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【海外発!Breaking News】二分脊椎症の息子を24時間介護する母親「この子にチャンスを与えたい」(スコットランド)

TechinsightJapan 2022年10月25日 22時0分

今年3月、スコットランドで稀な先天性疾患である「二分脊椎症」を抱えた男児が誕生した。病気が発覚したのは男児がお腹にいた妊娠16週の時だったそうで、両親は医師から「中絶も選択肢のひとつ」と告げられたが、どんな困難も乗り越えると決意し妊娠を継続したという。生後間もなく複数の手術を受け、現在生後7か月になる男児の下半身には麻痺が残っているが、両親は「できる限り多くのチャンスを与えたい」と話している。『The Mirror』『The Sun』などが伝えた。

スコットランドのフォールドハウスに暮らすシャーリーン・スチュワートさん(Charlene Stewart、34)は今年3月、稀な先天性疾患の「二分脊椎症」を抱える息子ブレイク君(Blake)を出産した。

「二分脊椎症」とは生まれつき脊椎の一部が2つに分かれている疾患で、通常は脊椎(背骨)の中にあるはずの脊髄(脳からの命令を伝える中枢神経)が外に出ており、脊髄神経の癒着や圧迫により様々な神経症状が現れる。

ブレイク君の病気が判明したのは妊娠16週の時だそうで、シャーリーンさんはこのように振り返った。

「お腹の子が二分脊椎症と分かった時、医師からは妊娠を中断することも選択肢のひとつだと告げられました。でも私と夫のロビン(Robin、43)にはその考えはありませんでした。またベルギーに行って胎児のうちに脊椎の手術を受けることもできましたが、現実的ではなかったんです。私たちはブレイクの他にも5人の子供を育てています。当時、私たちの家は洪水でカビだらけになっていて1年半ほどホテルに滞在していました。もし手術で問題が起きたら私は他の子供たちを置いてベルギーに滞在することになるので、それが正しい選択だとは思えませんでした。ですが私たちはどんな困難に直面してもブレイクを愛すること、彼のためなら何でもできると思い妊娠を継続することを決意しました。」

ブレイク君は「二分脊椎症」の中でも症状が重く、背骨に囲まれている脊柱管が開いたままで、押し出された脊髄と周辺組織が袋状になって背中に露出している状態だった。そのため生後すぐに脊髄を背骨の中に戻す手術を受けたそうだ。

その後も3か月間入院し7回の手術を受け、退院から2週間後には脊髄と脳にたまった髄液を排出するためにシャントと呼ばれる管を入れる「髄液シャント術」を受けたブレイク君。ところが手術から2週間後にシャントが詰まってしまい、再手術を受けなければならなかった。そんなブレイク君の下半身には麻痺が残っているため自宅では24時間の介護が必要だという。

「生まれてすぐに最初の手術が行われたので、ブレイクに初めて会えたのは出産の翌日でした。その時、医師からは麻痺が残ることを告げられたのです。ブレイクは生後7か月になりますが、座ることや寝返りを打つこと、排泄も自分でできないためカテーテルに頼っています。自分で動くことができないので、床ずれを起こさないように夜間でも1時間ごとに動かさなければなりません。脚の筋肉が一部しか発達していないので、脚を蹴り上げることはできても下ろす力がないんです。私は24時間ブレイクを抱っこしていなければならないのでとても疲れるし、他の子供にも負担がかかっているので大変です。」

そう語ったシャーリーンさんは現在、二分脊椎症の子供を持つ親のためのサポートグループに参加しているといい、「最近、脊髄に低周波の電気刺激を与える電気刺激療法によって、ブレイクに筋肉を発達させる可能性があることを知りました。グループには子供が歩いたり活動的になることはないと言われていたにもかかわらず、電気刺激療法を半年から1年続けて大きな進歩を遂げたメンバーもいるんです。脚を動かして力をつけ、腸と膀胱のコントロールができれば、ブレイクの人生は大きく変わるかもしれません」と述べている。



またブレイク君にできる限り多くのチャンスを与えたいと考えている両親は、二分脊椎症の脊髄刺激療法を行っているアメリカの理学療法士を見つけ、機械やパッドの購入、機械の使い方についてZoomを用いたオンライン学習を2週間毎に受けるため、資金を募っているという。

画像は『The Sun 2022年10月20日付「MUM’S LOVE My baby boy’s rare condition that means I have to hold him all day long ― and move him every hour at night」(Credit: Media Scotland)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 上川華子)

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