米イエローストーン国立公園で今月22日朝、ハイキング中の47歳の女性がハイイログマ(グリズリー)に襲われて死亡した。専門家によると、女性はクマに首や頭を襲撃され、3分以内に亡くなった可能性が高いという。英ニュースメディア『Daily Express』などが伝えた。
モンタナ州ウェストイエローストーンのハイキングコース「バターミルクトレイル」で22日午前8時頃、エイミー・アダムソンさん(Amie Adamson、47)が倒れているのを別のハイカーが発見した。
エイミーさんは酷い傷を負って息はなく、ハイカーから連絡を受けたモンタナ州魚類野生生物公園局(Montana Fish, Wildlife & Parks、以下FWP)」は「ハイイログマに襲われた可能性が高い」とイエローストーン国立公園を閉鎖して調査にあたった。
エイミーさんは当時、一人でトレイルに入り、クマよけスプレー(クマ用催涙スプレー)などは携帯していなかったそうで、FWPはその後、「トレイルの近くで子連れの母グマの足跡を発見した」と公表し、「ハイイログマの襲撃による死亡事故」と結論づけた。
そしてこの事故から数日後、米ユタ州のブリガムヤング大学教授で植物及び野生生物科学が専門のトム・スミス氏(Tom Smith)は「エイミーさんは襲撃から3分以内に悲劇的な死を迎えた可能性が高い」と語り、注目を集めた。スミス氏は30年以上にわたり「クマによる人間の襲撃」について研究し、これまで2200以上のケースでクマの行動調査を実施してきた専門家である。
「全米野生生物連盟(National Wildlife Federation)」によると、ハイイログマは大きいもので体長3メートル近くにまで成長し、体重300キロを超えることも珍しくないそうで、ひとたび人間が襲われれば、厚い被毛と太い骨、たくましい筋肉、そして強靭な歯が脅威となる。
スミス氏は「ハイイログマは大きく、鋭く、強靭な歯でエイミーさんの頭、または首を狙ったのだろう。それは本能というもので、敵を無力化させるには最もよく使われるんだ」と明かすと、こう語った。
「もし人間がハイイログマに首や頭を殴られたり、噛まれたりされたら破壊的なダメージを受ける。人間の柔らかで薄い肌、大量の血液、血管、神経はズタズタにやられてしまうんだ。」
「エイミーさんは2本の鋭い牙で首に噛みつかれ、頸動脈を引きちぎられた可能性がある。辺りには血しぶきがあがり、数秒で失血する。」
「他に考えられるのは、大きな口で頭を挟まれ、頭蓋骨が押し潰されて即死した可能性だ。または脊髄を噛みちぎられ、神経系に損傷が及んだのかもしれない。」
「これらはハイイログマらしい行動だけど、クマには近づかないことだ。人間の身体の組織というのは、クマに噛まれたらひとたまりもないからね。」
なおマラソンを趣味としていたエイミーさんは、朝早起きをしてトレイルを走るのが好きだったそうで、スミス氏はハイイログマが襲撃した理由についてこう分析した。
「トレイルを走っていたエイミーさんは、たまたま子連れの母グマに出くわした。そしてスピードを上げて迫ってきたエイミーさんに母グマが脅威を感じ、自分たちを守るために襲ったのだろう。クマが人間を食べることはあまりないが、遺体を食べなかったのは目的を達成したからと思われる。」
ちなみにクマの襲撃を避けるためには、音を出してクマが逃げる時間を与え、グループで行動したり、クマよけスプレーを携帯することが重要だという。それでも襲われてしまった場合は、顔を下にして頭の後ろで手を組んだり、バックパックなどで首を守ることが効果的とのことだ。
画像は『ABC7 Chicago 2023年7月26日付「Woman found dead after suspected bear encounter near Yellowstone, officials say」』『The Mirror 2023年7月28日付「EXCLUSIVE: Horrifying final moments of Yellowstone bear attack as woman gored to death」(Image: Brigham Young University)(Image: abc7)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)
モンタナ州ウェストイエローストーンのハイキングコース「バターミルクトレイル」で22日午前8時頃、エイミー・アダムソンさん(Amie Adamson、47)が倒れているのを別のハイカーが発見した。
エイミーさんは酷い傷を負って息はなく、ハイカーから連絡を受けたモンタナ州魚類野生生物公園局(Montana Fish, Wildlife & Parks、以下FWP)」は「ハイイログマに襲われた可能性が高い」とイエローストーン国立公園を閉鎖して調査にあたった。
エイミーさんは当時、一人でトレイルに入り、クマよけスプレー(クマ用催涙スプレー)などは携帯していなかったそうで、FWPはその後、「トレイルの近くで子連れの母グマの足跡を発見した」と公表し、「ハイイログマの襲撃による死亡事故」と結論づけた。
そしてこの事故から数日後、米ユタ州のブリガムヤング大学教授で植物及び野生生物科学が専門のトム・スミス氏(Tom Smith)は「エイミーさんは襲撃から3分以内に悲劇的な死を迎えた可能性が高い」と語り、注目を集めた。スミス氏は30年以上にわたり「クマによる人間の襲撃」について研究し、これまで2200以上のケースでクマの行動調査を実施してきた専門家である。
「全米野生生物連盟(National Wildlife Federation)」によると、ハイイログマは大きいもので体長3メートル近くにまで成長し、体重300キロを超えることも珍しくないそうで、ひとたび人間が襲われれば、厚い被毛と太い骨、たくましい筋肉、そして強靭な歯が脅威となる。
スミス氏は「ハイイログマは大きく、鋭く、強靭な歯でエイミーさんの頭、または首を狙ったのだろう。それは本能というもので、敵を無力化させるには最もよく使われるんだ」と明かすと、こう語った。
「もし人間がハイイログマに首や頭を殴られたり、噛まれたりされたら破壊的なダメージを受ける。人間の柔らかで薄い肌、大量の血液、血管、神経はズタズタにやられてしまうんだ。」
「エイミーさんは2本の鋭い牙で首に噛みつかれ、頸動脈を引きちぎられた可能性がある。辺りには血しぶきがあがり、数秒で失血する。」
「他に考えられるのは、大きな口で頭を挟まれ、頭蓋骨が押し潰されて即死した可能性だ。または脊髄を噛みちぎられ、神経系に損傷が及んだのかもしれない。」
「これらはハイイログマらしい行動だけど、クマには近づかないことだ。人間の身体の組織というのは、クマに噛まれたらひとたまりもないからね。」
なおマラソンを趣味としていたエイミーさんは、朝早起きをしてトレイルを走るのが好きだったそうで、スミス氏はハイイログマが襲撃した理由についてこう分析した。
「トレイルを走っていたエイミーさんは、たまたま子連れの母グマに出くわした。そしてスピードを上げて迫ってきたエイミーさんに母グマが脅威を感じ、自分たちを守るために襲ったのだろう。クマが人間を食べることはあまりないが、遺体を食べなかったのは目的を達成したからと思われる。」
ちなみにクマの襲撃を避けるためには、音を出してクマが逃げる時間を与え、グループで行動したり、クマよけスプレーを携帯することが重要だという。それでも襲われてしまった場合は、顔を下にして頭の後ろで手を組んだり、バックパックなどで首を守ることが効果的とのことだ。
画像は『ABC7 Chicago 2023年7月26日付「Woman found dead after suspected bear encounter near Yellowstone, officials say」』『The Mirror 2023年7月28日付「EXCLUSIVE: Horrifying final moments of Yellowstone bear attack as woman gored to death」(Image: Brigham Young University)(Image: abc7)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)