米オクラホマ州で昨年2月、当時1歳10か月だった男児が近所のピットブルに襲われ重傷を負った。男児の父はそれ以降、事故時の様子や男児の治療の過程などをSNSで公開し続けており、英ニュースメディア『The Mirror』などが伝えて注目されている。
米オクラホマ州スペンサーに住むホセ・ヨエル君(Jose Joel、以下JJ君、3)は昨年2月20日午後2時頃、自宅前の庭できょうだいたちと一緒に遊んでいた時に近所のピットブル数頭に襲われた。
JJ君は当時1歳10か月で、7児の母サンドラさん(Cassandra、33)と父ホセ・ロドリゲスさん(Jose Rodriguez、34)が子供たちの遊びを見守っていた。しかしホセさんがシャワーを浴びようとその場を離れた数分後、JJ君が3~5頭ほどのピットブルに襲撃された。
「シャワーから出て、妻がちょうど、2人の子を抱えて玄関にやって来た時だった。犬同士がけんかしているような唸り声が聞こえてね。慌てて外を確認すると、ピットブル3頭がJJをくわえ、庭を引きずっていくのが見えたんだ」と当時を振り返るホセさん。実は隣人のピットブル数頭は、JJ君を襲撃する11日前の2月9日、ホセさんが飼っていた子犬を襲って死なせていた。その時に「フェンスを設置し、放し飼いにしないで欲しい」と散々注意したばかりだったそうで、ホセさんは「ノー」と叫びながら外に飛び出したという。
ホセさんは悪夢のような事故について、このように続けた。
「泣き叫ぶ息子のそばに駆け寄った私はまず、息子を守るように覆いかぶさったんだ。ただ犬たちは次々と襲いかかってきてね。攻撃を止めず、まるで息子を殺そうとしているかのようだった。私はとにかく必死で、犬にパンチしたり頭突きをして対抗した。そして30秒ほど経った後、私は1頭の犬の口の中に自分の腕を突っ込んだ。喉の奥深くにね。するとやっと、犬たちはその場から去っていった。」
ホセさんはその後、JJ君を抱えて逃げ、娘のクロエさん(Khloe、13)が緊急通報(911)したそうで、こう続けた。
「地面にうつ伏せになった息子を仰向けにし、初めてその顔を見た時は『亡くなってしまった』と思った。でもその後、泣き始めて『生きている』と希望を持ったんだ。」
「息子の顔の皮膚は剥ぎ取られ、もう何も残っていなくて。犬たちは息子の鼻、顎、頬骨を食いちぎり、頭蓋骨が露出していた。それに喉の奥が見えるほどだった。」
「救急車を待っている間は生きた気がしなかった。緊急通報のオペレーターの指示で、息子の頭を布で巻き、自分の血で窒息しそうになっていた息子の身体を横向きにしてやった。ただその時の自分は異様なくらい落ち着いていてね。息子の背中をさすりながら『もう大丈夫だ』とひたすら声をかけていた。」
こうしてJJ君はオクラホマ小児病院に搬送されたものの、病院側から「助かる可能性は低い」と告げられ、外科医には「最悪のケースもあり得る。牧師を呼びますか?」と聞かれたそうだ。
それでもJJ君は、気管切開や栄養チューブの挿入、顔を縫い合わせる16時間の手術に耐え、4日間は薬による昏睡状態に置かれた。そして約3か月半入院し、これまでに顔面形成を含む12回の手術を受けたという。ただ今後も30~40回の手術が必要で、現在もリハビリが続いている。
事故後は家族全員がトラウマに苦しみ、JJ君はTVアニメに登場する犬が吠えただけで怯えていたというが、セラピー犬を迎えることでずいぶん克服できているという。また人々に「君はヒーローだね」と言われると「そうだよ」と答えるほどお茶目で明るい性格で、将来は警察官になりたいそうだ。
なお、ピットブルの飼い主の男性(42)は「誤って家のドアを開けてしまい、犬が飛び出してしまった」と語っていたが、事故後間もなく亡くなってしまったそうだ。また、ピットブルも安楽死されることはなかったという。
ホセさんは、危険種と言われる犬に対する規制強化を訴え続けており、「実は入院先の看護師に『犬に襲われた幼児の70%は死亡している。JJは今年に入って35件目』と言われてね。まだ2月の時点でだよ」と明かすと、このように述べた。
「事故から1年半経った今でも『息子が襲われたのは、親が子供をきちんと監視していなかったから』と言ってくる人がいるけど、それは事実ではない。ピットブルを飼うということは、周りにいる全ての人を危険に晒していることと同じ。一日も早く、危険種の犬に対する規制が強化されることを願っているよ。」
ちなみにアメリカでは現在、州や都市によっても危険な犬種についての規制は異なるという。テックインサイト編集部では、ホセさんにJJ君の現在の様子や、規制に対する働きかけの進展具合などについて話をうかがうべく取材を申し入れている。
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画像は『Baby JJ and family 2023年1月22日付TikTok「#survivor #healingjourney #baby #dogattacks」、2023年8月4日付TikTok「Please watch like and share!」、2022年11月6日付TikTok「I love how JJ answered “yeah”」、2023年9月7日付TikTok、2023年8月4日付TikTok「oh his cute personality!!」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)
