イギリスに住む視覚障害者の男性が、米歌手ビリー・アイリッシュの顔を音楽だけを聴いた印象で描いたところ、「目が見えないとは思えない!」「激似」というコメントが多数寄せられた。男性の視力は現在3%で、光や影を感じることしかできないという。
英ウェスト・サセックス州チチェスターに住むトビー・アディソンさん(Toby Addison、21)は、2歳の時に網膜色素変性症(以下、RP)と診断された。
RPとは、遺伝子変異が原因で光を感じる細胞(視細胞)が徐々に失われていく病気で、母親は当時、トビーさんが何度もクリスマスツリーに突っ込んでいくのを見て心配になり、病院に連れて行ったところ病気が判明したそうだ。
RPは進行性のため、トビーさんの視界はだんだんと狭くなっていったそうだ。「自分が他の人と違う」と気付いたのは7、8歳頃で、11歳の頃になると急激に視力が下がり、10代前半で視力の80%を失ったという。
それでも数々のハンディキャップを乗り越えてきたトビーさんは、チチェスターの大学で学び、昨年5月に卒業した。ところが昨年2月に始めたTikTokが好評で、目指していた心理カウンセラーではなく、現在はコンテンツクリエーターとして活躍している。
ちなみにTikTokを始めた頃のトビーさんは「僕の視力は通常の4%ほど。部屋の中にいるとしたら、照明がついているのが分かるぐらい。あとは目の前を誰かが通り過ぎたとしたら、影が見える感じだね。僕の目は全く機能してなくて、いつも霞の中にいるような状態なんだ」と明かしていたが、現在の視力は通常の3%という。
「僕は自分で文字を読むことができないから、視覚障害者のためのアプリを利用している。またコメントなどは、大学在学中に知り合ったガールフレンドのナタリー(Natalie)に読み上げてもらっているんだ」と語るトビーさん。SNSでは「視覚障害者はいかに髭を剃るか」「どうやって料理をするのか」などについて面白おかしく動画を投稿し、新しいスポーツにチャレンジしたり、不躾な質問にも真摯に答えており、TikTokの現在のフォロワー数は27.5万人超、Instagramは5.6万人を超えている。
そんなトビーさんが今月3日、音楽を聴いた印象だけでビリー・アイリッシュ(21)の顔を描いたところ、英ニュースサイト『Indy100』などが取り上げて注目された。
トビーさんは動画の中で「僕は目が見えないから一度もビリー・アイリッシュを見たことがない」と前置きし、「彼女の頭(輪郭)は普通。きっと前髪があるだろうね」となどと言いながら、白い画用紙に黒ペンでビリーの顔を描いていく。
そして「彼女は幻想的で退廃的な雰囲気を持っているから、髪の色は真っ黒か白茶けた金髪だと思う」と続け、「グラストンベリー・フェスティバルでは、ツインのお団子ヘア(Space buns)をしていたと聞いたよ」と呟き、高めの位置にお団子を2つ描くと、大きな目にアイライナーを入れてみせた。
その後、トビーさんは「彼女は可愛らしいメイクをしていると思う」と言いながらまつ毛と眉毛を加え、小さな丸い鼻とノーズリング、ボリューミーな唇を描いていった。
さらに「色は塗らないけど、彼女の唇はダークカラーだろうね」と推測し、最後はビリーが昨年、ヘッドライナーを務めたグラストンベリー・フェスティバルの写真と、自分が描いた完成品を並べて比較した。
するとこの動画には「うわ。そっくり!」「僕より上手い」「これは凄い」「次はアリアナ・グランデを描いてよ!」「見えないのにどうやって丸を描けるの?」「驚いた!」「本当にビリーだ」「目が見えないとは思えない」「雰囲気がそっくり」といったコメントが寄せられ、多くの人はトビーさんの研ぎ澄まされた感性に驚愕しているようであった。
ちなみに2019年には、脳性麻痺で身体の自由が利かない中国の男性が、唯一動かせる“口”を使って折り紙を折る姿が話題となった。男性は作品を売り出すまでになったという。
