モロッコの動物保護施設で暮らす犬“タム（Tam、9）”と、猫たちの温かい触れ合いが話題となっている。目が見えず、非常に稀な遺伝子疾患を患うタムだが、猫たちはまるでケアを必要としているのを分かっているかのように優しく労り、タムも猫たちと一緒に過ごすことを楽しんでいるという。動物専門ニュースサイト『The Dodo』が伝えた。
モロッコ南部の動物保護施設「サンシャイン・アニマル・レフュジー・アガディール（Sunshine Animal Refuge Agadir、以下SARA）」は、病気の犬や老犬、そして保護されたばかりで引き取り手を探している犬のほかホームレスの猫たちを一時的に収容している。
Facebookによると、SARAは現在、国内3か所で900匹の野良犬と150匹の野良猫を含む1100匹の動物たちを保護しているそうで、遺伝性疾患「エーラス・ダンロス症候群（皮膚無力症）」を患うオス犬の“タム”も今から9年前、SARAで誕生したという。
エーラス・ダンロス症候群とは、体内で正常にコラーゲンが生成されない先天性の病気で、タムの皮膚は過剰に伸び、少しの刺激で裂けてしまい、関節炎になりやすい。そのうえタムは盲目で、引き取り手が現れないまま、9年間をSARAで過ごしてきたのだった。
そんなタムが頼りにしているのは、SARAのスタッフと猫たちだそうで、長年ボランティアをしているヘーゼル・スキートさん（Hazel Skeet）はこのように明かしている。
「タムは猫たちが大好きでね。少なくとも2匹の猫と一緒にベッドで寝るの。一方の猫たちもみんなタムのことが大好きで、寄り添ったりマッサージをしたりするのよ！」
そして先月25日、SARAが「施設で暮らす動物たちの美しい関係」の一コマとして、猫の“エロディ（Elodie）”がタムにマッサージする様子をInstagramに投稿したところ、大きな反響を呼んだ。
動画では、エロディが2本の前足をタムの胸元にあて、優しく上下に動かしてマッサージするのが見て取れ、タムは気持ちよさそうな表情を浮かべて座っている。2匹の間には穏やかで静かな空気が流れており、「猫はエーラス・ダンロス症候群のタムを優しく気遣い、変わらない愛情を注ぐの。そしてこれこそ、猫からタムへの気持ちのこもった贈り物なのよ！」と素敵な言葉が続いている。
ヘーゼルさんによると、施設にはたくさんの猫がいるため、訪問した人たちはすぐに猫たちに囲まれてしまうそうだ。それでも猫たちの大のお気に入りはタムで、このように語っている。
「猫たちはタムが自分たちに優しくしてくれることをちゃんと知っているの。タムは猫たちがお昼寝する時にはちょうどいい枕代わりなのよ。そしてタムもまた、猫たちが愛情をいっぱい込めて、優しく接してくれることを心から楽しんでいるわ。」
そして「タムにはベストフレンドの犬がいるのよ！」と明かし、こう続けた。
「実はタムには、同じエーラン・ダンロス症候群をもつメスのきょうだい“ダチア（Daccia）”がいるの。9年前、ほかのきょうだいたちはみんな引き取られたのに、病気の2匹だけが残ってしまってね。ただきょうだいはとても仲がいい友達で、朝起きてすぐと夜寝る前にはほぼ毎日、一緒に遊んでいるのよ！」
なおタムは一日をのんびり過ごすことが好きで、日中は太陽の下か日陰で過ごし、周りの音や匂いを楽しんでいるそうだ。そしてたまに挨拶をしにやってくる子犬の相手はするものの、大好きな猫の友達とまったりと過ごすほうを好むという。
ちなみに人間とタムの関係はというと、目が見えないタムは、全く知らない人に対してはかなり慎重だそうだが、ヘーゼルさんは「タムの信頼を得るまでは時間がかかるわ。でも一度絆が生まれると、タムは愛情深くハグが大好きな犬だということが分かるのよ」と述べている。タムはヘーゼルさんのことを声や匂いで認識しているそうで、「SARAに到着すると毎回、タムは私のことを出迎えてくれるの！」と嬉しそうに語った。
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画像は『SARA Morocco 2023年6月25日付Instagram「Every day we witness beautiful connections between our residents.」』『The Dodo 2023年7月8日付「Shelter Staff Catches Cats Giving Massages To Blind Dog Who Needs Them The Most」（HAZEL SKEET/SARA）』のスクリーンショット
