栄養失調で立つこともできず、今年5月に米ミズーリ州のバス停に捨てられた犬。そんな犬が優しい男性によって救助され、親切のバトンが地元の動物シェルターへと渡された。そうして先月末、その犬に愛情をいっぱい注いでくれる里親が見つかった。心温まるニュースを動物専門ネットメディア『The Dodo』などが伝えている。
米ミズーリ州セントルイスのバス停で今年5月初め、バスに乗り遅れた通勤中の男性が、ひどく衰弱し被毛が尿で固まったメス犬を発見した。
男性は「遅刻だ」と分かっていながらどうしても放っておけず、ベンチに繋がれた犬を優しく抱きかかえると、自宅に連れて帰った。そして地元の動物シェルター「ストレイ・レスキュー・オブ・セントルイス(Stray Rescue of St. Louis、以下SRSL」に連絡し、助けを求めた。
こうして駆けつけたのがSRSLのドナ・ロックマンさん(Donna Lochmann)のチームで、ドナさんは“シーラ(She-Ra)”と名付けたその犬についてこのように語っている。
「実は男性に『痩せ細った犬』と聞いていたのですが、庭の日陰のブランケットの上で横になっていた犬を一目見て衝撃を受けました。その子は細いだけでなく、栄養失調で立つことすらできず、私たちはシーラを抱っこして車まで運びました。ただそんな状態で痛みが酷いにもかかわらず、シーラはまるで私たちを歓迎しているように尻尾を振っていたのです。」
「シーラがそれまで、どんな人生を送ってきたのかは分かりません。でもSRSLの獣医が診察して分かったのは、『愛情いっぱいの環境で育ってこなかった』ということです。子犬だったシーラはきっと、小さなクレートに入れられ、つらい人生のスタートを切ったに違いないのです。」
そんなシーラの人生は、バスに乗り遅れたあの男性の小さな親切がSRSLに繋がれ、これをきっかけに大きく変わっていくのだった。
SRSLに到着したシーラはその後、体を洗ってもらい、検査を受け、少量の食事を一日数回に分けて摂るようになった。またスタッフは、歩けないシーラのために施設内を抱っこして移動し、外の新鮮な空気に触れさせるためベビーカーで散歩に出た。
こうして食事の量を増やしていったシーラは体力をつけ、次第に立つことやゆっくり歩くことが可能になった。そして2週間後には普通の食事ができるようになり、里親を募集できる状態にまで回復したという。
ドナさんによると、シーラが初めてSRSLに来た時の体重は9キロほどしかなかったそうで、シーラの回復の軌跡についてこう続けた。
「実はシーラが歩けるようになってから、体重を健康な状態にまで増やしてくれたのは、一時的に預かってくれた家族です。シーラの体重は6月中旬には約16キロになり、筋肉もつきました。それに彼らは犬2匹、猫1匹、猿1匹、鳥1羽を飼っていて、シーラはそれまで経験したことがないような新しい世界に足を踏み入れたのです。シーラはそこで順調に回復し、ほかの犬たちと広い庭を駆け回り、遊ぶようになりました。」
なおドナさんらスタッフは、シーラが新しい環境に慣れ、楽しむ様子を喜ぶ一方で「シーラを一生可愛がってくれる里親の募集」を根気よく続けていた。そしてSNSでシーラの回復の過程を投稿し続けた結果、ついに先月、シーラに新たな家族が見つかった。
シーラの里親の申し込みをしてきたその家族は、メールで「私たちはシーラに恋をした。だからシーラにたくさんの愛情と温かい家を与えたい」と伝えてきたそうで、一時預かりをしていた家族との面会が上手くいくと、トントン拍子に事が運んだという。
「里親候補の家族を初めて見たシーラの顔は、それは輝いていましたよ」と明かすドナさん。「今のシーラは最高の人生を送っていますよ。いろんな場所に連れて行ってもらい、たくさんの愛情に包まれていますから」と笑顔で語ると、こう続けた。
「シーラを最初に見た時、『この子の回復には時間がかかる』と分かっていました。でも今のシーラはこれまでになく強く、毎日を精一杯生きていて、最高に幸せなんですよ!」
