記録的豪雨で被害を受けた丹波市は「被災者生活再建支援法」適用
今月に入り、日本各地で豪雨による被害が多発しています。兵庫県でも、今月中旬の記録的豪雨により、丹波市を中心に甚大な被害が出ています。実際に被害に遭われた方々に、心よりお見舞い申し上げます。こういった自然災害の際には、「10世帯以上の住宅全壊被害が発生した市町村」などといった一定の要件を満たせば「被災者生活再建支援法」という法律が適用され、対象者は一定の支援を受けることができます。今月中旬の記録的豪雨により被害を受けた丹波市については、本法の適用が決まっております。
支援の対象となる被災世帯は、①住宅が全壊した世帯、②住宅が半壊又は住宅の敷地に被害が生じたため、その住宅をやむを得ず解体した世帯、③住宅に居住不能な状態が長期間継続している世帯、④住宅が半壊し、大規模な補修を行わなければ居住困難な世帯の4類型です。
支給金額は、「基礎支援金」と「加算支援金」の2種類に分類されます。「基礎支援金」は、住宅の被害に応じて一律支給されるもので、上記①~③に該当する場合は100万円、④については50万円が支給されます。「加算支援金」は、住宅の再建方法に応じて支給され、住宅を建設するか新たに購入する場合は200万円、補修する場合は100万円、賃借する場合は50万円です。
実際に支援を受けるためには、各市町村の窓口に罹災証明書等を提出する必要があります。また、基礎支援金については災害発生から13か月以内、加算支援金については同じく37か月以内という期間制限もありますので、注意しましょう。
様々な公的支援を上手く活用し、一日でも早い再建、復旧を
なお、「災害弔慰金の支給等に関する法律」により、一定の要件(1市町村において住居が5世帯以上滅失した災害等)を満たす自然災害により死亡した人の遺族は、最高500万円の災害弔慰金を受け取ることができます。また、重度の障害を受けた人は、最高250万円の災害傷害見舞金を受け取ることができます。
このほかにも、被災者には350万円まで5年間無利息の貸付を受けられる制度もあり、税制上、社会保険、雇用保険、年金等でも優遇を受けられる場合があります。詳細は、関係各所にお問い合わせください。様々な公的支援を上手く活用し、一日でも早い再建、復旧にお役立ていただければと思います。
(河野 晃/弁護士)