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【海外発!Breaking News】背中に“カメの甲羅”のような母斑を持つ1歳男児、手術に耐え“スーパーヒーロー”に(米)<動画あり>

TechinsightJapan 2023年4月26日 5時2分

背中の75%に赤紫色のあざ(母斑)を持って誕生した男児は、生後2か月で「先天性巨大色素性母斑」と診断された。母斑はその後、カメの甲羅のように大きくなり、男児は生後5か月半で最初の母斑の切除手術を受けた。治療は現在も継続中だが経過は良好で、両親は息子を「小さなスーパーヒーロー」と呼んで称えている。英ニュースメディア『WalesOnline』などが伝えた。

米フロリダ州西部クリアウォーターに住むケイトリン・マッカラムさん(Kaitlyn McCallum、35)は2021年8月19日、地元のモートンプラント病院でジェームズ君(James、1)を出産した。ジェームズ君は体重3118グラムの元気な男の子だったが、背中の75%が赤紫色のあざで覆われおり、両親だけでなく医師をも驚愕させた。

ケイトリンさんは「妊娠中の超音波検査では、あざがあることに気付かなかったのです。誕生後は『母斑だろう』と思ったのですが、皮膚の一部がかさぶたで覆われていたため『何か異常があるのでは』と心配でたまりませんでした。医師も混乱していたようで、診断がつくまで時間がかかりました」と当時のことを語っている。

ジェームズ君が「先天性巨大色素性母斑」と診断されたのは生後2か月のことで、その頃になると母斑はより厚くなり、カメの甲羅のように盛り上がっていた。

先天性巨大色素性母斑とは、生まれた時から存在する大きな黒褐色の母斑で、将来的に悪性黒色腫(皮膚がん)が数%程度で発生することがあるため、早期に切除する必要がある。また中枢神経(脳や脊髄)にも母斑細胞が存在する可能性もあり、ジェームズ君は生後2か月半で麻酔下によるMRI検査を受けていた。

そして中枢神経に異常がないことが分かると、生後5か月半で一度目の切除手術を受け、首の後ろの大きな母斑が切り取られた。昨年2月のことだった。



ケイトリンさんは「手術前のジェームズは、背中の母斑が邪魔になり、仰向けで寝ることができないほどでした」と明かすと、次のように続けた。

「そんな息子のことを、私と夫ティム(Tim、41)は、映画『ミュータント・タートルズ』のカメ忍者にちなんで“忍者タートル”と呼んでいたのです。それが手術後、ジェームズの首はより自由に動くようになり、笑顔も増えていきました。」

「また切除した皮膚を検査した結果、病気などの異常がないことが分かり、ジェームズはそれから3か月後の昨年5月、再び母斑の切除手術を受けたのです。一度目の手術の成功を受け、二度目はより多くの母斑が切除され、手術後は仰向けに寝ることができるようになりました。」



なお夫妻はその後「母斑を切除しても、また大きくなってしまうのでは?」といった不安から、同じような症状を持つ患者のFacebookグループに参加、母斑はひどい痒みを伴うことがあることや、汗を分泌する汗腺を作り出すことができないため、外遊びを制限する必要があることなどを学んだという。

さらに同グループが母斑についての研究やサポートなどを行う非営利団体「母斑アウトリーチ(Nevus Outreach, Inc.)」と一緒に活動を行っていることもあり、夫妻はイリノイ州シカゴの専門家の紹介を受け、「組織拡張器(エキスパンダー)」を用いた治療を行うことを決意した。

これはシリコンでできた袋(ティッシュ・エキスパンダー)を母斑周囲の皮下に埋めてもらい、エキスパンダーに少しずつ生理食塩水を注入して上の皮膚を拡張するもので、母斑を切除後に伸ばした皮膚で傷をふさぐ。

皮膚を健康に保つ効果もあり、ジェームズ君は昨年9月にシカゴでエキスパンダーを埋め込む手術を受け、生理食塩水は夫妻がフロリダ州の自宅で1週間に1回、11回注入したという。

ケイトリンさんは「最初こそ『我が子にこんな処置をするなんて!』と思いましたが、今ではスムーズに処置ができるようになりました。夫とは『私たちは履歴書に看護師と書けるわね』と話しているほどですよ」と笑い、このように続けた。

「ジェームズはまだ小さいので、実際に何が起きているのかよく分かっておらず、エキスパンダーはそれほど気にならないようでした。シカゴに3か月も滞在する必要もなく、自宅で処置ができるのですからありがたいことですよ。」



こうしてジェームズ君の最初の治療は成功し、まだ皮膚を縫い合わせた傷は残っているものの、背中の下半分はキレイな肌色になっている。また今月中旬には、シカゴで2度目のエキスパンダー挿入の手術を受けており、夏までの10週間、皮膚の拡張を続ける予定だそうだ。



ケイトリンさんは「この治療が終われば、8月の2歳の誕生日までには『母斑は完全になくなるでしょう』と言われています。もちろん傷は残りますが、母斑が顔ではなく背中であったことが幸いし、傷痕は最小限ですんでいるのです」と述べ、胸のうちをこのように明かした。

「これまでの治療のお陰で、ジェームズがよりハッピーで快適に過ごせるようになったことを嬉しく思っています。夏までに母斑が全てなくなるだけでなく、生活の質も向上するでしょうから、私たちも喜んでいますよ。」

「息子は私たちの“スーパーヒーロー”。将来は『背中の傷はサメに噛まれた痕なんだ』なんて、面白おかしく話しているかもしれませんね。」

ちなみにケイトリンさんは、ジェームズ君が幼いながらも手術に耐える健気な姿や母斑が小さくなる過程などをTikTokに公開し、その中でこんな思いを述べている。

「病気の診断が下るまでの時間はとても長く、不安でした。私たち夫婦のような思いをしないためにも、先天性巨大色素性母斑についてより多くの人に知ってもらえたら嬉しく思います。」



そしてTikTokには「小さな戦士」「なんて強い子なの!」「よく頑張ったね」「うちの子も同じ母斑があり、これまで11回、手術をしている。負けないでね」「病変が完全に切除できれば、悪性化の心配は少なくなるからね。経過が良好で何より」「両親も立派な戦士だ」といった温かいコメントが寄せられている。



画像は『New York Post 2023年4月24日付「My ‘Ninja Turtle baby’ boy was born with a shell ― he’s my superhero」(Courtesy Kaitlyn McCallum / SWNS)』『WalesOnline 2023年4月24日付「Baby with ‘turtle shell’ growth due to rare skin condition nicknamed ‘little ninja-turtle’ by his parents」(Image: (C) Courtesy Kaitlyn McCallum / SWNS)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)

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