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画像は『Stray Rescue of St. Louis 2023年5月11日付Instagram「A few more photos of She-Ra’s arrival」、2023年5月14日付Instagram「Your daily She-Ra fix!」、2023年5月15日付Instagram「She’s walking!!!」、2023年6月15日付Instagram「Who is that big, strong, smiling, healthy dog?」、2023年7月24日付Instagram「Remember the day She-Ra came in?」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)
米ミズーリ州セントルイスのバス停で今年5月初め、バスに乗り遅れた通勤中の男性が、ひどく衰弱し被毛が尿で固まったメス犬を発見した。
男性は「遅刻だ」と分かっていながらどうしても放っておけず、ベンチに繋がれた犬を優しく抱きかかえると、自宅に連れて帰った。そして地元の動物シェルター「ストレイ・レスキュー・オブ・セントルイス(Stray Rescue of St. Louis、以下SRSL」に連絡し、助けを求めた。
こうして駆けつけたのがSRSLのドナ・ロックマンさん(Donna Lochmann)のチームで、ドナさんは“シーラ(She-Ra)”と名付けたその犬についてこのように語っている。
「実は男性に『痩せ細った犬』と聞いていたのですが、庭の日陰のブランケットの上で横になっていた犬を一目見て衝撃を受けました。その子は細いだけでなく、栄養失調で立つことすらできず、私たちはシーラを抱っこして車まで運びました。ただそんな状態で痛みが酷いにもかかわらず、シーラはまるで私たちを歓迎しているように尻尾を振っていたのです。」
「シーラがそれまで、どんな人生を送ってきたのかは分かりません。でもSRSLの獣医が診察して分かったのは、『愛情いっぱいの環境で育ってこなかった』ということです。子犬だったシーラはきっと、小さなクレートに入れられ、つらい人生のスタートを切ったに違いないのです。」
そんなシーラの人生は、バスに乗り遅れたあの男性の小さな親切がSRSLに繋がれ、これをきっかけに大きく変わっていくのだった。
SRSLに到着したシーラはその後、体を洗ってもらい、検査を受け、少量の食事を一日数回に分けて摂るようになった。またスタッフは、歩けないシーラのために施設内を抱っこして移動し、外の新鮮な空気に触れさせるためベビーカーで散歩に出た。
こうして食事の量を増やしていったシーラは体力をつけ、次第に立つことやゆっくり歩くことが可能になった。そして2週間後には普通の食事ができるようになり、里親を募集できる状態にまで回復したという。
ドナさんによると、シーラが初めてSRSLに来た時の体重は9キロほどしかなかったそうで、シーラの回復の軌跡についてこう続けた。
「実はシーラが歩けるようになってから、体重を健康な状態にまで増やしてくれたのは、一時的に預かってくれた家族です。シーラの体重は6月中旬には約16キロになり、筋肉もつきました。それに彼らは犬2匹、猫1匹、猿1匹、鳥1羽を飼っていて、シーラはそれまで経験したことがないような新しい世界に足を踏み入れたのです。シーラはそこで順調に回復し、ほかの犬たちと広い庭を駆け回り、遊ぶようになりました。」
なおドナさんらスタッフは、シーラが新しい環境に慣れ、楽しむ様子を喜ぶ一方で「シーラを一生可愛がってくれる里親の募集」を根気よく続けていた。そしてSNSでシーラの回復の過程を投稿し続けた結果、ついに先月、シーラに新たな家族が見つかった。
シーラの里親の申し込みをしてきたその家族は、メールで「私たちはシーラに恋をした。だからシーラにたくさんの愛情と温かい家を与えたい」と伝えてきたそうで、一時預かりをしていた家族との面会が上手くいくと、トントン拍子に事が運んだという。
「里親候補の家族を初めて見たシーラの顔は、それは輝いていましたよ」と明かすドナさん。「今のシーラは最高の人生を送っていますよ。いろんな場所に連れて行ってもらい、たくさんの愛情に包まれていますから」と笑顔で語ると、こう続けた。
「シーラを最初に見た時、『この子の回復には時間がかかる』と分かっていました。でも今のシーラはこれまでになく強く、毎日を精一杯生きていて、最高に幸せなんですよ!」
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(TechinsightJapan編集部 A.C.)