妊娠中の超音波検査で「生まれても泣くことはないだろう」と言われた女児が今月、生後9か月を迎えた。女児はマーベル・コミックに登場する架空のスーパーヒーロー“超人ハルク”のような厚い胸板と太い腕を持って誕生しており、母親が先月、娘の病気をSNSで公開したところ大きな反響があった。母親が「奇跡の子」と語る女児のストーリーを、英ニュースメディア『The Sun』などが伝えている。
米ケンタッキー州キャンベルズビルに住むチェルシー・ミルビーさん(Chelsey Milby、33)は昨年11月、妊娠33週の時に帝王切開で三女アルマーニちゃん(Armani)を出産した。
チェルシーさんは出産前、「三つ子なの?」と言われるほど大きなお腹を抱えていたそうで、体重5.44キロ(12ポンド)で誕生し、“超人ハルク”のような厚い胸板と太い腕を持って生まれた娘を“ベビー・ハルク”または“ミニ・ハルク”と呼んでいるという。
実はチェルシーさん、地元の病院で妊娠17週の時に受けた超音波検査で胎児の異常を指摘され、自宅から約160キロ離れたオハイオ州シンシナティーの病院で、胎児が「リンパ管腫(リンパ管奇形)」であると診断を受けていた。これは身体に良性の腫瘤(コブ)を形成する病気で、腫瘤は大小様々なリンパの袋(嚢胞)が寄り集まってできたものだという。
そして医師には、胎児の心臓の周りに液体が溜まっている可能性などを告げられ、「この子が生存できる確率は0%。誕生しても泣くことはないだろう」と言われたそうで、当時のことをこのように振り返る。
「病名は今まで聞いたこともなく、ネットで実際の患者の写真を見た時は心が苦しかったわ。そして『なぜこんなことになったのか。何が起きたのか』と心を痛め、毎日泣いていたの。中絶も勧められたけど、夫のブレーク(Blake)と『中絶はしない』と決めていてね。それよりも『赤ちゃんが誕生後、何をしてあげられるか』ということを知りたいと思っていたの。」
しかしながら妊娠中はつらい日々が続き、チェルシーさんは眠ることができなくなり、体重が90.7キロ(200ポンド)に達すると身体が悲鳴を上げ始めた。呼吸が楽にできなくなり、妊娠33週で帝王切開による出産となった。
ところが手術が始まるやいなや、チェルシーさんはパニック発作を起こして泣き叫んでいたそうで、カオスの中でアルマーニちゃんが誕生したのだった。
チェルシーさんは「泣かないと言われていたあの子の声を聞いた時、そこにいた誰もが驚愕し、まるで魔法にでもかけられたかのようだった」と明かし、このように続けた。
「娘の声を聞きた時には、感傷的になり涙が出たわ。そして娘を初めて見た瞬間、涙が溢れて止まらなくなったの。あの子の外見を見てショックを受けたのは確かだけど、そんなことはどうでもよかった。私は娘を愛していたし、娘が無事に誕生したことが本当に嬉しかったから。」
こうしてアルマーニちゃんは、生後6日目にオハイオ州シンシナティーの病院に転院し、そこで3か月間、身体に溜まった余分な液体を取り除くなどの治療を受けた。現在は生後9か月に成長し、今年11月には余分なリンパ管腫を切除する手術を受け、その後は垂れ下がった皮膚を取り除く手術が予定されている。
シンシナティーの病院に月に一度は通院しているそうで、チェルシーさんは「これまでの治療にとても満足している」と明かすと、こう述べた。
「アルマーニは上半身に余分な皮膚がたくさんあって、とてもプニュプニュしているの。この病気は顔や首にできることが多いけど、娘の場合は顔や下半身に異常はなく、痛みもないわ。だから手術で余分な皮膚を切除できれば、傷痕は残っても普通の生活を送ることができると信じているの。身体が変形してしまうケースもある中で、娘はとても幸運だと思っているわ。」
「あの子は抱っこして欲しい時以外は滅多に泣かないし、とてもハッピーなの。それに今は寝返りも打てるようになり、『ママ』と言おうとしているのが分かるわ。きっともう少しで言えるようになるはずよ。」
「私たちは娘が最高の人生を送ることができるようにどんなことでもするつもりよ。あの子は奇跡の子だし、私たちは彼女をとても愛しているのだから!」
なおテックインサイト編集部では、アルマーニちゃんが誕生してから最も嬉しかったこと、つらかったこと、そして今後の希望などについて直接チェルシーさんから話をうかがうべく取材を申し入れている。
ちなみに過去には、先天性の血管の病気「静脈奇形」のため、巨大な左腕を持つ18歳の女性が話題となっていた。女性は「超人ハルク」などと呼ばれていじめを受けてきたが、「病気を知ってもらいたい」とSNSでの発信を続けている。