米オクラホマ州スペンサーに住むホセ・ヨエル君(Jose Joel、以下JJ君、3)は昨年2月20日午後2時頃、自宅前の庭できょうだいたちと一緒に遊んでいた時に近所のピットブル数頭に襲われた。
JJ君は当時1歳10か月で、7児の母サンドラさん(Cassandra、33)と父ホセ・ロドリゲスさん(Jose Rodriguez、34)が子供たちの遊びを見守っていた。しかしホセさんがシャワーを浴びようとその場を離れた数分後、JJ君が3~5頭ほどのピットブルに襲撃された。
「シャワーから出て、妻がちょうど、2人の子を抱えて玄関にやって来た時だった。犬同士がけんかしているような唸り声が聞こえてね。慌てて外を確認すると、ピットブル3頭がJJをくわえ、庭を引きずっていくのが見えたんだ」と当時を振り返るホセさん。実は隣人のピットブル数頭は、JJ君を襲撃する11日前の2月9日、ホセさんが飼っていた子犬を襲って死なせていた。その時に「フェンスを設置し、放し飼いにしないで欲しい」と散々注意したばかりだったそうで、ホセさんは「ノー」と叫びながら外に飛び出したという。
ホセさんは悪夢のような事故について、このように続けた。
「泣き叫ぶ息子のそばに駆け寄った私はまず、息子を守るように覆いかぶさったんだ。ただ犬たちは次々と襲いかかってきてね。攻撃を止めず、まるで息子を殺そうとしているかのようだった。私はとにかく必死で、犬にパンチしたり頭突きをして対抗した。そして30秒ほど経った後、私は1頭の犬の口の中に自分の腕を突っ込んだ。喉の奥深くにね。するとやっと、犬たちはその場から去っていった。」
ホセさんはその後、JJ君を抱えて逃げ、娘のクロエさん(Khloe、13)が緊急通報(911)したそうで、こう続けた。
「地面にうつ伏せになった息子を仰向けにし、初めてその顔を見た時は『亡くなってしまった』と思った。でもその後、泣き始めて『生きている』と希望を持ったんだ。」
「息子の顔の皮膚は剥ぎ取られ、もう何も残っていなくて。犬たちは息子の鼻、顎、頬骨を食いちぎり、頭蓋骨が露出していた。それに喉の奥が見えるほどだった。」
「救急車を待っている間は生きた気がしなかった。緊急通報のオペレーターの指示で、息子の頭を布で巻き、自分の血で窒息しそうになっていた息子の身体を横向きにしてやった。ただその時の自分は異様なくらい落ち着いていてね。息子の背中をさすりながら『もう大丈夫だ』とひたすら声をかけていた。」
こうしてJJ君はオクラホマ小児病院に搬送されたものの、病院側から「助かる可能性は低い」と告げられ、外科医には「最悪のケースもあり得る。牧師を呼びますか?」と聞かれたそうだ。
それでもJJ君は、気管切開や栄養チューブの挿入、顔を縫い合わせる16時間の手術に耐え、4日間は薬による昏睡状態に置かれた。そして約3か月半入院し、これまでに顔面形成を含む12回の手術を受けたという。ただ今後も30~40回の手術が必要で、現在もリハビリが続いている。
事故後は家族全員がトラウマに苦しみ、JJ君はTVアニメに登場する犬が吠えただけで怯えていたというが、セラピー犬を迎えることでずいぶん克服できているという。また人々に「君はヒーローだね」と言われると「そうだよ」と答えるほどお茶目で明るい性格で、将来は警察官になりたいそうだ。
なお、ピットブルの飼い主の男性(42)は「誤って家のドアを開けてしまい、犬が飛び出してしまった」と語っていたが、事故後間もなく亡くなってしまったそうだ。また、ピットブルも安楽死されることはなかったという。
ホセさんは、危険種と言われる犬に対する規制強化を訴え続けており、「実は入院先の看護師に『犬に襲われた幼児の70%は死亡している。JJは今年に入って35件目』と言われてね。まだ2月の時点でだよ」と明かすと、このように述べた。
「事故から1年半経った今でも『息子が襲われたのは、親が子供をきちんと監視していなかったから』と言ってくる人がいるけど、それは事実ではない。ピットブルを飼うということは、周りにいる全ての人を危険に晒していることと同じ。一日も早く、危険種の犬に対する規制が強化されることを願っているよ。」
ちなみにアメリカでは現在、州や都市によっても危険な犬種についての規制は異なるという。テックインサイト編集部では、ホセさんにJJ君の現在の様子や、規制に対する働きかけの進展具合などについて話をうかがうべく取材を申し入れている。
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画像は『Baby JJ and family 2023年1月22日付TikTok「#survivor #healingjourney #baby #dogattacks」、2023年8月4日付TikTok「Please watch like and share!」、2022年11月6日付TikTok「I love how JJ answered “yeah”」、2023年9月7日付TikTok、2023年8月4日付TikTok「oh his cute personality!!」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)