世界最強の毒グモに噛まれたペルー人男性が昨年10月、アメリカの生物学者クリント・レイドロー氏(Clint Laidlaw)のYouTubeで自身のトラウマ体験を語り、今月に入って英ネットメディア『The Daily Star』などが伝えて注目されている。男性は身体の腫れや痙攣などのほかに、痛みを伴う勃起が2日間も続いたそうで「全てが耐え難い苦痛だった」と明かしている。
ペルーで電気工事の仕事をするロナルドさん(Ronald)は昨年、北西部サンタ・クルスの一軒家で仕事中、徘徊性の毒グモ「フォニュートリア・ドクシボグモ(Brazilian Wandering Spider)」に襲われた。
南米に生息するフォニュートリア・ドクシボグモは世界最強の猛毒を持つことで知られ、ギネス世界記録の認定も受けている。噛まれると低体温、痙攣、激痛、目のかすみ、呼吸困難などの症状が現れ、過去には4時間連続で勃起が続いた者もいるそうで、ロナルドさんはまさにそんな不快な経験を明かしたのだった。
ロナルドさんは「そのクモに噛まれたのはちょうど、電球を変えていた時でね。片手を木張りの天井の中に入れて作業をしていたんだ。ただクモが近くにいたことは全く気付かなかった。仕事に夢中だったからね」と当時のことを振り返り、このように続けた。
「それが突然、中指の先端2か所をつねられた感じがして、激痛が走った。僕は慌てて手を引いたけど、指にはクモが食らいついていた。」
「僕が痛がるのを見た仲間は最初、冗談だと思って笑っていたよ。でも僕が何度か手を振ると、そいつが床に落ちてね。その時だよ。それが猛毒のクモだということにみんなが気付いたのは。」
クリント・レイドロー氏によると、フォニュートリア・ドクシボグモは相手を包み込むようなペンチ型の牙を持っているそうで、ロナルドさんは中指を挟まれるようにして2か所、噛まれていたという。
身体の異変を感じたのは噛まれてすぐのことで、その後の変化についてロナルドさんはこのように述べた。
「噛まれてから20分後には手が腫れて巨大化し、手から腕にかけての静脈が浮き出してきた。それに冷や汗が出て身体が震え、心臓がバクバクして飛び出しそうだった。さらにゆっくりと身体が弱っていくのを感じ、ついには歩くこともできなくなって、船で近くの病院に連れて行ってもらったんだ。そこで抗毒素(血清)を投与されると、他の病院に運ばれて点滴を受けた。」
「病院に行くまでの間には勃起が始まってね。それは丸2日間続き、普通の状態に戻り始めたのは3日目になってからだった。」
ちなみにフォニュートリア・ドクシボグモの毒は勃起不全の研究に使われており、「バイアグラよりも強力」と言う人さえいるという。ただし噛まれた後に起きる勃起には痛みと不快感が伴うようで、ロナルドさんはこの副作用に2日も苦しんだというわけだ。
それでも5日間、ワクチンや薬の服用を続けたことで当初の症状は改善したそうだが、噛まれてから1週間は腕の感覚がなく、中指は1か月間動かすことができなかったという。ロナルドさんはとんだ経験を「全てが耐え難い苦痛だった」と振り返り、「人には『あの種のクモには十分注意するように』と常に話をしているよ」と苦笑した。
フォニュートリア・ドクシボグモは体長5~8センチ、足を広げると13~15センチにもなり、輸入されるバナナに紛れ込んでいることもあり「バナナ・スパイダー」の異名を持つ。オーストリアの首都ウィーンから80キロほどにあるスーパーでは今月8日、このクモが目撃されて一時閉店する騒ぎも起きていたが、噛まれた場合はヘビ抗毒素が有効で死亡することは稀という。
画像は『The Daily Star 2023年8月11日付「Bloke left with two-day erection after bite from one of world’s most venomous spiders」(Image: Clint’s Reptiles/Youtube)』『TMZ 2023年8月10日付「SPIDER WITH BITE THAT CAN CAUSE PERMANENT BONERS Invades Store, Forces Evac」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)