（TechinsightJapan編集部 A.C.）
モロッコ南部の動物保護施設「サンシャイン・アニマル・レフュジー・アガディール（Sunshine Animal Refuge Agadir、以下SARA）」は、病気の犬や老犬、そして保護されたばかりで引き取り手を探している犬のほかホームレスの猫たちを一時的に収容している。
Facebookによると、SARAは現在、国内3か所で900匹の野良犬と150匹の野良猫を含む1100匹の動物たちを保護しているそうで、遺伝性疾患「エーラス・ダンロス症候群（皮膚無力症）」を患うオス犬の“タム”も今から9年前、SARAで誕生したという。
エーラス・ダンロス症候群とは、体内で正常にコラーゲンが生成されない先天性の病気で、タムの皮膚は過剰に伸び、少しの刺激で裂けてしまい、関節炎になりやすい。そのうえタムは盲目で、引き取り手が現れないまま、9年間をSARAで過ごしてきたのだった。
そんなタムが頼りにしているのは、SARAのスタッフと猫たちだそうで、長年ボランティアをしているヘーゼル・スキートさん（Hazel Skeet）はこのように明かしている。
「タムは猫たちが大好きでね。少なくとも2匹の猫と一緒にベッドで寝るの。一方の猫たちもみんなタムのことが大好きで、寄り添ったりマッサージをしたりするのよ！」
そして先月25日、SARAが「施設で暮らす動物たちの美しい関係」の一コマとして、猫の“エロディ（Elodie）”がタムにマッサージする様子をInstagramに投稿したところ、大きな反響を呼んだ。
動画では、エロディが2本の前足をタムの胸元にあて、優しく上下に動かしてマッサージするのが見て取れ、タムは気持ちよさそうな表情を浮かべて座っている。2匹の間には穏やかで静かな空気が流れており、「猫はエーラス・ダンロス症候群のタムを優しく気遣い、変わらない愛情を注ぐの。そしてこれこそ、猫からタムへの気持ちのこもった贈り物なのよ！」と素敵な言葉が続いている。
ヘーゼルさんによると、施設にはたくさんの猫がいるため、訪問した人たちはすぐに猫たちに囲まれてしまうそうだ。それでも猫たちの大のお気に入りはタムで、このように語っている。
「猫たちはタムが自分たちに優しくしてくれることをちゃんと知っているの。タムは猫たちがお昼寝する時にはちょうどいい枕代わりなのよ。そしてタムもまた、猫たちが愛情をいっぱい込めて、優しく接してくれることを心から楽しんでいるわ。」
そして「タムにはベストフレンドの犬がいるのよ！」と明かし、こう続けた。
「実はタムには、同じエーラン・ダンロス症候群をもつメスのきょうだい“ダチア（Daccia）”がいるの。9年前、ほかのきょうだいたちはみんな引き取られたのに、病気の2匹だけが残ってしまってね。ただきょうだいはとても仲がいい友達で、朝起きてすぐと夜寝る前にはほぼ毎日、一緒に遊んでいるのよ！」
なおタムは一日をのんびり過ごすことが好きで、日中は太陽の下か日陰で過ごし、周りの音や匂いを楽しんでいるそうだ。そしてたまに挨拶をしにやってくる子犬の相手はするものの、大好きな猫の友達とまったりと過ごすほうを好むという。
ちなみに人間とタムの関係はというと、目が見えないタムは、全く知らない人に対してはかなり慎重だそうだが、ヘーゼルさんは「タムの信頼を得るまでは時間がかかるわ。でも一度絆が生まれると、タムは愛情深くハグが大好きな犬だということが分かるのよ」と述べている。タムはヘーゼルさんのことを声や匂いで認識しているそうで、「SARAに到着すると毎回、タムは私のことを出迎えてくれるの！」と嬉しそうに語った。
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画像は『SARA Morocco 2023年6月25日付Instagram「Every day we witness beautiful connections between our residents.」』『The Dodo 2023年7月8日付「Shelter Staff Catches Cats Giving Massages To Blind Dog Who Needs Them The Most」（HAZEL SKEET/SARA）』のスクリーンショット
（TechinsightJapan編集部 A.C.）