生まれつき2つの腟と子宮を持つハンガリーの女性が先月、第1子の女児を出産した。医師から「子供を授かることは難しい」と告げられていた女性だが、幸運にも1回目の体外受精で妊娠することができたという。胎児は左側の子宮に宿ったそうで、女性は「赤ちゃんが成長するにつれて、片側のお腹だけ大きくなっていくのはとても不思議だった」と話している。英ニュースメディア『Metro』などが伝えた。
ハンガリー在住のアデル・ヴァルガさん(Adel Varga、29)は、生まれつき腟と子宮がそれぞれ2つずつある稀な疾患を抱えている。
医師から「子供を授かることは難しい」と告げられていた彼女だが、1回目の体外受精で奇跡的に妊娠し、7月11日に長女アリスちゃん(Alice)を出産した。
アデルさんは病気が発覚した経緯について、このように振り返っている。
「14歳の時からひどい生理痛に悩まされ、何かおかしいと思っていました。これまで複数の医師に診てもらいましたが、私がどのような症状で苦しんでいるのか分からず、何度か誤診されたこともありました。そして20歳の時、稀な先天性疾患『重複子宮』を抱えていることが判明しました。私には子宮と子宮頸管、腟がそれぞれ2つあって、片側の腟が閉鎖しているため生理のたび、そこに経血が溜まって耐え難い痛みを引き起こしていたのです。それを解消するため、2018年に腟中隔切除術(腟の閉鎖している部位を開放する手術)を受けました。その後は痛みも治まり、長年患っていた細菌性腟炎も改善しましたが、医師から妊娠は難しいかもしれないと告げられました。」
その頃のアデルさんには3年間交際していた男性がいたが、不妊の可能性があることを理由に2020年初めに破局したという。そして同年8月、彼女は現在の夫であるバラーシュ・ポールさん(Balázs Pór)に出会った。
「最初のデートの時、夫には病気のせいで妊娠できない可能性があることを伝えました。そして交際を始めて4か月が経った頃、私たちは子供を望むようになりました。しかし10か月が過ぎても自然妊娠できず、不妊治療クリニックで検査を受けることにしたのです。その結果、両方の子宮に慢性子宮内膜炎があることが分かりました。その後、左側の背中の痛みに悩まされるようになって…そんなある日、あまりの痛さに腎臓結石かと思い、急いで超音波検査を受けたところ、私には腎臓が1つしかないことが判明したのです。」
当時28歳だったアデルさんは、片側の腎欠損および子宮腟部閉鎖を伴う極めて稀な疾患「ヘルリン・ウェルナー・ワンダーリッヒ症候群(Herlyn-Werner-Wunderlich)」と診断された。
この疾患により子宮内膜症や不妊症などの合併症を引き起こす可能性があるそうだが、それでも子供が欲しかった2人は体外受精にチャレンジすることにした。
アデルさんはその過程について、次のように語った。
「私たちは4つの胚を作りました。そして幸運なことに、2022年11月に受けた最初の移植で妊娠することができたのです。不妊治療専門医さえ成功するとは思わなかったと言っていたので、とても衝撃的で本当に信じられませんでした。その後の経過はとても順調で、子宮もきちんと大きくなりましたが、妊娠中はずっと不安でした。赤ちゃんは左の子宮の中にいたので、片側のお腹だけ大きくなっていくのはとても不思議でした。」
その後、子癇前症(妊娠中の高血圧)を発症したため、妊娠36週での緊急帝王切開を受けたアデルさんだが、無事に赤ちゃんを授かることができた喜びをこのように述べている。
「無事に健康な女の子を授かることができて、とても幸運だと思っています。妊娠中ずっとストレスが多かった私たちですが、今は眠れない夜にも慣れて元気に過ごしています。子癇前症は繰り返す可能性があるため第2子の出産は考えていませんが、親になる機会を与えてくれたことに感謝しています。」
画像は『Metro 2023年8月9日付「Woman born with two vaginas and two wombs gives birth to ‘miracle baby’」(Picture: Caters)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 上川華子)
ハンガリー在住のアデル・ヴァルガさん(Adel Varga、29)は、生まれつき腟と子宮がそれぞれ2つずつある稀な疾患を抱えている。
医師から「子供を授かることは難しい」と告げられていた彼女だが、1回目の体外受精で奇跡的に妊娠し、7月11日に長女アリスちゃん(Alice)を出産した。
アデルさんは病気が発覚した経緯について、このように振り返っている。
「14歳の時からひどい生理痛に悩まされ、何かおかしいと思っていました。これまで複数の医師に診てもらいましたが、私がどのような症状で苦しんでいるのか分からず、何度か誤診されたこともありました。そして20歳の時、稀な先天性疾患『重複子宮』を抱えていることが判明しました。私には子宮と子宮頸管、腟がそれぞれ2つあって、片側の腟が閉鎖しているため生理のたび、そこに経血が溜まって耐え難い痛みを引き起こしていたのです。それを解消するため、2018年に腟中隔切除術(腟の閉鎖している部位を開放する手術)を受けました。その後は痛みも治まり、長年患っていた細菌性腟炎も改善しましたが、医師から妊娠は難しいかもしれないと告げられました。」
その頃のアデルさんには3年間交際していた男性がいたが、不妊の可能性があることを理由に2020年初めに破局したという。そして同年8月、彼女は現在の夫であるバラーシュ・ポールさん(Balázs Pór)に出会った。
「最初のデートの時、夫には病気のせいで妊娠できない可能性があることを伝えました。そして交際を始めて4か月が経った頃、私たちは子供を望むようになりました。しかし10か月が過ぎても自然妊娠できず、不妊治療クリニックで検査を受けることにしたのです。その結果、両方の子宮に慢性子宮内膜炎があることが分かりました。その後、左側の背中の痛みに悩まされるようになって…そんなある日、あまりの痛さに腎臓結石かと思い、急いで超音波検査を受けたところ、私には腎臓が1つしかないことが判明したのです。」
当時28歳だったアデルさんは、片側の腎欠損および子宮腟部閉鎖を伴う極めて稀な疾患「ヘルリン・ウェルナー・ワンダーリッヒ症候群(Herlyn-Werner-Wunderlich)」と診断された。
この疾患により子宮内膜症や不妊症などの合併症を引き起こす可能性があるそうだが、それでも子供が欲しかった2人は体外受精にチャレンジすることにした。
アデルさんはその過程について、次のように語った。
「私たちは4つの胚を作りました。そして幸運なことに、2022年11月に受けた最初の移植で妊娠することができたのです。不妊治療専門医さえ成功するとは思わなかったと言っていたので、とても衝撃的で本当に信じられませんでした。その後の経過はとても順調で、子宮もきちんと大きくなりましたが、妊娠中はずっと不安でした。赤ちゃんは左の子宮の中にいたので、片側のお腹だけ大きくなっていくのはとても不思議でした。」
その後、子癇前症(妊娠中の高血圧)を発症したため、妊娠36週での緊急帝王切開を受けたアデルさんだが、無事に赤ちゃんを授かることができた喜びをこのように述べている。
「無事に健康な女の子を授かることができて、とても幸運だと思っています。妊娠中ずっとストレスが多かった私たちですが、今は眠れない夜にも慣れて元気に過ごしています。子癇前症は繰り返す可能性があるため第2子の出産は考えていませんが、親になる機会を与えてくれたことに感謝しています。」
画像は『Metro 2023年8月9日付「Woman born with two vaginas and two wombs gives birth to ‘miracle baby’」(Picture: Caters)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 上川華子)