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【海外発!Breaking News】復讐に燃えるトラ、仕留めた獲物を奪った密猟者を半日以上待ち構えて残忍に襲う(露)<動画あり>

TechinsightJapan 2023年9月3日 13時55分

1997年にロシアでトラが人間を襲う事故が発生していたが、このほど英ニュースメディア『The Mirror』がその事故をトラによる復讐だったと伝えている。トラは自分に銃を向けた密猟者を半日以上も待ち構え、残忍に襲ったという。

1997年12月のこと、ロシア極東のプリモーリエ地方に住む養蜂家のウラジーミル・マルコフさん(Vladimir Markov、47)が、シベリアトラに襲われて亡くなった。マルコフさんの遺体は食いちぎられており、目を覆うほど凄惨な状態だったようだ。

当時の状況は、カナダ出身の作家ジョン・ヴァイラント氏(John Vaillant、61)の著書『The Tiger: A True Story of Vengeance and Survival』の中で明らかにされている。ヴァイラント氏は、カナダで2016年に起きた大規模な山火事を題材にした著書『Fire Weather: The Making of a Beast』を今年5月に出版しており、同著が注目を集めたことで過去の著書にも目が向けられた。そして今年8月、英ニュースメディア『The Mirror』がマルコフさんを襲ったトラについて伝えたところ、多くの関心を集めた。

『The Tiger: A True Story of Vengeance and Survival』によると、1992年以前のロシアには400頭ほどの野生のシベリアトラが生息していたが、1994年までにそのうちの100頭ほどが密猟者によって殺され、中国に売られていったそうだ。そのため同年には、密猟者からトラを守るための密猟対策部隊「インスペクション・タイガー(Inspection Tiger)」が結成された。

そんな中、養蜂だけでは生活が成り立たなかったマルコフさんは、違法に密猟して闇市場で獲物を売るようになった。そして12月の雪の積もる中、マルコフさんはトラが仕留めたイノシシの臀部の肉を切り取って持ち帰ろうとしたところ、近くにいたトラに気づかれて襲われそうになった。トラは体長9フィート(約2.74メートル)で体重500ポンド(約227キロ)の巨体だったそうで、マルコフさんは逃げる間がなかったため、トラに銃を向けて発砲した。

撃った銃弾はトラに命中したものの致命傷を与えることはなく、トラはそのまま逃げ去っていった。この時のトラは、すでにマルコフさんに対して大きな復讐心を抱いていたようだ。のちにトラはマルコフさんの住む小屋を追跡し、彼の匂いがするものを全て破壊して12時間以上も彼が戻ってくるのを待ち構えていたという。

そして何も知らずに帰宅したマルコフさんは、そのままトラに襲われてしまった。身体の一部が捕食されて頭と内臓がなく、遺体はバラバラの状態だったそうだ。人間の味を知ってしまったトラは数日後、森で狩猟をしていた地元に住むアンドレイ・ポチェプニャさん(Andrei Pochepnya)に襲いかかり、あっという間に死に至らしめてしまった。

2人の犠牲者が出たことで近くの集落はパニックに陥り、皮肉にもトラを守る立場であるはずのインスペクション・タイガーのチームが“人喰いトラ”の始末をすることになった。そしてトラは最終的にチームの銃弾を受けて絶命したのだった。

作家のヴァイラント氏は、2010年9月に米ニュースメディア『NPR』のインタビューに応じており、このように語っていた。

「トラはただトラであり続けようとしただけなんです。この地域の本来の魅力は、人間とトラが同じ領域で同じ獲物を狩りしているところにありました。しかし人間がトラを攻撃するという間違いを犯せば、それは後悔につながることになるのです。」

「私が知る中では、このようなやり方でトラが人間を狩るという出来事は記録がありませんでした。これは極めて異常な状況であり、完全に人間によって引き起こされたものなのです。もしトラが(マルコフさんに)撃たれていなければ、この物語は生まれてなかったでしょうね。」

またカリフォルニア大学ロサンゼルス校の教授であるダニエル・ブルームスティン氏(Daniel Blumstein)は、歴史&エンターテインメント専門チャンネル『HISTORY CHANNEL』の「Tiger Gets BRUTAL Revenge on Russian Hunter」に出演した際に、トラの行動について次のように述べていた。

「長い歴史の中で人類とトラのような捕食者は獲物が同じということもあり、このトラもマルコフさんが自分の生存を脅かす敵とみなした可能性がある。そのため敵を排除したいと考えたのでしょう。従ってマルコフさんの物語からは、トラから食べ物を奪ってはいけないという際立った教訓が備わっているのです。」

しかしながらマルコフさんの物語を知る人は、ブルームスティン教授が主張するトラの「自己保存本能」よりも単に「相手に復讐したい」というトラの強い欲求によるものだと信じる人が多いようだ。



画像は『Outside Magazine 2010年8月13日付「A True Story of Vengeance and Survival」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 MasumiMaher)

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