アメリカ在住の結合双生児の姉妹が、自身の生活について語った。双子は偏見にも負けず、仲良く充実した日々を過ごしている。姉妹の1人には交際相手がいるが、この彼氏も含めて3人で楽しい時間をシェアしているという。米ニュースメディア『TODAY』などが伝えている。
米コネチカット州に住むルピタ・アンドラーデさん（Lupita Andrade、22）とカルメンさん（Carmen、22）は、2歳の頃に家族とメキシコからアメリカに移住した。双子であるルピタさんとカルメンさんは胴体でつながっており、器官や臓器など多くのものを共有している。それぞれに2本の腕があるが、足は2人で2本を共有しており、右足はカルメンさんが、左足はルピタさんが操作しているという。
双子の両親は、幼少期に2人の分離手術を考えたが、リスクが高すぎるとして踏み切らなかった。双子は多くの内臓を共有しているため、手術によって2人とも死亡する危険性や、危篤状態に陥って集中治療室から出られなくなってしまう可能性があったからだ。
幼少期に双子は理学療法を受け、座り方や足の使い方を学んだ。そして4歳の時に最初の一歩を踏み出したという。2人は“人気者”の子らに、赤ちゃん扱いされるといった意地悪を受けることもあったが、共通の仲間に恵まれ、とても楽しい子供時代を過ごしたと米ニュースメディア『TODAY』に打ち明けた。現在でも、幼なじみの人たちと仲良くしているそうだ。カルメンさんによると、ルピタさんは人を見る目が優れており「ルピタが好きな人は私も好きです」と話している。
身体がつながっていることで、日常生活に支障があると想像されるが、双子はさまざまな工夫をしている。たとえば運転の際は、右足を操作するカルメンさんが運転を担当し、左足を操作するルピタさんは曲の選択とナビゲーションを担当するという。
服の趣味はお互いに似ているため、服を共有することは気にならないそうだ。双子が5歳の時からシャツやドレス、医療用白衣などを近所の人が縫ってくれているという。服こそ共有しているものの、2人はそれぞれ外見に対して個性を出すように心がけており、髪の長さを同じにすることはないそうだ。また2人はまったく違う眼鏡をかけており、ルピタさんは鼻の横にピアスをつけ、カルメンさんは鼻ピアスをしている。
職業については、カルメンさんは動物看護師になるために大学に通っており、ルピタさんは同じ動物看護の分野で技術者として働きたいと考えているという。その他にもルピタさんにはコメディライターになるという夢もあるそうだ。
双子は、コロナ禍以前はジムに通っており、動物医療にかかわっていることもあって大きな犬を運べるようになるためにも、また運動を始めたいと考えている。ベンチプレスの目標重量は100ポンド（約45.4キロ）だという。
いつも一緒に行動するカルメンさんとルピタさんだが、一日の終わりには疲れ果てて、話したくない時もあるそうだ。そんな時は、それぞれが自分の時間を過ごすのだという。カルメンさんはパソコンで勉強をし、ルピタさんはヘッドホンをして音楽を聴いたり、スマホを操作したりする。
カルメンさんは「いろいろな困難もあったけど、私たちは素晴らしい人生を送っています。映画やコンサートに行き、飛行機で旅行もしました。昨年はカリフォルニアに行きましたが、テキサスも訪れたことがあります」と話しており、互いが互いを嫌いになることはないそうだ。
ところで2人は身体だけでなく、お互いの感情や睡眠中に見る夢も共有している。カルメンさんによると、6歳ぐらいの時に飛行機から落ちるという悪夢を同時に見て、ベッドから落ちたことがあったという。また最近、あるお店に行った際にカルメンさんはゾッとする感覚を覚えたが、それはルピタさんから伝わってきたそうだ。ある男性が自身の娘を撮影するふりをして、双子を撮影していたことにルピタさんが気づいたことが原因だった。ルピタさんも、カルメンさんが不安になったり、泣きそうになったりするのが分かるという。
このように様々なことを共有する2人だが、恋愛への考え方はそれぞれ異なる。カルメンさんには、2020年10月に出会い系アプリ「Hinge」で出会ったダニエルさん（Daniel）という交際相手がいる。一方のルピタさんは、他者に対し恋愛感情・性的欲求を抱かないアセクシャルだ。
カルメンさんは出会い系アプリを使用した際に、結合双生児であることを隠さなかったため、彼女の身体に対して執拗に興味を持つ男性から多くのメッセージを受け取ったという。しかしダニエルさんはカルメンさんの身体に関してあまり質問しなかったこともあり「他の人とは違う」とすぐに分かったそうだ。カルメンさんは社交不安症を抱えており、デートを直前にキャンセルしてしまうこともあったが、ダニエルさんとのやり取りでは落ち着くことができたという。
