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【海外発!Breaking News】周囲の開発に負けず立ち退かなかった家、変遷の様子をまとめた動画が話題に(豪)<動画あり>

TechinsightJapan 2023年5月21日 15時55分

今月6日、開発が進む土地で立ち退きを拒否し続ける家の様子を捉えた動画がTwitterに投稿され、注目を集めている。ほとんど緑地だった土地が開発されて多数の家が建設されるなか、1軒の民家とその周囲の土地だけが変わらずに残り続ける様子は大勢を驚かせている。家主は高額なオファーを受けたこともあったが、それでも立ち退きを断り続けているという。米ニュースメディア『New York Post』などが伝えている。

ダイアン・ザミットさん(Diane Zammit、51)は17年前、豪ニューサウスウェールズ州シドニー郊外ザ・ポンズの一軒家に引っ越してきた。ダイアンさんは、家の敷地とその周囲のエリアを合わせた5エーカー(約2万平方メートル)の土地を所有しており、当時は緑に囲まれたのどかな場所だったが、近年の開発により周囲にはずらりと民家が立ち並ぶ住宅街へと変貌した。

開発が進むたびに撮影された写真が残されており、今月6日には計8枚の写真を繋ぎ合わせて、過去から現在までの変化をまとめた動画がTwitterに投稿され、話題を呼んでいる。

最初の写真では、水平に伸びる白く長い道路が中央に写っており、その先にある1軒の大きな民家がダイアンさんの家だ。周囲の大部分は緑地であり、次の写真に移っても大きな変化は見られないが、画面右端に住宅街が形成されていることが確認できる。3、4枚目では多くの緑地が全て茶色に変化しており、5枚目ではコンクリートで埋められた道路が完成した。6枚目で上半分、7枚目で下半分の土地に多数の民家が建設されており、最後は周囲一帯が住宅街として完成した光景が写っている。



ダイアンさんは、「昔は小さな赤レンガの家やコテージが点在する田園地域でした。今とは違ってどの家もユニークで、スペースもたくさんあったのです」と過去を振り返る。開発に伴い、ダイアンさんを含むこのエリアの家主に立ち退きの依頼があり、ほとんどの人は2012年に立ち退きに応じたという。当時、ダイアンさんの家の価格は475万オーストラリアドル(約4億3200万円)だったが、ダイアンさんだけは立ち退きを断った。開発側はダイアンさんの所有する土地を諦めることができず、何度かダイアンさんのもとを訪れ、過去には5000万オーストラリアドル(約45億4700万円)の高額なオファーも提示したが、それでもダイアンさんの意志は変わらなかった。

不動産業者であるテイラー・ブレディンさん(Taylor Bredin)は「ほとんどの人が何年も前に土地を売却したのに、ダイアンさんは本当によく耐え抜いたと思いますよ」と語っている。テイラーさんによると、ダイアンさんの土地には50軒の家を建てられるだけの広さがあり、1軒あたりの価値は100万オーストラリアドル(約9000万円)にもなると推定されている。これに加え、シドニーの中心地まで約40分というアクセスの良さが価格に影響しているようだ。

開発側からすれば厄介な住人として扱われてしまいそうが、ダイアンさんがオファーを断り続けていることに喜んでいる近隣住民も多いという。ダイアンさんの土地に隣接する家に住む人は「私の家は袋小路になっている場所にあるので、子ども達が安全に遊べますし、隣にあるダイアンさんの家の広い芝生のおかげで、私たちの家まで広く感じられるんです」と話している。

ちなみに昨年には米ワシントン州で、立ち退きを拒否し続けた結果、家の周りに巨大ショッピングモールが建ったケースが注目を集めていた。

This house in Australia has continually rejected offers for purchase, most recently a $50 million dollar offer, per 7News: pic.twitter.com/jCtxOMTCn6— unusual_whales (@unusual_whales) May 7, 2023

画像は『New York Post 2023年5月10日付「Family turns down $50M from developer who built suburb around their home」(7 News)』『unusual_whales 2023年5月6日付Twitter「This house in Australia has continually rejected offers for purchase,」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 iruy)

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