熱帯暴風雨「ヒラリー」が通過して間もない米カリフォルニア州サンタアナのジョン・ウェイン空港で、シアトル発のアラスカ航空機が、エンジンを滑走路に擦り火花を散らしながらハードランディング(硬着陸)した。機内の窓から着地の瞬間を撮影した動画には、乗客の悲鳴も聞こえる。地元テレビ局『KABC-TV』や航空系ニュースメディア『Simple Flying』などが伝えた。
84年ぶりにカリフォルニア州に上陸したという熱帯暴風雨「ヒラリー」は現地時間20日、ハリケーンから勢力を弱めて熱帯低気圧になりバハ・カリフォルニア半島に上陸し、かなりの暴風と大雨をもたらしながらカリフォルニア州南部を通過していった。
シアトル空港を午後8時22分に出発したAS1288便は順調に航行し、午後11時過ぎにサンタアナ上空に到着した。動画には、まだ熱帯暴風雨の影響が残る雨と強風のなか着陸態勢を取る同機が、滑走路に徐々に近づく様子が見て取れる。「なぜそんなに速く走るんだ?」「なんで(機体が)傾いているんだ?」と心配する撮影者の声も聞こえる。
その後、飛行機が滑走路に接触すると大きな衝撃音が聞こえ、乗客の悲鳴や恐怖の叫び声があがった。窓の外の様子を映し続ける動画には、左エンジン付近から火花が飛び散っており、乗客らは「火花が散ってるぞ! どうして火花が出ているんだ」と動揺していた。
カリフォルニア州ロサンゼルスのテレビ局『KABC-TV』の報道によると、この動画を撮影したアビナブ・アミネニさん(Abhinav Amineni)は「パニックになっていた。火花を初めて見た時、飛行機に引火するのではないかと思った」と語った。高校生のアビナブさんは友人と一緒に飛行機に乗って、シアトルでのクリケットの試合から帰宅中だったそうだ。飛行機が無事に停まって、ホッとしたと語っている。
伝えられるところでは、ボーイング737型の同機が着陸した時の大きな衝撃により、左側の主脚が翼を突き破った。その結果、左側のエンジンが滑走路に接触したまま、航空機が停止するまで引きずり続けた際に摩擦により火花が発生したようだ。また機体は、誘導路に入ったところで動くことができなくなったという。
ジョン・ウェイン空港とアラスカ航空の発表によると、1288便には乗客106名と乗務員6名が乗っていたが、オレンジカウンティ消防局の誘導のもと全員が無事に降機し、バスでターミナルまで搬送されたという。負傷者はいなかった。
動画を見た人々からは、「Wow、クレイジーだ」「みんな無事でよかった」「ゴーアラウンド(着陸のやり直し)するとか、別の空港に行くとかできなかったのか?」「主翼と着陸装置が随分やられてるなぁ」「(空母上で硬着陸を行う)海軍上がりのパイロットか?」といった声があがった。
またジョン・ウェイン空港をよく知る人たちからは、「滑走路が短いこの空港では、普段でもハードランディングすることになる。特に濡れた路面で風が強い状況では最も安全な着陸方法だ」と、パイロットの着陸判断に理解を示す意見も多く見受けられた。
ではなぜ、着陸装置が押しつぶされたのか。現在、アラスカ航空の整備・安全チームが機体を検査している。
画像は『Sam Chui 2023年8月21日付「ALASKA AIRLINES BOEING 737 SUFFERS HARD LANDING, BADLY DAMAGED」(Image via Orange County Fire Authority)(Image via Twitter SDYankee69)』『NBC News 2023年8月23日付「Sparks fly from Alaska Airlines plane after it lands in Southern California during Tropical Storm Hilary」(Orange County Fire Authority)』のスクリーンショット、『Abhinav Amineni 2023年8月21日公開 YouTube「Plane crash in SNA airport(john wayne)8/21/2023」』のサムネイル
(TechinsightJapan編集部 秋本神奈)
84年ぶりにカリフォルニア州に上陸したという熱帯暴風雨「ヒラリー」は現地時間20日、ハリケーンから勢力を弱めて熱帯低気圧になりバハ・カリフォルニア半島に上陸し、かなりの暴風と大雨をもたらしながらカリフォルニア州南部を通過していった。
シアトル空港を午後8時22分に出発したAS1288便は順調に航行し、午後11時過ぎにサンタアナ上空に到着した。動画には、まだ熱帯暴風雨の影響が残る雨と強風のなか着陸態勢を取る同機が、滑走路に徐々に近づく様子が見て取れる。「なぜそんなに速く走るんだ?」「なんで(機体が)傾いているんだ?」と心配する撮影者の声も聞こえる。
その後、飛行機が滑走路に接触すると大きな衝撃音が聞こえ、乗客の悲鳴や恐怖の叫び声があがった。窓の外の様子を映し続ける動画には、左エンジン付近から火花が飛び散っており、乗客らは「火花が散ってるぞ! どうして火花が出ているんだ」と動揺していた。
カリフォルニア州ロサンゼルスのテレビ局『KABC-TV』の報道によると、この動画を撮影したアビナブ・アミネニさん(Abhinav Amineni)は「パニックになっていた。火花を初めて見た時、飛行機に引火するのではないかと思った」と語った。高校生のアビナブさんは友人と一緒に飛行機に乗って、シアトルでのクリケットの試合から帰宅中だったそうだ。飛行機が無事に停まって、ホッとしたと語っている。
伝えられるところでは、ボーイング737型の同機が着陸した時の大きな衝撃により、左側の主脚が翼を突き破った。その結果、左側のエンジンが滑走路に接触したまま、航空機が停止するまで引きずり続けた際に摩擦により火花が発生したようだ。また機体は、誘導路に入ったところで動くことができなくなったという。
ジョン・ウェイン空港とアラスカ航空の発表によると、1288便には乗客106名と乗務員6名が乗っていたが、オレンジカウンティ消防局の誘導のもと全員が無事に降機し、バスでターミナルまで搬送されたという。負傷者はいなかった。
動画を見た人々からは、「Wow、クレイジーだ」「みんな無事でよかった」「ゴーアラウンド(着陸のやり直し)するとか、別の空港に行くとかできなかったのか?」「主翼と着陸装置が随分やられてるなぁ」「(空母上で硬着陸を行う)海軍上がりのパイロットか?」といった声があがった。
またジョン・ウェイン空港をよく知る人たちからは、「滑走路が短いこの空港では、普段でもハードランディングすることになる。特に濡れた路面で風が強い状況では最も安全な着陸方法だ」と、パイロットの着陸判断に理解を示す意見も多く見受けられた。
ではなぜ、着陸装置が押しつぶされたのか。現在、アラスカ航空の整備・安全チームが機体を検査している。
画像は『Sam Chui 2023年8月21日付「ALASKA AIRLINES BOEING 737 SUFFERS HARD LANDING, BADLY DAMAGED」(Image via Orange County Fire Authority)(Image via Twitter SDYankee69)』『NBC News 2023年8月23日付「Sparks fly from Alaska Airlines plane after it lands in Southern California during Tropical Storm Hilary」(Orange County Fire Authority)』のスクリーンショット、『Abhinav Amineni 2023年8月21日公開 YouTube「Plane crash in SNA airport(john wayne)8/21/2023」』のサムネイル
(TechinsightJapan編集部 秋本神奈)