結成50周年を迎えたTHE ALFEE(桜井賢・坂崎幸之助・高見沢俊彦)が7月29・30日に神奈川・横浜アリーナにて毎年恒例の夏のイベント(コンサート)『THE ALFEE 2023 Summer Genesis of New World 風の時代★夏』を開催した。70代を目前に控えたバンドとは思えないエネルギッシュなステージで両日合わせて24,000人を魅了した。テックインサイトでは2日目を取材した。
THE ALFEEの登場を待ち侘びる会場を埋め尽くしたファンの歓声と手拍子が鳴り響くなか、会場後方から登場した3人。今回のコンサートの象徴でもある左右に広がった大きな翼の中央に立ち、大歓声のファンに応えながら、メインステージへ移動。客席の頭上を通り抜けるというムービングステージならではの度肝を抜いた演出だ。
このコンサートのタイトルチューン『風の時代』で幕を開けると、大阪国際女子マラソンのイメージソングでもあった『勇気凛々』、そして今年5月にリリースしたダブルAサイドシングル『Never Say Die』と立て続けにアップテンポの楽曲を披露し、一気にTHE ALFEEワールドに引き込んでしまう。
坂崎幸之助が「結成50周年の夏です! やっとこの横浜アリーナで皆さんの声が聞けます。今夜は思う存分声を出して頂きたいと思います。アリーナの皆さんも遠い席の皆さんも、スタンドの皆さんも、今回初めての方もベテランの方も思う存分、声を出して楽しんでいただきたいと思います!」と軽快に挨拶。この夏のイベントはコロナ禍を経て声出し解禁になった久しぶりのライブだ。
続く『STARSHIP -光を求めて-』では桜井賢が、『FOR THE BRAND-NEW DREAM』では坂崎幸之助が、『LONG WAY TO FREEDOM』では高見沢俊彦がムービングステージに一人で乗り、客席中央まで移動して歌い上げた。会場いっぱいに公式グッズのマラカスライトのブルーとパープルの光が揺れ、特に『STARSHIP -光を求めて-』ではまるで満点の星空のなか桜井がSTARSHIPに乗って歌っているかのような印象を与えた。
そして『LONG WAY TO FREEDOM』を歌い終えて「息切れてるよ。50年前はこんなんじゃなかった」と坂崎に突っ込まれた高見沢。「この曲はカロリーが高い。バナナ持ってる?」と笑わせたが、後半に披露した『Stand Up, Baby -愛こそすべて-』ではハンドマイクでステージを左から右へ全力疾走、ジャンプを連発する高見沢があった。高見沢と坂崎は現在69歳、早生まれの桜井は68歳だが「本当に60代後半なのか?」と疑いたくなるエネルギッシュなステージだ。
また『Just Like America』では坂崎と高見沢が2人揃って今やレアなMartinのギターを惜しげもなくかき鳴らしたが、坂崎がTHE ALFEEの良いところとして「たくさんのギターを見ることができる。こんなにギターを替えるバンドはいないよ」と話していた。しかしTHE ALFEEの特異な要素はこれだけではない。3人がメインボーカルを取るバンドは珍しいし、アコースティックナンバーを演奏したかと思えば、プログレッシブロックの組曲を披露するバンドもそうはいないだろう。そしてどのジャンルの曲も唯一無二のハーモニーでTHE ALFEE色に染めてしまう。そう、まさに規格外。今回のコンサートは、7月2日に終了したばかりの春の全国ツアーとは、代表曲『星空のディスタンス』、コンサートの定番曲『SWEAT & TEARS』、今年5月にリリースした新曲『鋼の騎士Q』などの数曲を除いてガラリとセットリストを変えてきた。また同じ夏のイベントでも1日目とは半数ほど異なるラインナップを披露。THE ALFEEはこの日でコンサート総本数2,864本となり、国内グループ最多公演記録を自ら更新したが、一本一本積み重ねて活動を休むことなく続けてきたTHE ALFEEの結成50年の底力をまざまざと見せつけられる。
