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【海外発!Breaking News】自分の身体の2倍もある腫瘍を抱えて生まれた新生児、摘出手術を受け無事に退院する(豪)<動画あり>

TechinsightJapan 2022年11月7日 21時0分

今月17日の「世界早産児デー」を目前に、オーストラリアで早産の上に自分の身体の2倍もある大きな腫瘍を抱えて生まれてきた新生児に関心が集まっている。新生児の出産の対応をした病院では「今までの中で過去最大の大きさの腫瘍だった」と明かしている。『9News』『News.com.au』などが伝えている。

豪クイーンズランド州ブリスベンの産婦人科病院「メーター・マザーズ病院」で、今年8月に早産で生まれたセイラー・トムソンちゃん(Saylor Thomson)について、同病院がウェブサイトで紹介したところ、、多くの関心が集まった。セイラーちゃんは出産予定日より3か月も早く生まれ、体重が僅か1025グラムしかない上に、自分の身体の2倍もある大きな腫瘍を抱えて生まれてきたのだった。

セイラーちゃんの腫瘍は母親のレイチェルさん(Rachel)が妊娠20週目に受けた検査で発覚し、レイチェルさんは医師から「セイラーちゃんの生存率は僅か25~40パーセント程度」と言われたそうだ。この腫瘍は、4万人に1人の割合で胎児の尾骨のあたりに発症する「仙尾部奇形腫」と呼ばれる腫瘍という。

仙尾部奇形腫は腫瘍内に血管が通っており、心臓に血液が一気に送られることで死に至るそうだ。当時医師から「早産に加えて腫瘍があるためセイラーちゃんが助かる見込みはない」と言われたレイチェルさんはその場で狂ったように泣いてしまったという。

そして出産当日、同病院でハイリスク妊娠症例を扱う母体胎児医学センター、サイレッシュ・クマール教授(Saliesh Kumar)率いる25人の医療スタッフのチームは、2キロほどの大きなボールのような腫瘍を抱えて生まれてきたセイラーちゃんに、すぐに腫瘍の摘出手術の準備を始めた。

6時間にも及ぶ手術は無事成功し、レイチェルさんと父親のキーランさん(Kieran)はセイラーちゃんが生まれて10日後に初めて彼女を抱くことができたそうだ。腫瘍の摘出手術を執刀した新生児・小児外科医のピーター・ボルツィ医師(Dr Peter Borzi)は、「手術中に5回ほど輸血の必要がありましたが、彼女は強くて回復力があった」と語っている。

また、クマール教授は「今回の腫瘍はこれまでに同病院で対応した中でも最も大きなものだった」と明かし、このように述べている。

「セイラーちゃんの腫瘍は大きい上に非常に複雑で骨盤と腹部にまで広がっていました。このような場合、ほとんどの胎児は妊娠しても生き延びることができないのです。基本的に、このような腫瘍は本来の血管以外に、大量の血液を心臓に送ってしまう血管が腫瘍内に通っていて、一気に送られてくる血液に心臓が耐えられなくなり、場合によって心不全を起こしてしまうのです。」



目覚ましい回復を見せたセイラーちゃんは、病院のスタッフから「奇跡の赤ちゃん」と呼ばれるようになった。その後無事に退院し、すくすくと成長していったセイラーちゃんは現在体重が3000グラム近くにまで増え、日々健やかに成長しているという。



画像は『Mater Mothers 2022年11月6日付Facebook「Mater doctors have saved the life of a premature baby girl after successfully removing a two- kilogram tumour from a tiny newborn’s spine.」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 MasumiMaher)

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