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【海外発!Breaking News】犬の結婚式に180万円超を費やした公務員に批判殺到「富を自慢するため常識を踏みにじった」(インドネシア)

TechinsightJapan 2023年7月28日 10時25分

富の分配が世界で最も不平等な国のひとつであると言われるインドネシア。その首都ジャカルタで、飼い犬のために開催された豪華な「結婚式」が国民の反感を買い、飼い主たちは謝罪に追い込まれた。フランスの日刊紙『Le Figaro』などが報じた。

7月21日、ジャカルタにあるショッピングモールで、シベリアンハスキーのような見た目のアラスカン・マラミュート犬“ルナ(Luna、メス)”と“ジョジョ(Jojo、オス)”の「結婚式」が催された。式の費用は2億ルピア(約186万円)だったと伝えられている。ジャカルタの最低賃金は月額490万ルピア(約4万5570円)で、今回の式の費用は最低賃金の40倍強を費やしたということになる。

結婚式の様子はSNSに拡散されているが、それらの動画には、会場になった北ジャカルタのショッピングモール「セントラルマーケットPIK(Central Market PIK)」で伝統的なジャワの衣装に身を包んだ飼い主や参列者が行進を始めるところが映っている。買い物客も立ち止まって見物しており、テレビ局のカメラマンらの姿もある。ショッピングモールのドッグパークで執り行われた式には、50匹の犬と100人のゲストが招待されたそうだ。主役の2匹は特別に用意された黒と金のインドネシアの伝統衣装を身にまとい、祭壇の前で聖職者に祝福された。続いてバリ舞踊や生演奏、飼い主による6段ウエディングケーキのカットなども行われ、飼い主や参列者によって盛大にお祝いされた。ルナとジョジョは、これに先立つ5月にも“婚約式”を開いている。このときは、ルナにはレースのドレス、ジョジョにはタキシード風の衣装がそれぞれ用意された。

今回のルナとジョジョの結婚式には、SNSに多くの批判的なコメントが投稿され、犬の飼い主は謝罪する羽目になってしまった。世界第4位の人口を誇るインドネシアでは、所得格差が拡大しているため、行き過ぎた富の誇示は嫌悪感を持たれ、しばしば批判の対象になる。さらには、ジョグジャカルタ文化庁もジャワの伝統的な儀式を利用した犬の結婚式に対して「嘆いている」と抗議した。インドネシアの無形文化遺産に指定されているジャワの伝統的な儀式は法的に保護されており、手順や目的を変えて、犬に対して用いる「必要はない」と文化庁長官のディアン・ラクシュミ・プラティウィ氏(Dian Lakshmi Pratiwi)は述べている。

また地元メディアによると、ルナの飼い主であるインディラ・ラトナサリさん(Indira Ratnasari)が大統領府に勤めているということもあり、国民の政治不信を招く恐れもあったようだ。インドネシアのジョコ・ウィドド大統領(Joko Widodo)は公務員に対して、SNSへの投稿の際に「不適切な」方法で自分の生活を誇示しないよう今年3月に呼びかけたばかりであった。世界銀行によれば、インドネシアの人口2億7000万人のうち、10分の1が貧困層以下の暮らしを余儀なくされているという。

インディラさんは自身の行いについて、「インドネシアとジャワの文化を侮辱するつもりはありませんでした。ジャワの伝統文化を愛するすべての人々、そして不快に感じ、傷ついたすべてのインドネシア人に謝罪します」と詫びた。一方で、ジョジョの飼い主であるバレンタイン・カハンドラさん(Valentine Cahandra)は「『結婚式』はジャワ文化を広めるためのものだった」と弁解している。

今回のニュースを見た人々からは、「お金の無駄遣いであり、神への冒涜だ。常識は消え去り、富を見せびらかしたいという欲望によって踏みにじられた」といったコメントや、「このような行いが 『社会的無知』というものなのだろうか?」といった批判的なコメントが寄せられている。

画像は『The Star 2023年7月23日付「Owners sorry over lavish ‘dog wedding’」(The Jakarta Post/ANN)』『South China Morning Post 2023年7月22日付「Indonesians slam US$13,000 wedding for dogs clad in Javanese attire」(Photo: Xinhua)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 H.R.)

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