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【海外発!Breaking News】「息子の最期の姿を見て欲しい」“抗ヒスタミン剤チャレンジ”で死亡した13歳少年の家族が涙の訴え(米)

TechinsightJapan 2023年4月19日 5時0分

米オハイオ州コロンバスに住む13歳の少年が今月12日、抗ヒスタミン剤を大量に摂取するという“TikTokチャレンジ”で命を落とした。家族は米ネットメディア『ABC 6』の取材に応じ、少年が病院で人工呼吸器につながれている写真を公開。「どうか息子の最期の姿を見て欲しい」と訴え、チャレンジの危険性について警告した。

ジェイコブ・スティーブンス君(Jacob Stevens、13)が今月6日、2020年頃から流行しているTikTokの「ベナドリル・チャレンジ(Benadryl Challenge)」に参加し、12日に死亡が確認された。

ベナドリルとは市販薬の抗ヒスタミン剤「ジフェンヒドラミン」の商品名であり、TikTokチャレンジでは通常の服用量の6倍にあたる12~14錠を摂取し、ハイになったり幻覚を楽しむという。

父のジャスティンさん(Justin)によると、ジェイコブ君は自宅でチャレンジに参加し、一緒にいた友人らがその様子を撮影していたそうだ。当時摂取した量は14錠よりも多かったとのことで、急に全身のけいれん発作を起こし、病院に緊急搬送された。そして人工呼吸器に繋がれると、6日後に息を引き取った。

ジャスティンさんはジェイコブ君が逝ってしまった12日を「私の人生の中で最悪の日だった。あの子は薬を過剰摂取したんだよ」と明かし、次のように続けた。

「医師には『もう二度と目覚めることはないだろう』と言われてね。脳幹を含む脳全体の機能が失われていた。それで『このまま人工呼吸器に繋いでおくこともできる。でも彼は決して目を開けることも、自発呼吸をすることも、微笑むことも、歩くことも、話すこともないだろう』と告げられた。私はその時、まるで時間が止まってしまったかのように感じたよ。」

息子の死後、両親は「ジェイコブは礼儀正しく、面白く、愛される子で、地元の学区ではアメリカンフットボールをしていたよ」と回顧、ジャスティンさんは「どんなに嫌なことがあった日でも、あの子だけが私を笑顔にしてくれた。それは他の誰にもできないことだった」と肩を落として語っていた。



この事故を受け、ジェイコブ君の祖母ダイアナさん(Dianna)は地元テレビ局に「他の子がジェイコブのようにならないよう、どんなことでもするつもりよ」と涙ながらに述べ、ジャスティンさんは次のように訴えた。

「10代の子供たちが携帯電話で何をしているのか、親は監視して欲しい。そしてどうか私の息子に起きたことを、子供たちに話してやって欲しい。みんなに息子について知ってもらいたいからね。」

なおベナドリルは過剰摂取すると、悪心・嘔吐、めまい、頭痛、けいれん、血圧上昇、不整脈、呼吸不全などの中毒症状を起こし、最悪の場合は死に至る。ジャスティンさんは「自分の残りの人生をかけて、ベナドリルのような薬を購入する際の年齢制限を設けるよう、議員に働きかけていきたい。自分が死ぬその日まで挑戦を続けるよ」と強い決意を示し、すでにオハイオ州知事マイク・デワイン氏(Mike DeWine)にメッセージを送ったことを明かした。

さらにジャスティンさんはTikTok側に年齢制限や規制を求めているが、危険なチャレンジで死亡する例は後を絶たず、「SNSと携帯電話で世界は腐ってしまった」「TikTokは米国内で全面禁止にすべき」「両親のことを思うと胸が痛む。子供にSNSは必要ない」「TikTokが悪いのではない。悪いのは親」「親が悪いというのは残酷だし、親を責めるべきではない。子供は何をしでかすか分からないからね」「一緒にいた子供たちもかわいそうだ」といったコメントが寄せられた。

ちなみに今年1月にはアルゼンチンで、12歳の女児が「失神チャレンジ」に挑戦し、ライブ配信中に死亡していた。また2019年にも同じ失神チャレンジで、15歳の少年が脳死状態に陥り、両親は息子の臓器を提供するという苦渋の決断を下していた。

画像は『New York Post 2023年4月17日付「Boy, 13, dead after TikTok ‘Benadryl Challenge,’ grieving dad warns other parents」(Facebook/Justin Stevens)』『ABC 6 2023年4月16日付「Local teen dies attempting Tik Tok challenge, parents warn other families」(Photo courtesy of the Stevens Family)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)

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