犬は飼い主の言葉を理解してコミュニケーションを取ることができるようだが、アメリカのある家庭で飼われている犬はおしゃべりボタンを使って飼い主が病気であることを伝えた。犬の訴えを飼い主の女性は本気にしていなかったが、その数時間後、体調に異変が起きたという。英ニュースメディア『Nottinghamshire Live』などが伝えている。
米カリフォルニア州在住のクリスティーナ・リーさん(Christina Lee、32)は、2歳のオスのゴールデン・レトリバー“キャッシュ(Cache)”を飼っている。リーさんは犬が言葉を使えるように訓練する方法を詳しく説明した『世界ではじめて人と話した犬 ステラ』という本を読んで感銘を受け、約2年前に犬や猫とコミュニケーションするための“おしゃべりボタン”を購入し、キャッシュに言葉を教えてきた。
おしゃべりボタンは、それぞれのボタンに言葉をあらかじめ録音して、ボタンを押すと言葉が発せられる仕組みになっている。リーさんはキャッシュを2年間トレーニングし、今ではボタンを使って簡単な会話ができるようになったという。
ある日のこと、キャッシュはキッチンにいるリーさんにおしゃべりボタンを使って呼びかけた。キャッシュは「欲しい!(WANT!)」ボタンを2度押して何かを要求しているようで、リーさんはボタンを使って「キャッシュは何をして欲しいの?」と聞き返した。そしてボタンを使って、キャッシュとの会話がこのように続いた。
キャッシュ「病気(SICK)」
リーさん「キャシュは病気なの?(CACHE SICK?)」
キャッシュ「友達、友達だよ(FRIEND FRIEND)」
リーさん「誰が病気なの?(WHO SICK?)」
キャッシュ「ママだよ(MOM)」
なんとキャッシュは、ボタンを使ってリーさんが病気だと伝えたのだ。これにはリーさんも驚いたようで、動揺気味に「ママが病気なの? 私の知らない何かを知ってるのね?」と呟いていた。この時リーさんはキャッシュの言葉をあまり信じていなかったが、その5時間後に急に吐き気を感じ、自分が病気であることに気づいたという。
その後、リーさんの体調は回復したようで、彼女はメディアのインタビューに応じてキャッシュがおしゃべりボタンを使えるようになるまでのことを次のように明かした。
「全ては実演ベースだったんです。ご褒美のおやつも使いませんでした。たとえば、外に出る時は『外』のボタンを押すという感じでした。でも一旦使えるようになると、私たちは会話が楽しくて仕方ありませんでした。キャッシュは当初、『SICK』という言葉を理解するのに苦労したんです。彼はこれをネガティブな感情だと勘違いしていたのです。」
「『SICK』ボタンは私が1年前、インフルエンザにかかった時に設置したのですが、キャッシュは私が泣いている時も『SICK』ボタンを押すようになったんですよ。その時は『面白いなあ』と思いました。でも私がいつ具合が悪くなるか、前もって教えてくれたのは今回が初めてです。キャッシュは私の身体から何かを嗅ぎ取ったんだと思います。」
ちなみに、ノンフィクション書籍『世界ではじめて人と話した犬 ステラ』の著者クリスティーナ・ハンガーさん(Christina Hunger)は、言語聴覚士としてコミュニケーションに苦労している子供たちを指導しており、そのテクニックを愛犬ステラにもおしゃべりボタンを使って応用したという。ハンガーさんは「犬は言葉を理解できるのです。ただ言葉を伝えるために別の方法が必要なだけなのです」と述べている。
画像は『Nottinghamshire Live 2023年8月11日付「Dog told owner she was sick hours before symptoms using buttons」(Image: Christina Lee/SWNS)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 MasumiMaher)
米カリフォルニア州在住のクリスティーナ・リーさん(Christina Lee、32)は、2歳のオスのゴールデン・レトリバー“キャッシュ(Cache)”を飼っている。リーさんは犬が言葉を使えるように訓練する方法を詳しく説明した『世界ではじめて人と話した犬 ステラ』という本を読んで感銘を受け、約2年前に犬や猫とコミュニケーションするための“おしゃべりボタン”を購入し、キャッシュに言葉を教えてきた。
おしゃべりボタンは、それぞれのボタンに言葉をあらかじめ録音して、ボタンを押すと言葉が発せられる仕組みになっている。リーさんはキャッシュを2年間トレーニングし、今ではボタンを使って簡単な会話ができるようになったという。
ある日のこと、キャッシュはキッチンにいるリーさんにおしゃべりボタンを使って呼びかけた。キャッシュは「欲しい!(WANT!)」ボタンを2度押して何かを要求しているようで、リーさんはボタンを使って「キャッシュは何をして欲しいの?」と聞き返した。そしてボタンを使って、キャッシュとの会話がこのように続いた。
キャッシュ「病気(SICK)」
リーさん「キャシュは病気なの?(CACHE SICK?)」
キャッシュ「友達、友達だよ(FRIEND FRIEND)」
リーさん「誰が病気なの?(WHO SICK?)」
キャッシュ「ママだよ(MOM)」
なんとキャッシュは、ボタンを使ってリーさんが病気だと伝えたのだ。これにはリーさんも驚いたようで、動揺気味に「ママが病気なの? 私の知らない何かを知ってるのね?」と呟いていた。この時リーさんはキャッシュの言葉をあまり信じていなかったが、その5時間後に急に吐き気を感じ、自分が病気であることに気づいたという。
その後、リーさんの体調は回復したようで、彼女はメディアのインタビューに応じてキャッシュがおしゃべりボタンを使えるようになるまでのことを次のように明かした。
「全ては実演ベースだったんです。ご褒美のおやつも使いませんでした。たとえば、外に出る時は『外』のボタンを押すという感じでした。でも一旦使えるようになると、私たちは会話が楽しくて仕方ありませんでした。キャッシュは当初、『SICK』という言葉を理解するのに苦労したんです。彼はこれをネガティブな感情だと勘違いしていたのです。」
「『SICK』ボタンは私が1年前、インフルエンザにかかった時に設置したのですが、キャッシュは私が泣いている時も『SICK』ボタンを押すようになったんですよ。その時は『面白いなあ』と思いました。でも私がいつ具合が悪くなるか、前もって教えてくれたのは今回が初めてです。キャッシュは私の身体から何かを嗅ぎ取ったんだと思います。」
ちなみに、ノンフィクション書籍『世界ではじめて人と話した犬 ステラ』の著者クリスティーナ・ハンガーさん(Christina Hunger)は、言語聴覚士としてコミュニケーションに苦労している子供たちを指導しており、そのテクニックを愛犬ステラにもおしゃべりボタンを使って応用したという。ハンガーさんは「犬は言葉を理解できるのです。ただ言葉を伝えるために別の方法が必要なだけなのです」と述べている。
画像は『Nottinghamshire Live 2023年8月11日付「Dog told owner she was sick hours before symptoms using buttons」(Image: Christina Lee/SWNS)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 MasumiMaher)