画像は『The Sun 2023年9月25日付「LITTLE MARVEL Tot dubbed ‘baby Hulk’ after being born with ENORMOUS arms and chest」(Credit: Caters)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)
米ケンタッキー州キャンベルズビルに住むチェルシー・ミルビーさん(Chelsey Milby、33)は昨年11月、妊娠33週の時に帝王切開で三女アルマーニちゃん(Armani)を出産した。
チェルシーさんは出産前、「三つ子なの?」と言われるほど大きなお腹を抱えていたそうで、体重5.44キロ(12ポンド)で誕生し、“超人ハルク”のような厚い胸板と太い腕を持って生まれた娘を“ベビー・ハルク”または“ミニ・ハルク”と呼んでいるという。
実はチェルシーさん、地元の病院で妊娠17週の時に受けた超音波検査で胎児の異常を指摘され、自宅から約160キロ離れたオハイオ州シンシナティーの病院で、胎児が「リンパ管腫(リンパ管奇形)」であると診断を受けていた。これは身体に良性の腫瘤(コブ)を形成する病気で、腫瘤は大小様々なリンパの袋(嚢胞)が寄り集まってできたものだという。
そして医師には、胎児の心臓の周りに液体が溜まっている可能性などを告げられ、「この子が生存できる確率は0%。誕生しても泣くことはないだろう」と言われたそうで、当時のことをこのように振り返る。
「病名は今まで聞いたこともなく、ネットで実際の患者の写真を見た時は心が苦しかったわ。そして『なぜこんなことになったのか。何が起きたのか』と心を痛め、毎日泣いていたの。中絶も勧められたけど、夫のブレーク(Blake)と『中絶はしない』と決めていてね。それよりも『赤ちゃんが誕生後、何をしてあげられるか』ということを知りたいと思っていたの。」
しかしながら妊娠中はつらい日々が続き、チェルシーさんは眠ることができなくなり、体重が90.7キロ(200ポンド)に達すると身体が悲鳴を上げ始めた。呼吸が楽にできなくなり、妊娠33週で帝王切開による出産となった。
ところが手術が始まるやいなや、チェルシーさんはパニック発作を起こして泣き叫んでいたそうで、カオスの中でアルマーニちゃんが誕生したのだった。
チェルシーさんは「泣かないと言われていたあの子の声を聞いた時、そこにいた誰もが驚愕し、まるで魔法にでもかけられたかのようだった」と明かし、このように続けた。
「娘の声を聞きた時には、感傷的になり涙が出たわ。そして娘を初めて見た瞬間、涙が溢れて止まらなくなったの。あの子の外見を見てショックを受けたのは確かだけど、そんなことはどうでもよかった。私は娘を愛していたし、娘が無事に誕生したことが本当に嬉しかったから。」
こうしてアルマーニちゃんは、生後6日目にオハイオ州シンシナティーの病院に転院し、そこで3か月間、身体に溜まった余分な液体を取り除くなどの治療を受けた。現在は生後9か月に成長し、今年11月には余分なリンパ管腫を切除する手術を受け、その後は垂れ下がった皮膚を取り除く手術が予定されている。
シンシナティーの病院に月に一度は通院しているそうで、チェルシーさんは「これまでの治療にとても満足している」と明かすと、こう述べた。
「アルマーニは上半身に余分な皮膚がたくさんあって、とてもプニュプニュしているの。この病気は顔や首にできることが多いけど、娘の場合は顔や下半身に異常はなく、痛みもないわ。だから手術で余分な皮膚を切除できれば、傷痕は残っても普通の生活を送ることができると信じているの。身体が変形してしまうケースもある中で、娘はとても幸運だと思っているわ。」
「あの子は抱っこして欲しい時以外は滅多に泣かないし、とてもハッピーなの。それに今は寝返りも打てるようになり、『ママ』と言おうとしているのが分かるわ。きっともう少しで言えるようになるはずよ。」
「私たちは娘が最高の人生を送ることができるようにどんなことでもするつもりよ。あの子は奇跡の子だし、私たちは彼女をとても愛しているのだから!」
なおテックインサイト編集部では、アルマーニちゃんが誕生してから最も嬉しかったこと、つらかったこと、そして今後の希望などについて直接チェルシーさんから話をうかがうべく取材を申し入れている。
ちなみに過去には、先天性の血管の病気「静脈奇形」のため、巨大な左腕を持つ18歳の女性が話題となっていた。女性は「超人ハルク」などと呼ばれていじめを受けてきたが、「病気を知ってもらいたい」とSNSでの発信を続けている。
画像は『The Sun 2023年9月25日付「LITTLE MARVEL Tot dubbed ‘baby Hulk’ after being born with ENORMOUS arms and chest」(Credit: Caters)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)