画像は『Toby 2023年7月3日付Instagram「This is either decent or terrible」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)
英ウェスト・サセックス州チチェスターに住むトビー・アディソンさん(Toby Addison、21)は、2歳の時に網膜色素変性症(以下、RP)と診断された。
RPとは、遺伝子変異が原因で光を感じる細胞(視細胞)が徐々に失われていく病気で、母親は当時、トビーさんが何度もクリスマスツリーに突っ込んでいくのを見て心配になり、病院に連れて行ったところ病気が判明したそうだ。
RPは進行性のため、トビーさんの視界はだんだんと狭くなっていったそうだ。「自分が他の人と違う」と気付いたのは7、8歳頃で、11歳の頃になると急激に視力が下がり、10代前半で視力の80%を失ったという。
それでも数々のハンディキャップを乗り越えてきたトビーさんは、チチェスターの大学で学び、昨年5月に卒業した。ところが昨年2月に始めたTikTokが好評で、目指していた心理カウンセラーではなく、現在はコンテンツクリエーターとして活躍している。
ちなみにTikTokを始めた頃のトビーさんは「僕の視力は通常の4%ほど。部屋の中にいるとしたら、照明がついているのが分かるぐらい。あとは目の前を誰かが通り過ぎたとしたら、影が見える感じだね。僕の目は全く機能してなくて、いつも霞の中にいるような状態なんだ」と明かしていたが、現在の視力は通常の3%という。
「僕は自分で文字を読むことができないから、視覚障害者のためのアプリを利用している。またコメントなどは、大学在学中に知り合ったガールフレンドのナタリー(Natalie)に読み上げてもらっているんだ」と語るトビーさん。SNSでは「視覚障害者はいかに髭を剃るか」「どうやって料理をするのか」などについて面白おかしく動画を投稿し、新しいスポーツにチャレンジしたり、不躾な質問にも真摯に答えており、TikTokの現在のフォロワー数は27.5万人超、Instagramは5.6万人を超えている。
そんなトビーさんが今月3日、音楽を聴いた印象だけでビリー・アイリッシュ(21)の顔を描いたところ、英ニュースサイト『Indy100』などが取り上げて注目された。
トビーさんは動画の中で「僕は目が見えないから一度もビリー・アイリッシュを見たことがない」と前置きし、「彼女の頭(輪郭)は普通。きっと前髪があるだろうね」となどと言いながら、白い画用紙に黒ペンでビリーの顔を描いていく。
そして「彼女は幻想的で退廃的な雰囲気を持っているから、髪の色は真っ黒か白茶けた金髪だと思う」と続け、「グラストンベリー・フェスティバルでは、ツインのお団子ヘア(Space buns)をしていたと聞いたよ」と呟き、高めの位置にお団子を2つ描くと、大きな目にアイライナーを入れてみせた。
その後、トビーさんは「彼女は可愛らしいメイクをしていると思う」と言いながらまつ毛と眉毛を加え、小さな丸い鼻とノーズリング、ボリューミーな唇を描いていった。
さらに「色は塗らないけど、彼女の唇はダークカラーだろうね」と推測し、最後はビリーが昨年、ヘッドライナーを務めたグラストンベリー・フェスティバルの写真と、自分が描いた完成品を並べて比較した。
するとこの動画には「うわ。そっくり!」「僕より上手い」「これは凄い」「次はアリアナ・グランデを描いてよ!」「見えないのにどうやって丸を描けるの?」「驚いた!」「本当にビリーだ」「目が見えないとは思えない」「雰囲気がそっくり」といったコメントが寄せられ、多くの人はトビーさんの研ぎ澄まされた感性に驚愕しているようであった。
ちなみに2019年には、脳性麻痺で身体の自由が利かない中国の男性が、唯一動かせる“口”を使って折り紙を折る姿が話題となった。男性は作品を売り出すまでになったという。
画像は『Toby 2023年7月3日付Instagram「This is either decent or terrible」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)