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【海外発!Breaking News】火傷で「エイリアン」と呼ばれた8歳女児が“勇気ある子供賞”を受賞、モットーは「大切なのは外見でなく優しさ」(英)<動画あり>

TechinsightJapan 2022年10月30日 22時0分

生後6か月で体の60%以上に火傷を負ったエリザベス・ソフィちゃん(Elizabeth Soffe、8)が今月末、ファンドレイジングなどの活動が認められ、優れた功績を残した英国人を称える賞「プライド・オブ・ブリテン(Pride of Britain)」の“勇気ある子供賞(Child of Courage award)”を受賞した。エリザベスちゃんはステージで「外見は重要ではない。大切なのは優しさよ!」とモットーを語り、多くの人の涙を誘った。自分を卑下せず、たくましく生きる女児の姿を『OK! Magazine』などが伝えている。

アイルランドの首都ダブリン出身のリアムさん(Liam、44)とシネイド・ソフィさん(Sinead Soffe、43)夫妻に2014年5月29日、その後の人生を変える災難が降りかかった。中東カタールに住んで3年、自宅2階の寝室が火事になり、末っ子のエリザベスちゃん(Elizabeth、8)が体の60%以上に火傷を負ったのだ。

エリザベスちゃんは当時生後6か月で、ベビーベッドの真上に設置されていたエアコンに欠陥があったことから出火、シネイドさんが泣き声に気付いて駆けつけた時にはベッドもエリザベスちゃんも炎に包まれていた。

火事が起きたのはシネイドさんが娘を寝かしつけて約30秒後のことだったそうで、エリザベスちゃんはこの火事で体の60%以上にIII度の火傷を負い、手指と鼻のほとんどと髪の毛、左耳を失った。

カタールでは当時、重度の火傷の治療施設がなく、エリザベスちゃんはカタール首長が所有する医療用航空機によってイギリスのバーミンガム小児病院の火傷治療専門の施設へと搬送され、最初の数週間は薬による昏睡状態に置かれた。

そして6か月間を同病院の集中治療室で過ごしたエリザベスちゃんは、一日おきに皮膚移植、1週間毎に形成手術を受けた。夫妻はこの事故を機に長男(14)、長女(13)、次男(10)を連れてバーミンガムへ移り住んだ。

シネイドさんは「最初の数週間は娘が死んでしまうのでは…と気が気ではありませんでした。でもなんとか持ち直し、これまでに80回以上の手術に耐えてきたのです」と明かし、次のように続けた。

「エリザベスは現在、年に2回手術をし、その合間に理学療法や運動療法を一日4回受けています。これからも手術は続く予定で、火傷の傷で首、肘、手首、他の関節の動きが制限されるうえ、正常な皮膚は移植に使われてしまうため体は傷だらけです。それなのに娘は幼い頃に火傷をしたためか、これまで一度たりとも愚痴をこぼしたことがありません。」

しかしこの火傷によって特異な外見を持つエリザベスちゃんが外出すると心無い言葉をかけられることも多いそうで、シネイドさんはこれまでのネガティブな経験についてこう述べている。

「人は自分たちが発する言葉のインパクトというものを考えないようで、特に大人にその傾向が強いのです。娘は以前、プールで泳いでいる時に『醜いから』という理由で追い出されそうになったことがあります…。幼い時は私たち家族がなんとか娘を守ることができましたが、成長した娘は自分で見聞きし、やるせない状況を理解しているのです。」

「今年サマーキャンプに参加した時は、同年齢の女の子たちがトイレまで追いかけてきて、『エイリアンが来るところではないから、ここにいるべきではない』と言ったそうです。娘は落ち込んでいましたが、気持ちを切り替えて戻っていきました。娘が酷く心を痛めるのを時折見ますが、あの子は決して怒らず、いつも優しいのです。」

そんなエリザベスちゃんは昨年、手術を終えた後にある決意を固めた。それは「火傷の傷跡(瘢痕組織)などの治療のためのレーザー機器を購入し、バーミンガム小児病院に寄付したい」というもので、エリザベスちゃんは機器代の約2230万円(13万ポンド)を集めるために一日1マイル(1.6キロ)走ることを26日間続けたのだ。外出できない時は自宅の庭を73周したそうで、リアムさんは「あの子はやると言ったら必ずやり通すのです。それも笑顔でね! そしていつもやる気に満ち溢れているのです」と語る。



実はシネイドさん、「約17万円(1000ポンド)集まればいいだろう」と思っていたそうだが、エリザベスちゃんはこの挑戦で約3680万円(21万5000ポンド)を集めることに成功した。またこのほかにも、病気などの傷跡を修復する支援活動を行う英ロンドンの慈善団体「スカー・フリー基金(Scar Free Foundation)」の大使として活動、10月には患者の不安を減らすためのバーチャル・リアリティヘッドセットを購入するため、長距離(50万歩)を歩くファンドレイジングイベント「ハーフ・ア・ミリオン・ステップ(Half-A-Million Steps)」にも参加した。



そしてこれらの活動が認められたエリザベスちゃんは今月27日、「プライド・オブ・ブリテン(Pride of Britain)」の“勇気ある子供賞”を受賞し、オーストラリア出身で憧れのF1ドライバー、ダニエル・リカルドともサプライズ対面を果たした。エリザベスちゃんは今春にも地元の「プライド・オブ・バーミンガム(Pride of Birmingham)」の“勇気ある子供賞”を受賞しており、その勇気ある優しい心が注目されていた。



ちなみにエリザベスちゃんの将来の夢はF1ドライバーか学校の先生だそうで、学校で好きな科目は英語、科学、体育なんだとか。そして誰もが魅かれるエリザベスちゃんのモットーはこんな言葉である。

「外見は重要ではないの。大切なのは優しさよ!」



画像は『Anton Du Beke 2022年10月28日付Twitter「An absolute honour to present the wonderful」』『Bham Children’s Hosp 2021年12月3日付Twitter「Today, on her eighth birthday」』『McLaren 2022年10月28日付Twitter「We’re in complete awe of your bravery, Elizabeth.」』『Birmingham Live 2022年10月25日付「Schoolgirl who survived cot blaze brings audience to tears at Pride of Britain awards」(Image: Daily Mirror)』『OK! Magazine 2022年10月23日付「‘My little girl’s endured 80 operations - but she’s raised £250k for other burn victims’」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)

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