結成した当時を振り返り、高見沢は「50年前に僕はこのグループに入ったわけですが、音楽的にすごく気に入ったとか、そういうことではなかったような気がするね。なんか楽しかったのかな。アルフィーを的確にいうと、3人とも幼稚(笑)。だから良いのかな? くだらないこと、バカなことを楽屋ではしゃべりまくってるんですよ」と50年、変わらぬ仲の良さをうかがわせた。
真摯に取り組んでいる音楽の一方で、このコンサートでも遊び心を忘れずユーモアを交えたメンバー紹介や、前期高齢者アイドルグループ「またさきトリオ」(THE ALFEEの3人が扮したもの)が登場するのもTHE ALFEEのコンサートの楽しみ。『YOUNG MAN (Y.M.C.A.)』のカバーでは、スクリーンに3人の若かりし頃の写真を映すという演出で観客を沸かせた。
ライブ終盤、桜井は「この暑い中、みんなで外よりも熱く! ありがとうございました」、坂崎は「久々のみんなの声が聞けた夏イベ、最高でした!」とファンにメッセージを送った。高見沢は「諦めずにこの道を歩いてきて、みんなに出会えて本当に良かった。これから僕らにどのぐらい時間があるのか分からないけれど、できる限り3人でステージに立ち続けるつもりです。もうしばらく僕らにお付き合いください。もちろんまだまだ先は長い! いまだゴールは見えず。古希を恐れずまっしぐら!」とステージを踏みしめて語り、ファンを沸かせた。
この日のコンサートを締めくくったのは、コンサートタイトル『風の時代★夏』に絡めて“風(=WIND)”にちなんだ、坂崎のパーカッションが映えるダンサブルなナンバー『WIND OF TIME』。THE ALFEEは10月1日から秋の全国ツアー『THE ALFEE 2023 Autumn Genesis of New World 風の時代・秋』に突入、12月23・24日は日本武道館、12月29日は大阪城ホールで『THE ALFEE 2023 Winter Genesis of New World Final 風の時代・冬』を開催する。そして2024年、THE ALFEEはいよいよデビュー50周年に突入する。
写真:上飯坂一
(TechinsightJapan編集部 取材・文:関原りあん)
THE ALFEEの登場を待ち侘びる会場を埋め尽くしたファンの歓声と手拍子が鳴り響くなか、会場後方から登場した3人。今回のコンサートの象徴でもある左右に広がった大きな翼の中央に立ち、大歓声のファンに応えながら、メインステージへ移動。客席の頭上を通り抜けるというムービングステージならではの度肝を抜いた演出だ。
このコンサートのタイトルチューン『風の時代』で幕を開けると、大阪国際女子マラソンのイメージソングでもあった『勇気凛々』、そして今年5月にリリースしたダブルAサイドシングル『Never Say Die』と立て続けにアップテンポの楽曲を披露し、一気にTHE ALFEEワールドに引き込んでしまう。
坂崎幸之助が「結成50周年の夏です! やっとこの横浜アリーナで皆さんの声が聞けます。今夜は思う存分声を出して頂きたいと思います。アリーナの皆さんも遠い席の皆さんも、スタンドの皆さんも、今回初めての方もベテランの方も思う存分、声を出して楽しんでいただきたいと思います!」と軽快に挨拶。この夏のイベントはコロナ禍を経て声出し解禁になった久しぶりのライブだ。
続く『STARSHIP -光を求めて-』では桜井賢が、『FOR THE BRAND-NEW DREAM』では坂崎幸之助が、『LONG WAY TO FREEDOM』では高見沢俊彦がムービングステージに一人で乗り、客席中央まで移動して歌い上げた。会場いっぱいに公式グッズのマラカスライトのブルーとパープルの光が揺れ、特に『STARSHIP -光を求めて-』ではまるで満点の星空のなか桜井がSTARSHIPに乗って歌っているかのような印象を与えた。
