子どもの存在が気に入らない男性とヨリを戻すため、殺し屋を雇って3歳の息子を殺害しようとした疑いで、アメリカ在住の18歳母親が逮捕された。今回のニュースを見た人々からは、母親を非難するコメントが多くあがっている。米ニュースメディア『CNN』などが報じた。
マイアミ・デイド警察の宣誓供述書によると、母親であるジャズミン・パエス(Jazmin Paez、18)は、殺人を防ぐ目的で運営していた偽の殺し屋の依頼サイトに、3歳の息子を殺して欲しいと依頼した。
依頼の理由は、パエスに息子がいることを快く思っていない男性と復縁したいためだったという。サイトで偽名を使用していたパエスは、我が子を遠くに連れて行き、できるだけ早く殺害して欲しいと要求していた。
サイトの所有者であるロバート・イネスさん(Robert Innes)によると、「ヒットマン(殺し屋)」という語が含まれるドメイン名は当初、サイバーセキュリティ会社にするつもりで、ウェブサイトのセキュリティやウェブトラフィックのカウントをチェックするために「ヒット」という言葉を使うという遊び心から考えた宣伝用だったが、会社の方は実現しなかった。その後もイネスさんのウェブサイトには、実際に殺し屋を依頼するメッセージが届いていた。4月には、米空軍州兵がこのウェブサイトを利用して殺し屋になることを申請した容疑で逮捕された。
イネスさんによると、同様の依頼は一日に何百件もあるそうだ。その大半は偽のサイトだと知っての依頼だったが、パエスの依頼は息子の写真や息子がいる正確な場所を情報提供するなど非常に具体的だったため、イネスさんは警察に通報した。
当初、警察はイネスさんの通報を本気にしていなかったが、3回目のイネスさんからの電話で捜査を開始した。そして提供された情報の信憑性を確認した後、パエスがサイトに提供した電話番号に連絡を取ることにした。刑事が雇われた殺し屋のフリをしてパエスとやり取りをしたところ、パエスは依頼内容を確認し、3000ドル(約42万円)を支払うことに同意したという。
そこで警察は偽サイトを通じて入手したパエスのIPアドレスと電話番号を使って追跡したところ、パエスの息子と暮らしていた祖母の家にたどり着いた。祖母は、ウェブサイトに投稿された写真が孫であることを確認し、電話番号は娘のものであることを警察に伝えたという。パエスは5月に引っ越したが、息子とは毎日電話で話していたそうだ。
殺人依頼の疑いが明らかになったため、7月18日の夜にパエスは逮捕された。マイアミ・デイド警察で事情聴取を受けた際、パエスは殺し屋を雇ったことを自供したという。パエスは第1級殺人教唆罪と第3級通信機器不法使用罪で起訴された。
逮捕された翌日の19日、パエスはマイアミ・デイド州公選弁護人事務所から派遣された公選弁護人に付き添われ、出廷した。そこで1万5000ドル(約210万円)の保釈金が言い渡されるとともに、息子に近づかないよう命じられた。パエスの親族によると、息子は無事で親戚のところに身を寄せているそうだ。なお、この息子に関する通報が過去にもフロリダ州児童家庭局に寄せられていたことが記録に残っているという。
イネスさんは、自分の通報が警察によって真剣に受け止められてパエスの逮捕に至ったことに「感謝している」と語っている。一方で、過去に「Crime Stoppers USA」(警察と連携して活動するボランティアの非営利団体で、匿名で市民から犯罪の情報を受け付けている)にイネスさんが別の犯罪について報告した際には、「そのようなウェブサイトを運営し、情報提供をするのをやめるように」という警告のメールを受け取ったことがあったという。その点について、米ニュースメディア『NBC 6 South Florida』が同団体に確認したところ、同団体のクリス・キャメロン代表(Chris Cameron)は「イネスさんには、サイトのスポンサーになることに興味がないと何度も伝えた後、二度とその件で私たちに連絡しないようお願いしました。私たちは犯罪を解決するために地域社会と協力しています。イネスさんのサイトは、悪者に手を差し伸べるように犯罪を誘惑しており、私たちの価値観と使命に合致していません」と主張した。
今回のニュースには、人々から「自分の子供を、殺し屋に殺害させる正当な理由なんてない」「世界は本当におかしくなっている」といったコメントがあがっている。
画像は『NBC 6 South Florida 2023年7月20日付「Miami mother tried to hire hitman on parody website to kill 3-year-old son: Police」(Miami-Dade Corrections)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 H.R.)
