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【海外発!Breaking News】イギリス国内でわずか4匹だった希少な犬種、8匹の仔犬を産んで個体数3倍に

TechinsightJapan 2023年4月15日 17時4分

オランダ原産の犬種「ヴェッターフーン(Wetterhoun)」は現在、世界で約1000匹存在しており、イギリスにおいてはわずか4匹しかいない。しかし、そんな珍しい犬を飼う夫婦の家に待望の仔犬が誕生したことにより、イギリス国内における個体数は一気に3倍に増加したという。イギリスの公共放送『BBC』などが伝えている。

ヴェッターフーンの仔犬が誕生したのは、英ドーセット州ドーチェスターに住むニッキーさん(Nicky)とマイクさん(Mike)の家だ。2人は2020年にヴェッターフーンの“アフカ(Aafke)”を迎え入れ、家族の一員として育てた。

ヴェッターフーンは、少なくとも400年前にオランダのフリースラント州で確認されていた。難しく危険なイタチやカワウソの狩猟のために飼われており、撃ち落とした水鳥を回収し、また番犬としても活躍していたという。第二次世界大戦中には個体数が激減してしまったが、愛好家たちが繁殖活動を行い、現在は世界で約1000匹という数まで増えてきた。

イギリスでオランダ原産の犬種の保護活動を行う団体「UKシュタバイフーン協会(UK Stabyhoun Association)」は、イギリスに4匹しかいないヴェッターフーンの個体数を増加させるためのプログラムに取り組んでいる。同団体の繁殖アドバイザーであるハンナ・ウッズさん(Hannah Woods)は「ヴェッターフーンは希少な犬種ですので、未来の仔犬たちのために健全な遺伝子を残すことが重要であり、保全活動を行わなければなりません」とプログラムの必要性を語る。

ニッキーさんとマイクさんはアフカを迎える前から、ヴェッターフーンの近縁種であるシュタバイフーン(Stabyhoun)を飼っていた。2人はオランダ原産の犬種を好んでいたためこのプログラムに協力することを決め、昨年の夏にメスのアフカに合うオスのヴェッターフーンを見つけるため、ヨーロッパ中を探し回った。そして見つけたのが、オランダのヘルダーラント州ヘーテレンで飼われている、6歳の“ジャッピー(Jappie)”だった。

アフカのいる場所から国境を越えて450マイル(約724キロ)も離れたところで過ごしていたジャッピーだったが、距離的に最も近い相手だった。相性を確かめるためデートをさせるのも大変だったが、保護活動のためには遠いという理由だけでこのチャンスを逃すことはできず、アフカとジャッピーの対面の機会が設けられた。そして2匹は打ち解けることができ、今月5日にアフカは8匹の仔犬を産んだのだ。

誕生した仔犬たちには、ヴェッターフーンの特徴的なクルクルとした可愛い巻き毛が確認できる。仔犬の誕生によりイギリス国内におけるヴェッターフーンの個体数は12匹に増加し、3倍になった。

ニッキーさんとマイクさんは仔犬たちの新しい家族を探しているそうで、「何よりもまず、仔犬を大切に育ててくれる人を希望していますが、いつかヴェッターフーンの仔犬を迎えたいと考えている人からの連絡にも期待しています。この国で安定した個体数までヴェッターフーンが増えることを願っています」と話している。現在は仔犬たちのウェイティングリストを作成しており、UKシュタバイフーン協会は、仔犬1匹を1500ポンド(約24万9千円)で販売することをニッキーさんとマイクさんにアドバイスしている。

ちなみに先月には、クリームのゴールデンレトリバーからピスタチオ色の仔犬が誕生し、その姿を捉えた動画が話題を呼んでいた。

画像は『BBC 2023年4月12日付「Rare Wetterhoun puppies born in Dorchester in UK first」(UK STABYHOUN ASSOCIATION)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 iruy)

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