アメリカ、メイン州である女性が裏庭でガーデニングをしていたところ、愛犬が突然隣の森へ走り去った。愛犬の悲鳴を聞いて、女性が駆け付けると、愛犬がクマに追いかけられているではないか。図らずもクマとにらみ合うことになった女性は大きな声で威嚇するも効果は無く、クマが近づいてきたため鼻を殴ったという。米ニュースメディア『CNN』などが伝えた。
6月30日午前11時半、米メイン州オックスフォード郡ポーターに住むリン・ケリーさん(Lynn Kelly、64)は、裏庭でガーデニングをしていた。いつもと変わらない時間が流れていたが、一緒にいた愛犬“スクービー(Scoobie)”が近くの森に向かって突然激しく吠え出し、そのまま森の中へ走って行ってしまった。
そしてしばらくすると、森の中からスクービーの悲鳴のような声が聞こえ、リンさんは慌ててスクービーが走って行った方へ駆け出した。「(森の中に向かって)スクービーの名前を呼び続けました。ようやくスクービーが戻って来たのですが、その後ろをクマが追いかけていたんです」と当時を振り返るリンさんは、そのアメリカクロクマと対峙する状況となってしまった。
「クマは私のことを見つめ、私もクマを見つめていました。お互いに怖がっていたと思いますね」と話すリンさんは、とにかく自分を大きく見せ、大声を出すことでクマを怖がらせようとした。ところがこの作戦は上手くいかず、クマはリンさんの方へ近づいてきた。
「すぐに追いつかれてしまうから逃げることもできず、クマに立ち向かうしかありませんでした」と語るリンさんは、意を決してクマの鼻にパンチを繰り出した。クマはリンさんの右手に噛みついたが、すぐに森の中へ逃げて行ったという。
出血するほどのケガを負ってしまったリンさんは急いで家の中に入り、緊急通報用電話番号である911に連絡し、助けを求めた。45分後に警察と消防隊が到着し、リンさんはニュー・ハンプシャー州ノース・コンウェーにある病院へ運ばれ、4つの刺し傷を縫合する治療を受けた。
自分よりも大きなクマと接触したリンさんだったが、幸いにも命に別状は無く、右手のケガだけで済んだ。「本当に一瞬の出来事でした。あれほど間近にクマを見ることになるとは思わず、恐ろしかったですね。これだけのケガで済んだのは、本当に、本当にラッキーだったと思います」とリンさんはコメントしており、スクービーにケガが無かったことに安堵していた。
メイン州内陸漁業野生生物局によると、メイン州には2万4000~3万6000頭のアメリカクロクマが生息していると推測されている。この数字は米国内でも多い方だというが、クマに噛まれる被害はそれほど発生していないため、今回のような被害は珍しいケースだ。今回の事件が発生する以前には、近隣の庭で鳥のエサを食べるクマの目撃情報が寄せられていたと報道されている。
今回リンさんを襲ったクマを捕獲するため2か所に罠が設置されたが、あれからクマは姿を見せていないという。当局はクマを見かけた場合には距離を保ち、クマを追い詰めたり煽ったりしないよう注意を呼び掛けている。また、犬の飼い主に対しては、伸縮しないタイプのリードを使用して犬を散歩させ、犬とクマの間に割って入らないように警告している。
なお今年4月にはノースカロライナ州にて、庭で寛いでいた男性がクマとうっかり遭遇したケースが発生していた。当時の様子を捉えた動画には、男性とクマが互いに驚いてその場で固まる様子が映っており、クマは何もせず逃げて行ったという。
画像は『New York Post 2023年7月1日付「Maine woman fights off bear that was chasing her dog: ‘A little unnerving’」(7 NEWS Boston)』『CNN 2023年7月2日付「A bear chased a Maine woman’s dog – so she punched it in the face」(WMUR)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 iruy)
6月30日午前11時半、米メイン州オックスフォード郡ポーターに住むリン・ケリーさん(Lynn Kelly、64)は、裏庭でガーデニングをしていた。いつもと変わらない時間が流れていたが、一緒にいた愛犬“スクービー(Scoobie)”が近くの森に向かって突然激しく吠え出し、そのまま森の中へ走って行ってしまった。
そしてしばらくすると、森の中からスクービーの悲鳴のような声が聞こえ、リンさんは慌ててスクービーが走って行った方へ駆け出した。「(森の中に向かって)スクービーの名前を呼び続けました。ようやくスクービーが戻って来たのですが、その後ろをクマが追いかけていたんです」と当時を振り返るリンさんは、そのアメリカクロクマと対峙する状況となってしまった。
「クマは私のことを見つめ、私もクマを見つめていました。お互いに怖がっていたと思いますね」と話すリンさんは、とにかく自分を大きく見せ、大声を出すことでクマを怖がらせようとした。ところがこの作戦は上手くいかず、クマはリンさんの方へ近づいてきた。
「すぐに追いつかれてしまうから逃げることもできず、クマに立ち向かうしかありませんでした」と語るリンさんは、意を決してクマの鼻にパンチを繰り出した。クマはリンさんの右手に噛みついたが、すぐに森の中へ逃げて行ったという。
出血するほどのケガを負ってしまったリンさんは急いで家の中に入り、緊急通報用電話番号である911に連絡し、助けを求めた。45分後に警察と消防隊が到着し、リンさんはニュー・ハンプシャー州ノース・コンウェーにある病院へ運ばれ、4つの刺し傷を縫合する治療を受けた。
自分よりも大きなクマと接触したリンさんだったが、幸いにも命に別状は無く、右手のケガだけで済んだ。「本当に一瞬の出来事でした。あれほど間近にクマを見ることになるとは思わず、恐ろしかったですね。これだけのケガで済んだのは、本当に、本当にラッキーだったと思います」とリンさんはコメントしており、スクービーにケガが無かったことに安堵していた。
メイン州内陸漁業野生生物局によると、メイン州には2万4000~3万6000頭のアメリカクロクマが生息していると推測されている。この数字は米国内でも多い方だというが、クマに噛まれる被害はそれほど発生していないため、今回のような被害は珍しいケースだ。今回の事件が発生する以前には、近隣の庭で鳥のエサを食べるクマの目撃情報が寄せられていたと報道されている。
今回リンさんを襲ったクマを捕獲するため2か所に罠が設置されたが、あれからクマは姿を見せていないという。当局はクマを見かけた場合には距離を保ち、クマを追い詰めたり煽ったりしないよう注意を呼び掛けている。また、犬の飼い主に対しては、伸縮しないタイプのリードを使用して犬を散歩させ、犬とクマの間に割って入らないように警告している。
なお今年4月にはノースカロライナ州にて、庭で寛いでいた男性がクマとうっかり遭遇したケースが発生していた。当時の様子を捉えた動画には、男性とクマが互いに驚いてその場で固まる様子が映っており、クマは何もせず逃げて行ったという。
画像は『New York Post 2023年7月1日付「Maine woman fights off bear that was chasing her dog: ‘A little unnerving’」(7 NEWS Boston)』『CNN 2023年7月2日付「A bear chased a Maine woman’s dog – so she punched it in the face」(WMUR)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 iruy)