いじめは他の出来事と同じで、当人の潜在意識がつくり上げている
スマートフォンなどで使える無料通話アプリ「LINE(ライン)」を悪用した中高生らのいじめが問題視されています。このような問題が生じたときには、「LINE」というサービスに注目するよりも、「いじめ」という根本的な問題について考えることが解決の近道と言えます。新しい商品やサービスは次々に生まれますが、それを発端に起こる問題は人間の考え方次第で変わっていきます。
現在、学校で問題視されているのが「LINE外し」という方法。仲間内で文字や写真を共有できる「グループトーク」において、特定の人物をアクセスできないように設定することです。実際に仲間外れにされた当人の精神的ショックには、計り知れないものがあります。一方で、LINEのグループに加わっていただけで、いつの間にか「いじめる側」に回ってしまうこともあります。
いじめから抜け出すには、どんな方向に意識を向ければいいか
では、「いじめる側」も「いじめられる側」にとっても、いじめから抜け出すには、どんな方向に意識を向ければいいのでしょうか。実は、いじめは他の出来事と同じで、当人の潜在意識がつくり上げているものです。友人との長い付き合いの中で、レベルや方向性が異なってきたと実感した際、潜在意識はその仲間と別れ、先の世界に進むことを選択しています。しかし、潜在意識では別れることを考えているにも関わらず、表面的な意識は「仲間から外れていくのは寂しい」「一人になったらどうしよう」などと考え、友人たちとの絆を守ろうとします。これは、いじめる側にも同じことが言えます。
そんな時は心の声に従い、新しい人間関係の構築に向け、寂しくても辛くても新たな道を進めば良いのです。そうすれば、今までとは異なる世界や出会いが待ち受けていて、いじめに関与せずに生きていけるようになるはずです。
相手が悪いと思うのではなく、自分の問題として考える
また、いじめられる子どもも、過去に家族や友人など誰かをいじめていたり、心の中でバカにしていたりしていることがあります。人間の内側にはすべての性格が隠されていて、いじめられる要素もいじめる要素も存在します。そこに気が付かず、「いじめられた」と考えて被害者になってしまいます。
一方、いじめる子どもたちは、社会から非難されます。これも同じように、いじめる子どもの潜在意識がつくったものなのです。「LINEいじめ」などを脱するためには、人間の心の仕組みを理解し、相手が悪いと思うのではなく、自分の問題として考えてみてください。
(安藤 はま子/心理カウンセラー)