カルメンさんとダニエルさんは交際して2年半になり、婚約の話も出たが、まずは一緒に暮らしたいと考えている。カルメンさんもダニエルさんも子どもは大好きだというが、自分たちの子どもは望んでないという。双子には子宮内膜症があり、ホルモン遮断薬を服用しているため、治療中は妊娠はできない。
カルメンさんによると、ルピタさんはダニエルさんと仲が良いという。しかしダニエルさんと長時間一緒に過ごすことで、カルメンさんがルピタさんに対して申し訳なく感じる時があるそうだ。そのため夕食の場所やどんなアクティビティをするかは、ルピタさんに選んでもらうようにしている。
2人の生活は充実しているように見えるが、結合双生児であることで偏見の目で見られることもある。そのためSNSで自身の動画を共有することで、結合双生児への偏見をなくしたいと考えている。カルメンさんは「意地悪なコメントを受け取ることもあります。多くの人は障がいを持つ人と距離を置いたり、障がいがある人も周囲との境界線を設けたりします」と話す。
また時には、性行為やトイレの方法などに関する質問を受けることもあるという。「一方が性行為をしている時、もう1人は何をするのだろう？ 本を読むのか？」といった無礼な問いを投げかける人がいるのも事実だ。このような問いに対し、カルメンさんは「忘れてはいけないことがあります。私たちは単に結合双生児ではなく、人間なのです」と訴える。
今回のニュースには、人々から「感動的！ 彼女たちはどんな生活環境であっても、幸せになる方法を見つけ出すことができることを証明しているのよ」、「とても魅力的な女性たちですね！ だれかと結合している状態は、本当に大変なことだと思う。でもカルメンさんとルピタさんはとても前向きで明るい。彼女たちの幸せを祈っています！」といったコメントがあがっている。
画像は『Carmen 2022年7月26日付Instagram「Hey Daniel… I thought of something funnier than 24… 25」、2020年8月3日付Instagram「Life’s a beach and you’re here dude」、2020年3月23日付Instagram「It’s called fashion SWEATY, look it up」』のスクリーンショット
（TechinsightJapan編集部 H.R.）
米コネチカット州に住むルピタ・アンドラーデさん（Lupita Andrade、22）とカルメンさん（Carmen、22）は、2歳の頃に家族とメキシコからアメリカに移住した。双子であるルピタさんとカルメンさんは胴体でつながっており、器官や臓器など多くのものを共有している。それぞれに2本の腕があるが、足は2人で2本を共有しており、右足はカルメンさんが、左足はルピタさんが操作しているという。
双子の両親は、幼少期に2人の分離手術を考えたが、リスクが高すぎるとして踏み切らなかった。双子は多くの内臓を共有しているため、手術によって2人とも死亡する危険性や、危篤状態に陥って集中治療室から出られなくなってしまう可能性があったからだ。
幼少期に双子は理学療法を受け、座り方や足の使い方を学んだ。そして4歳の時に最初の一歩を踏み出したという。2人は“人気者”の子らに、赤ちゃん扱いされるといった意地悪を受けることもあったが、共通の仲間に恵まれ、とても楽しい子供時代を過ごしたと米ニュースメディア『TODAY』に打ち明けた。現在でも、幼なじみの人たちと仲良くしているそうだ。カルメンさんによると、ルピタさんは人を見る目が優れており「ルピタが好きな人は私も好きです」と話している。
身体がつながっていることで、日常生活に支障があると想像されるが、双子はさまざまな工夫をしている。たとえば運転の際は、右足を操作するカルメンさんが運転を担当し、左足を操作するルピタさんは曲の選択とナビゲーションを担当するという。
服の趣味はお互いに似ているため、服を共有することは気にならないそうだ。双子が5歳の時からシャツやドレス、医療用白衣などを近所の人が縫ってくれているという。服こそ共有しているものの、2人はそれぞれ外見に対して個性を出すように心がけており、髪の長さを同じにすることはないそうだ。また2人はまったく違う眼鏡をかけており、ルピタさんは鼻の横にピアスをつけ、カルメンさんは鼻ピアスをしている。
職業については、カルメンさんは動物看護師になるために大学に通っており、ルピタさんは同じ動物看護の分野で技術者として働きたいと考えているという。その他にもルピタさんにはコメディライターになるという夢もあるそうだ。
