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【海外発!Breaking News】世界初 両手と顔面の同時移植成功から2年、男性が思いを語る「前を向いて歩こう」(米)<動画あり>

TechinsightJapan 2022年10月28日 22時0分

交通事故で体の80%に火傷を負った男性は2020年8月、それまで世界で成功例がなかった両手と顔面の同時移植手術を受けた。そして今年8月、男性は手術から2年を記念し「自分の経験を語ることで、少しでも多くの人をインスパイアできれば」とTikTokをスタート。前を向いて歩くこと、そして希望を持って生きることの大切さを伝えて注目されている。『Truly』などが伝えた。

米ニュージャージー州出身のジョー・ディメオさん(Joe DiMeo、24)は2018年7月14日、夜勤を終えて帰宅途中、居眠り運転で車が横転する事故を起こし、炎上する車に閉じ込められた。

「事故を起こしたことさえ覚えていない」と語るジョーさんは、身体の80%にIII度の火傷を負い、ニュージャージー州の病院で3か月半、薬による昏睡状態に置かれた。医師は焼け爛れた顔の形成手術を繰り返したものの完全な修復はできず、ジョーさんは両手の機能も失った。

そして2019年10月、顔面と両手の移植手術の待機リストに名を連ねたジョーさんは、2020年8月12日に米ニューヨーク大学ランゴーン医療センターで23時間にわたる同時移植を受けた。移植されたのは両前腕の半分から下と額、眉毛、両耳、鼻、両瞼、唇、皮膚下の頭蓋骨、頬の骨、鼻骨、顎骨の一部などを含む顔だった。

ジョーさんの手術前は同時移植の成功例はなかったが、若く、健康で高い意欲を持つジョーさんの手術は成功。今年8月に手術から2年を迎え、TikTokで「火傷を負ったサバイバー」として自身の経験を語り始めた。

ジョーさんはその中で、手術後の自身について「それまでと違うのは顔、両手、そして体の傷が増えたこと。でも僕自身はちっとも変っていない」と明かし、このように述べている。

「事故当時、自分は19歳でね。ドナーは28歳年上の47歳の男性だった。いまだに生前のドナーの写真を見たことはなく、家族とも面会していないけど、亡くなった男性には心から感謝している。」

「多くの人が『亡くなった人の顔や両手を移植したことは嫌ではなかったの?』と聞いてくるけど、僕は移植された顔や両手に違和感がなかったし、すぐに馴染むことができた。それに僕の場合、手術後に顔面に痛みを感じたことがなくてね。ただ移植した部位の腫れは今でも完全には引いていない。どれだけ時間がかかるのかは医師でさえ分からないんだ。」

「両手は痛い時もあればそうでない時もある。医師には『両手の神経が十分に発達するにはまだ数年はかかる』と言われていてね。指を使って物を掴むのは今でも難しいから、ピアノを弾くことを始めた。今は週に2~3回は作業療法と理学療法を受けていて、ジムで体を鍛えている。火傷した部位には筋肉がつかないけど、車の運転もできるようになった。」

「移植した部位の皮膚は常に乾燥していて、突っ張った感じは拭えない。だからシャワーをした後は必ずクリームを塗ることが必要だね。特に気を付けなくてはいけないのは、太陽の光に当たらないようにすること。手術後の僕の体は猛暑と厳寒を受け付けなくなったんだ。」

「視力についてもよく聞かれるけど、手術で瞬きができるようになり、視力も出ている。小さな文字を読むことはできなくなってしまったけど、大きな問題とは思ってないよ。」



ちなみにジョーさんによると、TikTokのコメントの95%はポジティブなものだそうで、残りの5%については「その人のことを全く知らないし、気にしないようにしている」と述べている。また外出時にジロジロ見てくる人やぶしつけな質問をしてくる人に対しては「体の傷について聞かれれば、きちんと答えるようにしている」と明かしており、誠実な人柄をのぞかせる。



そんなジョーさんにとって事故後、大きな支えになったのは事故前から飼っていたボストン・テリアと、ジョーさんのInstagramのフォロワーだったというジェシカさん(Jessica)で「彼女もボストン・テリアを飼っていてね。彼女は最初、車で1時間の距離をドライブし、僕に会いにきてくれていた。でも運命を感じるようになって、そのうち一緒に住むようになったんだ」と嬉しそうに語る。



一方のジェシカさんは、ジョーさんについて「一緒に外出するとジロジロ見てくる人がいて。最初のうちは気になっていたけど、ジョーは受け流すことができるのよ。彼はとにかく前向きでインスパイアされるし、心から誇りに思っているの」と笑顔を見せる。



なお両手と顔面の同時移植で世界初の成功例となったジョーさんは現在、事故後の自分の人生について本を執筆しているという。「他の人に『できない』と言われても、結果がすぐに出なくても、『自分を信じてとにかく前を向いて歩こう』」と語るジョーさん。将来は人々が前向きで幸せに生きるためのアドバイスをする「モチベーショナルスピーカー」になることを夢みているそうで、TikTokはそのための第一歩ということだ。



画像は『Shake My Beauty 2022年10月26日付Instagram「On a typical night after work,」』『Joe DiMeo 2022年10月1日付TikTok「Replying to @mparra832」、2022年10月8日付TikTok「Replying to @Cheryl Merry Grannem」、2022年9月8日付TikTok「Replying to @Jesica」、2022年10月9日付TikTok「Replying to @badkarma625 not being depressed」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)

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