが「大量の脂肪」を蓄えていく様子を観察するのだ。ちなみにクマが捕食するベニザケは一日に45キロに及ぶという。視聴者はその後、オンライン投票で自分のお気に入りのクマに投票することができる。

今回のファット・ベア・ウィークの開催にあたり、Twitterでは「“747”おめでとう!」、「クマたちの様子を見ることができたことに感謝」、「“747”はとても大きい」といったコメントがあがっている。



2014年から開催されてきた「ファット・ベア・ウィーク」は、カトマイ国立公園のヒグマの回復力や適応力、強さを称えるためのイベントである。しかし今回のコンテストでは、大会開始以来初の不正行為が起こってしまった。“747”の準決勝戦で9,000票以上のスパム票が発見されたのである。この大量の偽の投票は、ウェブサイトの投票用ウィジェットを『Explore.org』のウェブサイトチームが調査し発覚したそうだ。

『Explore.org』に所属するキャンディス・ラッシュさん(Candice Rusch)は「“747”の準決勝の相手である“435ホリー”が、わずか数時間で6,000票差から大逆転したため不審に思った」と『CNN』に語っている。幸いにも不正はすぐに発覚し、偽の票は破棄された。そして“747”が対戦相手の“435ホリー”に勝ち、決勝戦にて宿敵のクマ“901”から勝利を勝ち取ることができたのであった。ちなみに投票改ざんの責任を誰が負うことになるのかは、現時点では不明だという。

画像は『Katmai National Park 2022年10月12日付Twitter「The votes are in- you’ve decided to upgrade to fish class & fly w/ 747!」(ALT)、2022年10月11日付Twitter「Clash of the Titans!」(ALT)、2022年10月19日付Twitter「How many bears are too many on the lip?」(ALT)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 H.R.)

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