米バージニア州在住のある女性の自宅に先日、身に覚えのない荷物が届いた。荷物は1箱だけではなく、その後に続々と届き始め、最終的に100箱以上が自宅に山積みとなってしまった。Amazonによる調査の結果、業者が倉庫から商品を処分するため、ランダムに住所を選んで送り付けていたものと判明した。米ニュースメディア『WUSA9』などが詳細を伝えている。
謎の荷物が届いたのは、米バージニア州プリンスウィリアム郡に住むシンディ・スミスさん(Cindy Smith)の自宅だ。何かを注文をした覚えのないシンディさんが宛先を確認してみると、そこには間違いなく自宅の住所が書かれていた。しかし、宛名は“リーシャオ・チャン(Lixiao Zhang)”という知らない人物の名前が記載されていた。
シンディさんは「何か手違いがあったのだろう」と深く気に留めていなかったが、その後、続々と荷物が届き始めた。「FedEx(運送会社)やAmazonなど、色々なところから荷物が届きましたよ」と話すシンディさんの自宅には、100箱以上の荷物が積み重なってしまった。箱を開けてみると、約1000個のランニング・サイクリング用のヘッドランプ、約800個のグルーガン、そして何十個もの子ども用双眼鏡が入っていた。
シンディさんは、荷物が届いた当時を「配達員は『この家にリーシャオ・チャンさんはいらっしゃいますか?』と聞いてきましたが、『いいえ』と答えましたよ」と振り返る。自宅に届いた大量の荷物に困惑したシンディさんは、「もしかしてブラッシング詐欺かしら?」と考えた。
ブラッシング詐欺とは、ECサイトの運営者が高評価のレビューを増やすため、架空のアカウントから注文を行って売り上げ件数を水増ししたり、サクラのレビューを投稿したりする詐欺行為だ。今年5月にも、ワシントンD.C.在住のリズ・ゲルトマンさん(Liz Geltman)が、注文した覚えのない子ども用シーツが入った荷物が大量に届くという事態に陥っていた。
シンディさんにインタビューを行った米ニュースメディア『WUSA9』が、梱包明細書を調べてみると、顧客から返品された商品が“リーシャオ・チャン”宛てに送られているものだと分かった。さらに配送元の住所を追跡してみると、9つの異なる州にある15のAmazonフルフィルメントセンター(物流拠点)から発送されていた。
『WUSA9』がこの件をAmazonに尋ねると、Amazonはシンディさんとリズさんの両方のケースについて詳しい調査を行った。すると、いずれのケースもAmazonのフルフィルメントセンターに残った商品を処理するため、業者がランダムに住所を選んで送り付けた結果だと判明した。この行為はAmazonのポリシーに違反するもので、「Amazonには出品者による疑わしい行為を検知するためのシステムや、禁止行為がないか調査するチームが存在します。今回、不正行為をした出品者のアカウントは閉鎖されました。Amazonでは詐欺を許しません。悪質な業者の責任を追及するため、あらゆる手段で対応し続けます」とAmazonはコメントを発表した。
Amazonで販売を行う企業の代理人を務め、ニューヨークを拠点に活動するCJ・ローゼンバウム(CJ Rosenbaum)弁護士は「中国にいる販売業者が、Amazonの倉庫から商品を処分するため、無作為に住所を選んでいるのです。この方がコストはかかりませんし。全てはお金のためですよ」と説明している。
環境科学の教授であるシンディさんは、届いたものをすべてゴミにすることはできなかった。「出会った人々にヘッドランプやグルーガンをプレゼントし続けているので、みんな私のことを変な人だと思っていますよ」と話している。まだ地下室には大量の荷物が残っているそうで、シンディさんによるヘッドランプの配布はまだ続きそうだ。
画像は『WUSA9 2023年7月27日付「Amazon takes action against vendor after hundreds of Amazon boxes stack up on Virginia woman’s doorstep」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 iruy)
謎の荷物が届いたのは、米バージニア州プリンスウィリアム郡に住むシンディ・スミスさん(Cindy Smith)の自宅だ。何かを注文をした覚えのないシンディさんが宛先を確認してみると、そこには間違いなく自宅の住所が書かれていた。しかし、宛名は“リーシャオ・チャン(Lixiao Zhang)”という知らない人物の名前が記載されていた。
シンディさんは「何か手違いがあったのだろう」と深く気に留めていなかったが、その後、続々と荷物が届き始めた。「FedEx(運送会社)やAmazonなど、色々なところから荷物が届きましたよ」と話すシンディさんの自宅には、100箱以上の荷物が積み重なってしまった。箱を開けてみると、約1000個のランニング・サイクリング用のヘッドランプ、約800個のグルーガン、そして何十個もの子ども用双眼鏡が入っていた。
シンディさんは、荷物が届いた当時を「配達員は『この家にリーシャオ・チャンさんはいらっしゃいますか?』と聞いてきましたが、『いいえ』と答えましたよ」と振り返る。自宅に届いた大量の荷物に困惑したシンディさんは、「もしかしてブラッシング詐欺かしら?」と考えた。
ブラッシング詐欺とは、ECサイトの運営者が高評価のレビューを増やすため、架空のアカウントから注文を行って売り上げ件数を水増ししたり、サクラのレビューを投稿したりする詐欺行為だ。今年5月にも、ワシントンD.C.在住のリズ・ゲルトマンさん(Liz Geltman)が、注文した覚えのない子ども用シーツが入った荷物が大量に届くという事態に陥っていた。
シンディさんにインタビューを行った米ニュースメディア『WUSA9』が、梱包明細書を調べてみると、顧客から返品された商品が“リーシャオ・チャン”宛てに送られているものだと分かった。さらに配送元の住所を追跡してみると、9つの異なる州にある15のAmazonフルフィルメントセンター(物流拠点)から発送されていた。
『WUSA9』がこの件をAmazonに尋ねると、Amazonはシンディさんとリズさんの両方のケースについて詳しい調査を行った。すると、いずれのケースもAmazonのフルフィルメントセンターに残った商品を処理するため、業者がランダムに住所を選んで送り付けた結果だと判明した。この行為はAmazonのポリシーに違反するもので、「Amazonには出品者による疑わしい行為を検知するためのシステムや、禁止行為がないか調査するチームが存在します。今回、不正行為をした出品者のアカウントは閉鎖されました。Amazonでは詐欺を許しません。悪質な業者の責任を追及するため、あらゆる手段で対応し続けます」とAmazonはコメントを発表した。
Amazonで販売を行う企業の代理人を務め、ニューヨークを拠点に活動するCJ・ローゼンバウム(CJ Rosenbaum)弁護士は「中国にいる販売業者が、Amazonの倉庫から商品を処分するため、無作為に住所を選んでいるのです。この方がコストはかかりませんし。全てはお金のためですよ」と説明している。
環境科学の教授であるシンディさんは、届いたものをすべてゴミにすることはできなかった。「出会った人々にヘッドランプやグルーガンをプレゼントし続けているので、みんな私のことを変な人だと思っていますよ」と話している。まだ地下室には大量の荷物が残っているそうで、シンディさんによるヘッドランプの配布はまだ続きそうだ。
画像は『WUSA9 2023年7月27日付「Amazon takes action against vendor after hundreds of Amazon boxes stack up on Virginia woman’s doorstep」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 iruy)