双子は、コロナ禍以前はジムに通っており、動物医療にかかわっていることもあって大きな犬を運べるようになるためにも、また運動を始めたいと考えている。ベンチプレスの目標重量は100ポンド（約45.4キロ）だという。
いつも一緒に行動するカルメンさんとルピタさんだが、一日の終わりには疲れ果てて、話したくない時もあるそうだ。そんな時は、それぞれが自分の時間を過ごすのだという。カルメンさんはパソコンで勉強をし、ルピタさんはヘッドホンをして音楽を聴いたり、スマホを操作したりする。
カルメンさんは「いろいろな困難もあったけど、私たちは素晴らしい人生を送っています。映画やコンサートに行き、飛行機で旅行もしました。昨年はカリフォルニアに行きましたが、テキサスも訪れたことがあります」と話しており、互いが互いを嫌いになることはないそうだ。
ところで2人は身体だけでなく、お互いの感情や睡眠中に見る夢も共有している。カルメンさんによると、6歳ぐらいの時に飛行機から落ちるという悪夢を同時に見て、ベッドから落ちたことがあったという。また最近、あるお店に行った際にカルメンさんはゾッとする感覚を覚えたが、それはルピタさんから伝わってきたそうだ。ある男性が自身の娘を撮影するふりをして、双子を撮影していたことにルピタさんが気づいたことが原因だった。ルピタさんも、カルメンさんが不安になったり、泣きそうになったりするのが分かるという。
このように様々なことを共有する2人だが、恋愛への考え方はそれぞれ異なる。カルメンさんには、2020年10月に出会い系アプリ「Hinge」で出会ったダニエルさん（Daniel）という交際相手がいる。一方のルピタさんは、他者に対し恋愛感情・性的欲求を抱かないアセクシャルだ。
カルメンさんは出会い系アプリを使用した際に、結合双生児であることを隠さなかったため、彼女の身体に対して執拗に興味を持つ男性から多くのメッセージを受け取ったという。しかしダニエルさんはカルメンさんの身体に関してあまり質問しなかったこともあり「他の人とは違う」とすぐに分かったそうだ。カルメンさんは社交不安症を抱えており、デートを直前にキャンセルしてしまうこともあったが、ダニエルさんとのやり取りでは落ち着くことができたという。
カルメンさんとダニエルさんは交際して2年半になり、婚約の話も出たが、まずは一緒に暮らしたいと考えている。カルメンさんもダニエルさんも子どもは大好きだというが、自分たちの子どもは望んでないという。双子には子宮内膜症があり、ホルモン遮断薬を服用しているため、治療中は妊娠はできない。
カルメンさんによると、ルピタさんはダニエルさんと仲が良いという。しかしダニエルさんと長時間一緒に過ごすことで、カルメンさんがルピタさんに対して申し訳なく感じる時があるそうだ。そのため夕食の場所やどんなアクティビティをするかは、ルピタさんに選んでもらうようにしている。
2人の生活は充実しているように見えるが、結合双生児であることで偏見の目で見られることもある。そのためSNSで自身の動画を共有することで、結合双生児への偏見をなくしたいと考えている。カルメンさんは「意地悪なコメントを受け取ることもあります。多くの人は障がいを持つ人と距離を置いたり、障がいがある人も周囲との境界線を設けたりします」と話す。
また時には、性行為やトイレの方法などに関する質問を受けることもあるという。「一方が性行為をしている時、もう1人は何をするのだろう？ 本を読むのか？」といった無礼な問いを投げかける人がいるのも事実だ。このような問いに対し、カルメンさんは「忘れてはいけないことがあります。私たちは単に結合双生児ではなく、人間なのです」と訴える。
今回のニュースには、人々から「感動的！ 彼女たちはどんな生活環境であっても、幸せになる方法を見つけ出すことができることを証明しているのよ」、「とても魅力的な女性たちですね！ だれかと結合している状態は、本当に大変なことだと思う。でもカルメンさんとルピタさんはとても前向きで明るい。彼女たちの幸せを祈っています！」といったコメントがあがっている。
画像は『Carmen 2022年7月26日付Instagram「Hey Daniel… I thought of something funnier than 24… 25」、2020年8月3日付Instagram「Life’s a beach and you’re here dude」、2020年3月23日付Instagram「It’s called fashion SWEATY, look it up」』のスクリーンショット
（TechinsightJapan編集部 H.R.）