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【海外発!Breaking News】大手銀行の楽曲無断使用を訴えた学生、600万円超の補償金を勝ち取る(ケニア)

TechinsightJapan 2022年11月6日 5時0分

このほどケニア人男子学生が、自身が作曲した音楽をめぐって大手銀行を相手に10年余りの歳月を経たのちに勝訴した。この学生は日本円で600万円以上の補償金を受け取ることとなり、尊厳と名誉を手に入れたという。『LaLibre』などが伝えている。

ケニア在住のエリック・オビエロ・ニャディダさん(Eric Obiero Nyadida、25)は、首都ナイロビに本社を置く「エクイティ・バンク(Equity Bank)」を2013年から訴え続けていた。それはエリックさん自身が作曲した音楽を本人の許可なしに銀行のCMに使用し、また契約で交わされていた報酬も未払いだったからだ。

問題の音楽は当時16歳のエリックさんが作曲し、エクイティ・バンクの学生向けプログラム「Wings to Fly」を推進するための広告キャンペーンの一環として使用された。このプログラムは、経済的に困難な背景を持つ、優秀な子供たちの中等教育を支援するために設立された奨学金制度である。

エリックさんはその時の契約についてこのように説明している。

「マランダ高校2年生の時です。レコーディングした音楽をエクイティ・バンクに送りました。1000万ケニアシリング(約1210万円)を支払うという契約書にサインしていたのに、払ってもらえませんでした。」

16歳だったエリックさんは楽曲の権利を主張したが、エクイティ・バンクは謝罪をするのではなく逆にエリックさんを「偽造罪」で起訴していた。

そして今年の10月25日に裁判が行われ、エクイティ・バンクは知的財産権に対する補償金500万ケニアシリング(約605万円)をエリックさんに支払うように命じられた。またエリックさんは、エクイティ・バンクによって偽造罪で起訴された損害に対して25万ケニアシリング(約30万円)の賠償金を受け取ることになるという。

二重の勝利を勝ち取ったエリックさんは「私の弁護士であるKhaminwa & Khaminwa Advocatesとともに10年にわたる法廷での闘いの結果、二度にわたって私に有利な判決が下されました。正義が勝つことを認めてくれた神に感謝します」とTwitterで喜びの声をあげ、声明文の抜粋を公開した。

抜粋には、エリックさんは自身が受けた被害だけではなく、その他の弱い立場の者がエクイティ・バンクによって虐げられていることに気づいたと綴られている。

エクイティ・バンクグループの腐敗体制を目の当たりにしたエリックさんは「私だけの問題ではないことに気づきました。自分の権利のために立ち上がることができる、孤独に闘う必要はない」と述べており、自分の権利を主張する勇気を他の人に与えたいと願っていた。

エリックさんのTwitterには、「おめでとう」「好ましい裁定が下され、本当によかった」「(勝訴まで)10年は長すぎた」といったエリックさんの勝利を祝福するコメントが寄せられている。



なお声明文は「善良な人々が沈黙している時、悪は栄える」というメッセージで締めくくられていた。

画像は『Radio 254 2022年10月31日付Twitter「We will be interviewing @EricNyadida on 254.radio」』『Eric Nyadida 2022年10月25日付Twitter「After a decade long battle in the courts together with my lawyers Khaminwa & Khaminwa Advocates」、2022年10月27日付Twitter「Equity group continues to infringe on my intellectual property by still running the ads in Tanzania」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 H.R.)

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