環境省で「災害時におけるペットの救護対策ガイドライン」を作成
家庭でイヌやネコなどのペットを飼っている場合、災害で家から避難せざるを得なくなった時、ペットをどのように扱いますか?環境省では、これまでの災害や東日本大震災の経験を踏まえ、主にイヌ及びネコなどのペットを対象とする「災害時におけるペットの救護対策ガイドライン」を作成し、「ペットの同行避難」を推奨しています。
このガイドラインをもとに、各自治体などが地域の実情に合わせたマニュアルや動物救護体制を検討しています。まずは、住んでいる都道府県の防災計画を確認しておきましょう。
ペットと一緒に避難した場合、ペットも人も互いに癒される反面、避難所では以下のような問題が起きる可能性があります。
■動物の苦手な人や動物アレルギーの人を含む多くの避難者が共同生活を送るため、ペットの取扱いに苦慮する。
■ペットにとっても不慣れな環境のため「騒ぐ」「人を咬む」「所かまわずトイレをする」「ケージやキャリーバッグから飛び出すなどして飼い主とはぐれてしまう」など問題行動が起きる。
ペットと同行避難、備えるべき5つのポイント
それでは、ペットと同行避難するためには、日頃からどのような備えをしておけば良いでしょうか。
1、家族で災害時の対応を話し合う。(家族がペットと一緒にいる場合といない場合など、さまざまな状況を想定しておきましょう。また。避難場所や避難ルートを確認しましょう)
2、ペットのしつけをする。(ケージなどで静かに待てるようにしつけておきましょう。また、決められた場所でトイレをする習慣をつけておきましょう)
3、健康管理に気を付けて、病気の予防注射や不妊・去勢手術を受けておく。(ペットのカルテを用意しておくと便利です)
4、はぐれても飼い主がわかるように、鑑札、迷子札、マイクロチップなどを装着しておく。(飼い主以外の人にもわかりやすいように、ペットの写真を持っておきましょう)
5、ペット用に非常持ち出し袋を用意する。(食料、水、食器、トイレ用品など。中・大型犬には靴を用意しておくことをお勧めします)
以上のような日頃からの準備やしつけに加え、近所の動物を飼っている人同士で、情報交換や協力し合える関係を作っておくことも大切です。地域でペットも一緒に参加できる防災訓練があれば、参加してみましょう。ペットも社会の一員です。災害が多発している今、飼い主として、家族の一員として、日頃から準備できることを考えましょう。
(仙波 誉子/防災士)