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【海外発!Breaking News】末期の腎不全を患う女性、愛犬のおかげで出会った女性がドナーとなり腎臓移植手術を受ける(英)

TechinsightJapan 2023年5月4日 21時7分

腎不全を患い、腎臓移植手術を心待ちにしていた女性が、ビーチで偶然出会った女性から腎臓提供を受けたというニュースがイギリスから届いた。2019年に移植待機リストに登録するも適合者が見つからず、手術を受けられずにいた女性に運命的な出会いをもたらしたのは愛犬のドーベルマンだったという。英ニュースメディア『BBC News』『WalesOnline』などが伝えている。

英ウェールズのケアフィリで暮らすルーシー・ハンフリーさん(Lucy Humphrey、44)は、ループス(全身性エリテマトーデス)を患っている。この病気は自己免疫疾患で、全身のさまざまな臓器に炎症や障害を引き起こす。

ルーシーさんは2000年に初めてループスと診断され、長年にわたって病気と共存してきた。しかし2017年に末期の腎不全と診断され、それから2年後の2019年に医師から「生き延びるためには5年以内に腎臓移植が必要」と告げられたという。

その後、移植待機リストに登録するも適合者が見つからず、手術を受けられずにいたルーシーさんだったが、2021年6月に運命的な出会いを果たした。当時のことをルーシーさんはこのように振り返っている。

「病気が悪化する少し前、私とパートナーのセニッド(Cenydd Owen、49)は、飼っているドーベルマンの“ジェイク(Jake)”と“インディ(Indie)”を連れて旅行ができるようにキャンピングカーを購入しました。でも治療の関係でなかなか出かけられなくて…。2021年6月にようやくアベリストウィス(英ウェールズの西海岸沿いにある町)への旅行を計画したのですが、人工透析治療を受けているために2泊以上はできず、キャンセルせざるを得ませんでした。そして代わりにグラモーガンのバリー(英ウェールズ南東部にある町)のコールドナップビーチに行くことにしました。そこで1人の女性と出会ったのです。」

「彼女はバリー出身のケイティ・ジェイムズさん(Katie James、40)で、私たちの車から100ヤード(約91メートル)ほど離れた別のキャンピングカーで編み物をしていました。インディが彼女のところに行ったり来たりしたため私たちは謝りに行ったのですが、その時に会話が弾んでケイティさんをバーベキューに招待したのです。そして飲み物を買ってきてくれたケイティさんに、人工透析を受けているためお酒が飲めないこと、また腎臓移植が必要なことを話しました。すると彼女は最近ドナー登録をしたことを明かし、『ぜひ提供したい』と言ってくれたのです。私たちは電話番号を交換し、翌日には移植コーディネーターに連絡しました。でも正直なところ、この先は何もないだろうと思っていました。というのもセニッドと彼の友人のひとりが腎臓の提供を申し出てくれましたが、どちらも適合しませんでしたから。医師によると、完璧な適合者が見つかるのは約2200万分の1の確率だそうです。」



しかし詳しい検査を受けた結果、ケイティさんはルーシーさんにとって完璧な適合者であることが判明したのだ。

そして2022年10月3日、カーディフのウェールズ大学病院で生体腎移植手術が行われた。

術後数週間は合併症に苦しんだものの、その後は無事に回復に向かったというルーシーさんは、命の恩人であるケイティさんに感謝したうえで、今の気持ちをこう明かしている。

「インディのおかげでケイティさんと出会うことができて、とても感謝しています。当時はパンデミックの影響で手術まで少し時間がかかりましたが、ケイティさんのおかげで私の人生は完全に変わりました。今から4年前、私はセニッドに『5年以内に移植ができなければ命を落とすことになる』と伝えていました。私と同じ境遇の人は決して希望を捨ててはいけません。」



またセニッドさんはルーシーさんの現在の様子についてこのように語った。

「この5年間、ルーシーはずっと食事制限をしなければなりませんでした。それが今は好きなものを食べたり飲んだりできるようになって、普通の生活に戻りつつあります。ケイティさんがルーシーの人生を取り戻してくれたのです。私たちは偶然にもバリーのビーチに行くことになり、偶然にもケイティさんに会い、ルーシーは腎臓移植を受けることができました。私たちは人々に常に希望があることを伝えたいのです。」

偶然の出会いから腎臓移植手術を通じ、現在は強い絆で結ばれているというルーシーさんとケイティさん。2人は自分たちの経験をきっかけに臓器提供ドナーが増えることを願っているそうで、ケイティさんはドナー登録を検討している人に対し、次のようなメッセージを送った。

「当初、私は見ず知らずの人に臓器を提供する予定でした。ただその場合、私の腎臓が誰の手に渡ったのか、また手術が成功したかどうかを知ることはできません。私はそれでも満足でしたが、自分の腎臓を提供した人がどのように過ごしているか、それが人生にどのような影響を与えたかを知ることができる今、とても嬉しく思っています。そして現在、臓器提供を考えている人はしっかりと調べてほしいです。腎臓を提供することは献血と違って手術が必要なので、大きな決断をすることになります。心変わりすることもあるでしょう。それでも誰かの人生を変えたと実感することは本当に素晴らしいものです。」

画像は『WalesOnline 2023年4月25日付「Woman’s life saved after her dog found one-in-22 million matching kidney donor on Barry beach」(Image: Cenydd Owen)』『BBC News 2023年4月24日付「Barry: ‘A stranger I met at the beach gave me her kidney’」(CENYDD OWEN)(LUCY AND CENYDD OWEN)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 上川華子)

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