SPFは紫外線UVB、PAは紫外線UVAに対する防御指数
梅雨が明けると紫外線の力は一気に強さを増し、私たちの肌を傷めます。美肌を保つためにも日焼け止めクリームは必須アイテムですが、効果や性能を示す指標が高ければ高いほど良いのでしょうか?
まず「SPF」は、紫外線UVBに対しての防御指数を意味します。UVBはメラニン色素を増やし、主にシミの原因になります。一方「PA」とは紫外線UVAに対する防御指数で、こちらは皮膚の奥深くまで届き、しわやたるみの原因になります。しかも、このUVAは、窓ガラスなども通過するので曇りの日でも注意が必要です。
長時間、紫外線を浴びる場合は数値の高いものを選ぶ
SPFは50までの数値で表され、PAは防止効果が強いほうから「++++」「+++」「++」「+」と4段階に分かれます。数値は、紫外線を浴びたときに赤い斑点が皮膚にできるまでの時間を、何倍長くできるかを表したものです。
たとえば、赤い斑点ができるまでに20分ほどかかる人が、SPF30の日焼け止めを塗った場合、「20×30=600分」、約10時間の効果が期待できるということになります。数値は、紫外線の「強さ」に対処できる数値ではなく、紫外線を浴びる「時間」に対する効果を指しているのです。
海や山など、紫外線の強い場所に行くから「数値が高いもの」を選ぶのではなく、海や山などは紫外線を長時間浴びるため「数値が高いものを選んで使う」というのが正解です。
肌への負担を考え、外出の目的や自分の肌にあった日焼け止めを
数値が高いほど効果も高いのですが、比例して肌への負担も増えてしまいます。外出の目的に合わせて選ぶことが重要です。また配合成分により2種類に分けられます。「紫外線吸収剤」は、紫外線を吸収し皮膚に届かないようにします。塗り心地は良いのですが皮膚に刺激を与え、かぶれを引き起こすこともあります。敏感肌の人には、紫外線吸収剤が配合されていないものがオススメでしょう。
また、「紫外線散乱剤」は、紫外線を反射して皮膚に届かないようにします。肌への負担は小さいですが、白くなりやすく使い勝手が悪いのが難点です。
両方が組み合わされたものもあり、各メーカーで異なります。パッチテストなどをして、肌に合ったものを見つけてください。塗る量が少なすぎると効果が半減します。クリーム状を顔全体に使うならパール玉2個分、乳液状なら1円玉2枚分が目安です。スプレータイプを使用する場合は、斑にならないよう気をつけてください。
通常、開封した日焼け止めクリームの消費期限はおよそ1年です。酸化したクリームを使っていないかもチェックしてみてください。
(秋山 由貴美/エステティシャン)