マイアミ・デイド警察の宣誓供述書によると、母親であるジャズミン・パエス(Jazmin Paez、18)は、殺人を防ぐ目的で運営していた偽の殺し屋の依頼サイトに、3歳の息子を殺して欲しいと依頼した。
依頼の理由は、パエスに息子がいることを快く思っていない男性と復縁したいためだったという。サイトで偽名を使用していたパエスは、我が子を遠くに連れて行き、できるだけ早く殺害して欲しいと要求していた。
サイトの所有者であるロバート・イネスさん(Robert Innes)によると、「ヒットマン(殺し屋)」という語が含まれるドメイン名は当初、サイバーセキュリティ会社にするつもりで、ウェブサイトのセキュリティやウェブトラフィックのカウントをチェックするために「ヒット」という言葉を使うという遊び心から考えた宣伝用だったが、会社の方は実現しなかった。その後もイネスさんのウェブサイトには、実際に殺し屋を依頼するメッセージが届いていた。4月には、米空軍州兵がこのウェブサイトを利用して殺し屋になることを申請した容疑で逮捕された。
イネスさんによると、同様の依頼は一日に何百件もあるそうだ。その大半は偽のサイトだと知っての依頼だったが、パエスの依頼は息子の写真や息子がいる正確な場所を情報提供するなど非常に具体的だったため、イネスさんは警察に通報した。
当初、警察はイネスさんの通報を本気にしていなかったが、3回目のイネスさんからの電話で捜査を開始した。そして提供された情報の信憑性を確認した後、パエスがサイトに提供した電話番号に連絡を取ることにした。刑事が雇われた殺し屋のフリをしてパエスとやり取りをしたところ、パエスは依頼内容を確認し、3000ドル(約42万円)を支払うことに同意したという。
そこで警察は偽サイトを通じて入手したパエスのIPアドレスと電話番号を使って追跡したところ、パエスの息子と暮らしていた祖母の家にたどり着いた。祖母は、ウェブサイトに投稿された写真が孫であることを確認し、電話番号は娘のものであることを警察に伝えたという。パエスは5月に引っ越したが、息子とは毎日電話で話していたそうだ。
殺人依頼の疑いが明らかになったため、7月18日の夜にパエスは逮捕された。マイアミ・デイド警察で事情聴取を受けた際、パエスは殺し屋を雇ったことを自供したという。パエスは第1級殺人教唆罪と第3級通信機器不法使用罪で起訴された。
逮捕された翌日の19日、パエスはマイアミ・デイド州公選弁護人事務所から派遣された公選弁護人に付き添われ、出廷した。そこで1万5000ドル(約210万円)の保釈金が言い渡されるとともに、息子に近づかないよう命じられた。パエスの親族によると、息子は無事で親戚のところに身を寄せているそうだ。なお、この息子に関する通報が過去にもフロリダ州児童家庭局に寄せられていたことが記録に残っているという。
イネスさんは、自分の通報が警察によって真剣に受け止められてパエスの逮捕に至ったことに「感謝している」と語っている。一方で、過去に「Crime Stoppers USA」(警察と連携して活動するボランティアの非営利団体で、匿名で市民から犯罪の情報を受け付けている)にイネスさんが別の犯罪について報告した際には、「そのようなウェブサイトを運営し、情報提供をするのをやめるように」という警告のメールを受け取ったことがあったという。その点について、米ニュースメディア『NBC 6 South Florida』が同団体に確認したところ、同団体のクリス・キャメロン代表(Chris Cameron)は「イネスさんには、サイトのスポンサーになることに興味がないと何度も伝えた後、二度とその件で私たちに連絡しないようお願いしました。私たちは犯罪を解決するために地域社会と協力しています。イネスさんのサイトは、悪者に手を差し伸べるように犯罪を誘惑しており、私たちの価値観と使命に合致していません」と主張した。
今回のニュースには、人々から「自分の子供を、殺し屋に殺害させる正当な理由なんてない」「世界は本当におかしくなっている」といったコメントがあがっている。
画像は『NBC 6 South Florida 2023年7月20日付「Miami mother tried to hire hitman on parody website to kill 3-year-old son: Police」(Miami-Dade Corrections)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 H.R.)