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【海外発!Breaking News】稀な遺伝子疾患を抱える生徒のため、数学教師が生体腎移植を決意(米)<動画あり>

TechinsightJapan 2023年7月26日 15時55分

稀な遺伝子疾患により重度の腎臓病を抱えた生徒のために数学教師の男性が腎臓ドナーになる決意をしたというニュースがアメリカから届いた。男性教師はドナーになることに迷いはなかったそうで、「自分の生徒を助けられることをとても嬉しく思う」と語っている。米ニュースメディア『Good Morning America』などが伝えた。

米オハイオ州トレドで暮らすローマン・マコーミック君(Roman McCormick、15)は、稀な遺伝性疾患「BOR症候群(branchio-oto-renal syndrome、鰓耳腎症候群)」を抱えている。

この病気は耳の奇形や難聴、先天性腎尿路奇形を引き起こすもので、腎尿路奇形が認められる場合、将来的に透析療法や腎移植を必要とすることが多いという。

ローマン君の病気が発覚したのは生後12か月の時だそうで、母親のジェイミー・レッドさん(Jamie Redd)はこれまでの生活をこう振り返った。

「耳の形と腎臓に異常があるローマンは、生後6か月の時に耳の横にあった2つの穴を塞ぐ手術を受けました。その後、BOR症候群と診断されたのですが、その時に初めて(ローマン君の)父親のダン(Dan McCormick)も腎臓に異常があることが分かり、彼は昨年、腎臓移植手術を受けました。いつかはローマンも移植が必要になると分かっていながら、それがいつなのかは分からず…。私たちは息子の誕生日を迎えるたびに嬉しいような、悲しいような気持ちになりました。」

成長するにつれて病状が悪化したローマン君は、ステージ4の腎臓病と診断されているそうで、その症状について本人はこのように明かしている。

「普通の子が食べられるものが食べられなかったり、腎臓の機能が低下しているので身体を動かすことができず、とても疲れやすいんです。そして医師からは、腎臓移植ドナーが見つからなければ人工透析を受けることになると告げられました。」

愛する息子のため、ジェイミーさんとダンさんは2年前からドナーを探し始めたが、適合者が見つかることはなかった。しかし今年2月、地元の新聞社や財団に働きかけて生体ドナーを探していることを公表したところ、ついに適合者が現れた。



それはローマン君が通うホウィットマー高校の数学教師であるエディ・マッカーシーさん(Eddie McCarthy)だった。エディさんはその経緯について、次のように語っている。

「2月中旬頃、Facebookか何かでローマン君の話題が拡散していました。すると友人の一人が『彼は君の生徒じゃない?』とメールをくれたのです。昨年、ローマン君に幾何学を教えていた私は、そのニュースを知ってすぐにドナーの適合検査を受けに行きました。最初は腎臓を提供したいというより、合うかどうか試してみよう、うまくいくかどうか見てみようと思っていたのですが、私たちは見事に適合したのです。それから私は病院に通い続け、移植手術に必要な検査をすべて受けました。」

待ちに待った朗報を受けたダンさんは「息子のドナーが見つかったという事実は、私たちにとって本当に意味のあることでした。私たちが生体ドナーを探していた理由は、亡くなったドナーから提供される腎臓に比べて機能がより長持ちするからです。エディさんには感謝してもしきれません」と述べ、一方でジェイミーさんは「エディさんは本当に素晴らしい人です。彼だけでなく彼の家族もとても献身的なのです。私たちはエディさんに一生感謝し続けるでしょう。そしてローマンのこの体験談が、同じように辛い思いをしている家族を勇気づけられることを願っています。私からのメッセージは決して諦めないことです。時にはジェットコースターに乗っているような気分になることもあるでしょう。それでも諦めず、子供を応援し続けるのです。そしてもうひとつのメッセージは、人々に検査を受けてほしいということです。運転免許証に『私は臓器提供者です』と印をするだけでなく、今すぐ誰かを助けることもできるのです」と話していた。



それから5か月が経った今月19日、ミシガン大学病院でエディさんからローマン君への生体腎移植手術が行われ、無事に成功したという。

腎臓移植ドナーになることに迷いはなかったというエディさん。2児の父親でもある彼は、手術前にこう述べていた。

「数学教師である私にとって、自分の腎臓を提供することは単純な計算でした。人には腎臓が2つあって、必要なのは1つなのです。だから本当に必要としている人を助けるために1つを提供するのです。私が伝えたいことは、本当に腎臓を必要としている人を助けるために検査を受けてみることです。私は自分の生徒を助けられることをとても嬉しく思っています。」



画像は『Good Morning America 2023年7月14日付「High school teacher getting ready to donate kidney to student」(Courtesy of Washington Local Schools)(Courtesy of Jamie Redd)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 上川華子)

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