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「28歳」女性、キャリアをどう考えるべき?

JIJICO 2014年8月28日 10時0分

他人事ではない、働く女性Aさんが結婚で抱く葛藤

Aさんは大学を卒業して、ある会社に就職をしました。技術職で、自身が入社を希望をしていた会社です。希望していただけあって仕事は面白く、徐々に自身の専門性が確立され、充実感もあり、やりがいを見出せていました。そんな時、社内の人と恋愛結婚をしました。しかし、幸せの絶頂のその時から、Aさんの葛藤が始まります。「『与えられた自分の仕事の専門性は大切にしたいし、まだまだ成長していきたい』『家庭でも良き妻でありたい』という仕事と家庭との間に挟まり、どのような働き方をして良いのか、わからない」。出産して職場復帰している人はおらず、全員が退職している状況において、Aさんは、「私もきっと子どもができたら退職だな」と漠然と考え始めるように。そうなると、仕事へのやりがいも以前のようには感じられなくなってしまいました。「子どもができて急に退職をするより、今、退職をした方が会社にも迷惑かからないし、またパートの職を探そうかな」。Aさんは、こんな風に考え退職の方向へと向かっていったのです。

このような話は、よく聞かれるでしょう。仕事か家庭かの選択を、自分で突き詰めて考えてしまうケースです。女性のキャリアを考えるとき、仕事か家庭かの選択がすべてではありません。

結婚することで場当たり的に会社を退職しては、もったいない

まず、生涯年収から考えてみると、正社員のまま働き続ける場合と会社を退職してパートになった場合だと倍近くの賃金格差が生じます。また、年代別に見ても、すでに20代からパート社員である人は、正社員の7割弱程度の年収に留まります(賃金構造基本統計調査/厚生労働省)。

「キャリアを考える」とは、仕事とどうかかわり、どう生きていくかを考えることにつながります。例えば、今回のAさんのように「結婚することで場当たり的に会社を退職し、自分のやりがいを失い、とりあえずパートでも…」なんてことがないように、あなたにとっての「仕事って何?やりがいはどんな時に感じる?」を形にするのが、キャリアをデザインすることです。

Aさんの場合でいえば、専門性の高い技術を持った、やる気のある社員として働き続けることは、会社にも社会にも貢献していることを自覚した上で、ワークライフバランスをどうしていくかを前向きに考えることが、Aさんのキャリアをデザインすることのスタートとなるでしょう。

女性の平均初婚年齢は29.3歳、第1子出産時の母の平均年齢は30.4歳です(2013年 厚生労働省調べ)。28歳はこの直前にあたり、今後のキャリアのターニングポイント。これから、あなたはどんな人生を送りたいですか?

(自念 真千子/産業カウンセラー)

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