ヘンリー王子が、国際スポーツ大会「インヴィクタス・ゲーム」の閉会式でスピーチを行った。王子は競技者達に向けて国家のユニフォームを着る意義について述べた後、英王室での思い出に言及した。王子は感情があふれ出たのか、涙ぐんでしまう場面も見られた。
現地時間16日、ドイツのデュッセルドルフにあるスタジアム「メルクール・シュピール=アレーナ(Merkur Spiel-Arena)」で、負傷軍人のための国際スポーツ大会「インヴィクタス・ゲーム」第6回の閉会式が開催された。
式典の最後には「インヴィクタス・ゲーム」を2014年に設立したヘンリー王子がステージに立ち、本大会の幕を閉じるスピーチを行った。
5分間に及ぶスピーチの中で、王子は競技に参加した退役軍人達に向けて、代表国のユニフォームを着ることの意義を語った。
王子は2020年に王室離脱後に軍の称号を剥奪されて以来、英国の軍服を着ることが許可されなくなった。昨年に執り行われた故エリザベス女王の国葬では、父チャールズ国王と兄ウィリアム皇太子が軍服を着ていたのに対し、ヘンリー王子はモーニングスーツを着用していた。
閉会式のスピーチで、王子は「1週間前に僕はここに立ち、再び国旗を身につけることができることの意義について話し合いました」と伝えると、自分の胸を指さし「多くのみなさんが、ここに衝撃を受けたと言ってくれました」と述べた。
そして代表国のユニフォームを着て競技に参加した退役軍人達に向けて、このように語りかけた。
「みなさんにとって、この1週間着てきたユニフォームは新たな物語を与えてくれるでしょう。そして他の人々にとっては、古いユニフォームに新たな意味を与えるかもしれません。」
「しかしこうしたことにもかかわらず、ユニフォームに頼る必要はないし、ユニフォームがなくても迷うことはありません。それを思い出してもらうために、僕はここにいるのです。」
その理由について、王子は「必要なものは、すでにあなたの中にあるからです」と説明し、こう付け加えた。
「明日、みなさんはそれぞれに自分だけの思い出を持って歩き出すでしょう。しかし私の願いは、思い出のひとつひとつが仲間であるという感覚を通して笑顔がこぼれ、みなさんとご家族が誇りと目的を持って前を向くきっかけとなることです。」
さらに王子は、カナダのチームによる「インヴィクタス・ゲーム2025」のテントの脇にバグパイプが置かれていたことに言及し、「バグパイプが僕にとってどのような意味を持つか、ご存じの方もいるかと思います」と述べた。
スコットランドの民族楽器であるバグパイプは、王子の祖母であるエリザベス女王のお気に入りの楽器だった。王子は自身の回顧録『Spare』の中で、女王はバグパイプの音で目を覚ますのが好きだと綴っていた。
また同著では、ヘンリー王子とウィリアム王子(当時)は、母ダイアナ妃が事故死する前夜にベッドを抜け出してエリザベス女王のパイプ演奏者のもとに行き、バグパイプで遊んでもらったという思い出も記されていた。
スピーチの間、ヘンリー王子は感情があふれ出たのか、涙ぐんでしまう場面も見られた。王子は涙をこらえていたが、顔を歪ませると片手を口元に当てていた。
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画像1、2枚目は『Invictus Games Foundation 2023年9月17日付Instagram「“We value you, we need you, and the world does too.”」、2023年9月13日付Instagram「The intensity hasn’t dropped one bit at the #InvictusGames Düsseldorf 2023!」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 寺前郁美)
現地時間16日、ドイツのデュッセルドルフにあるスタジアム「メルクール・シュピール=アレーナ(Merkur Spiel-Arena)」で、負傷軍人のための国際スポーツ大会「インヴィクタス・ゲーム」第6回の閉会式が開催された。
式典の最後には「インヴィクタス・ゲーム」を2014年に設立したヘンリー王子がステージに立ち、本大会の幕を閉じるスピーチを行った。
5分間に及ぶスピーチの中で、王子は競技に参加した退役軍人達に向けて、代表国のユニフォームを着ることの意義を語った。
王子は2020年に王室離脱後に軍の称号を剥奪されて以来、英国の軍服を着ることが許可されなくなった。昨年に執り行われた故エリザベス女王の国葬では、父チャールズ国王と兄ウィリアム皇太子が軍服を着ていたのに対し、ヘンリー王子はモーニングスーツを着用していた。
閉会式のスピーチで、王子は「1週間前に僕はここに立ち、再び国旗を身につけることができることの意義について話し合いました」と伝えると、自分の胸を指さし「多くのみなさんが、ここに衝撃を受けたと言ってくれました」と述べた。
そして代表国のユニフォームを着て競技に参加した退役軍人達に向けて、このように語りかけた。
「みなさんにとって、この1週間着てきたユニフォームは新たな物語を与えてくれるでしょう。そして他の人々にとっては、古いユニフォームに新たな意味を与えるかもしれません。」
「しかしこうしたことにもかかわらず、ユニフォームに頼る必要はないし、ユニフォームがなくても迷うことはありません。それを思い出してもらうために、僕はここにいるのです。」
その理由について、王子は「必要なものは、すでにあなたの中にあるからです」と説明し、こう付け加えた。
「明日、みなさんはそれぞれに自分だけの思い出を持って歩き出すでしょう。しかし私の願いは、思い出のひとつひとつが仲間であるという感覚を通して笑顔がこぼれ、みなさんとご家族が誇りと目的を持って前を向くきっかけとなることです。」
さらに王子は、カナダのチームによる「インヴィクタス・ゲーム2025」のテントの脇にバグパイプが置かれていたことに言及し、「バグパイプが僕にとってどのような意味を持つか、ご存じの方もいるかと思います」と述べた。
スコットランドの民族楽器であるバグパイプは、王子の祖母であるエリザベス女王のお気に入りの楽器だった。王子は自身の回顧録『Spare』の中で、女王はバグパイプの音で目を覚ますのが好きだと綴っていた。
また同著では、ヘンリー王子とウィリアム王子(当時)は、母ダイアナ妃が事故死する前夜にベッドを抜け出してエリザベス女王のパイプ演奏者のもとに行き、バグパイプで遊んでもらったという思い出も記されていた。
スピーチの間、ヘンリー王子は感情があふれ出たのか、涙ぐんでしまう場面も見られた。王子は涙をこらえていたが、顔を歪ませると片手を口元に当てていた。
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画像1、2枚目は『Invictus Games Foundation 2023年9月17日付Instagram「“We value you, we need you, and the world does too.”」、2023年9月13日付Instagram「The intensity hasn’t dropped one bit at the #InvictusGames Düsseldorf 2023!」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 寺前郁美)