ペルーで電気工事の仕事をするロナルドさん(Ronald)は昨年、北西部サンタ・クルスの一軒家で仕事中、徘徊性の毒グモ「フォニュートリア・ドクシボグモ(Brazilian Wandering Spider)」に襲われた。
南米に生息するフォニュートリア・ドクシボグモは世界最強の猛毒を持つことで知られ、ギネス世界記録の認定も受けている。噛まれると低体温、痙攣、激痛、目のかすみ、呼吸困難などの症状が現れ、過去には4時間連続で勃起が続いた者もいるそうで、ロナルドさんはまさにそんな不快な経験を明かしたのだった。
ロナルドさんは「そのクモに噛まれたのはちょうど、電球を変えていた時でね。片手を木張りの天井の中に入れて作業をしていたんだ。ただクモが近くにいたことは全く気付かなかった。仕事に夢中だったからね」と当時のことを振り返り、このように続けた。
「それが突然、中指の先端2か所をつねられた感じがして、激痛が走った。僕は慌てて手を引いたけど、指にはクモが食らいついていた。」
「僕が痛がるのを見た仲間は最初、冗談だと思って笑っていたよ。でも僕が何度か手を振ると、そいつが床に落ちてね。その時だよ。それが猛毒のクモだということにみんなが気付いたのは。」
クリント・レイドロー氏によると、フォニュートリア・ドクシボグモは相手を包み込むようなペンチ型の牙を持っているそうで、ロナルドさんは中指を挟まれるようにして2か所、噛まれていたという。
身体の異変を感じたのは噛まれてすぐのことで、その後の変化についてロナルドさんはこのように述べた。
「噛まれてから20分後には手が腫れて巨大化し、手から腕にかけての静脈が浮き出してきた。それに冷や汗が出て身体が震え、心臓がバクバクして飛び出しそうだった。さらにゆっくりと身体が弱っていくのを感じ、ついには歩くこともできなくなって、船で近くの病院に連れて行ってもらったんだ。そこで抗毒素(血清)を投与されると、他の病院に運ばれて点滴を受けた。」
「病院に行くまでの間には勃起が始まってね。それは丸2日間続き、普通の状態に戻り始めたのは3日目になってからだった。」
ちなみにフォニュートリア・ドクシボグモの毒は勃起不全の研究に使われており、「バイアグラよりも強力」と言う人さえいるという。ただし噛まれた後に起きる勃起には痛みと不快感が伴うようで、ロナルドさんはこの副作用に2日も苦しんだというわけだ。
それでも5日間、ワクチンや薬の服用を続けたことで当初の症状は改善したそうだが、噛まれてから1週間は腕の感覚がなく、中指は1か月間動かすことができなかったという。ロナルドさんはとんだ経験を「全てが耐え難い苦痛だった」と振り返り、「人には『あの種のクモには十分注意するように』と常に話をしているよ」と苦笑した。
フォニュートリア・ドクシボグモは体長5~8センチ、足を広げると13~15センチにもなり、輸入されるバナナに紛れ込んでいることもあり「バナナ・スパイダー」の異名を持つ。オーストリアの首都ウィーンから80キロほどにあるスーパーでは今月8日、このクモが目撃されて一時閉店する騒ぎも起きていたが、噛まれた場合はヘビ抗毒素が有効で死亡することは稀という。
画像は『The Daily Star 2023年8月11日付「Bloke left with two-day erection after bite from one of world’s most venomous spiders」(Image: Clint’s Reptiles/Youtube)』『TMZ 2023年8月10日付「SPIDER WITH BITE THAT CAN CAUSE PERMANENT BONERS Invades Store, Forces Evac」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)