そして『LONG WAY TO FREEDOM』を歌い終えて「息切れてるよ。50年前はこんなんじゃなかった」と坂崎に突っ込まれた高見沢。「この曲はカロリーが高い。バナナ持ってる?」と笑わせたが、後半に披露した『Stand Up, Baby -愛こそすべて-』ではハンドマイクでステージを左から右へ全力疾走、ジャンプを連発する高見沢があった。高見沢と坂崎は現在69歳、早生まれの桜井は68歳だが「本当に60代後半なのか?」と疑いたくなるエネルギッシュなステージだ。
また『Just Like America』では坂崎と高見沢が2人揃って今やレアなMartinのギターを惜しげもなくかき鳴らしたが、坂崎がTHE ALFEEの良いところとして「たくさんのギターを見ることができる。こんなにギターを替えるバンドはいないよ」と話していた。しかしTHE ALFEEの特異な要素はこれだけではない。3人がメインボーカルを取るバンドは珍しいし、アコースティックナンバーを演奏したかと思えば、プログレッシブロックの組曲を披露するバンドもそうはいないだろう。そしてどのジャンルの曲も唯一無二のハーモニーでTHE ALFEE色に染めてしまう。そう、まさに規格外。今回のコンサートは、7月2日に終了したばかりの春の全国ツアーとは、代表曲『星空のディスタンス』、コンサートの定番曲『SWEAT & TEARS』、今年5月にリリースした新曲『鋼の騎士Q』などの数曲を除いてガラリとセットリストを変えてきた。また同じ夏のイベントでも1日目とは半数ほど異なるラインナップを披露。THE ALFEEはこの日でコンサート総本数2,864本となり、国内グループ最多公演記録を自ら更新したが、一本一本積み重ねて活動を休むことなく続けてきたTHE ALFEEの結成50年の底力をまざまざと見せつけられる。
結成した当時を振り返り、高見沢は「50年前に僕はこのグループに入ったわけですが、音楽的にすごく気に入ったとか、そういうことではなかったような気がするね。なんか楽しかったのかな。アルフィーを的確にいうと、3人とも幼稚(笑)。だから良いのかな? くだらないこと、バカなことを楽屋ではしゃべりまくってるんですよ」と50年、変わらぬ仲の良さをうかがわせた。
真摯に取り組んでいる音楽の一方で、このコンサートでも遊び心を忘れずユーモアを交えたメンバー紹介や、前期高齢者アイドルグループ「またさきトリオ」(THE ALFEEの3人が扮したもの)が登場するのもTHE ALFEEのコンサートの楽しみ。『YOUNG MAN (Y.M.C.A.)』のカバーでは、スクリーンに3人の若かりし頃の写真を映すという演出で観客を沸かせた。
ライブ終盤、桜井は「この暑い中、みんなで外よりも熱く! ありがとうございました」、坂崎は「久々のみんなの声が聞けた夏イベ、最高でした!」とファンにメッセージを送った。高見沢は「諦めずにこの道を歩いてきて、みんなに出会えて本当に良かった。これから僕らにどのぐらい時間があるのか分からないけれど、できる限り3人でステージに立ち続けるつもりです。もうしばらく僕らにお付き合いください。もちろんまだまだ先は長い! いまだゴールは見えず。古希を恐れずまっしぐら!」とステージを踏みしめて語り、ファンを沸かせた。
この日のコンサートを締めくくったのは、コンサートタイトル『風の時代★夏』に絡めて“風(=WIND)”にちなんだ、坂崎のパーカッションが映えるダンサブルなナンバー『WIND OF TIME』。THE ALFEEは10月1日から秋の全国ツアー『THE ALFEE 2023 Autumn Genesis of New World 風の時代・秋』に突入、12月23・24日は日本武道館、12月29日は大阪城ホールで『THE ALFEE 2023 Winter Genesis of New World Final 風の時代・冬』を開催する。そして2024年、THE ALFEEはいよいよデビュー50周年に突入する。
写真:上飯坂一
(TechinsightJapan編集部 取材・文:関原りあん)