アレルギー症状を緩和するには「体の内側からの対策」が大切
岐阜、西濃両地域で3000人以上の小中学生が目のかゆみや充血を訴えた問題で、改めてアレルギー対策が注目されています。
アレルギー対策の基本は、アレルギーの原因となる「アレルゲン」が体内に入らないように防ぐことです。基本となる対策は「マスク」「メガネ・ゴーグル」などを使用して、目や鼻、喉の粘膜などからアレルゲンを吸い込まないようにすることですが、効果は高いですものの、さすがに限界があります。
今回、子どもたちに発症したアレルギーについて、その原因はイネ花粉が疑わしいという報告も出ていますが、特定はされていません。それだけに、メガネ・ゴーグル、マスク以外で、アレルギー症状を緩和することができるような対策、すなわち「体の内側からの対策」をとっておくことが大切です。
「冷え」「疲れ」「ストレス」には要注意
体の内側からできるアレルギー対策の代表は、冷えを取り除き、水分代謝を高めておくことです。粘膜は体の外と中をつなげる大切な場所で、皮膚同様にアレルギーに大きな影響があります。
その意味でも、秋は春以上に注意が必要な時期かもしれません。秋は夏場に取り過ぎた水分が体に残り、水分過多と朝晩の寒暖差で体が冷えやすくなります。体の冷えは粘膜血流障害を起こし、アレルギーに対する抵抗力を低下させてしまうとも言われています。
また、「疲れ」と「ストレス」にも要注意。秋は夏の疲れが現れてくる時期で、体の抵抗力(免疫力)が低下してしまう時期です。風邪などをひきやすくなるのと同時に、アレルギーが起こりやすくなります。そして、ストレスは自律神経のバランスを崩し、免疫機能を弱めることも知られています。「夏休み疲れ」や「新学期ストレス」などで小中学生がアレルギーになるのもうなずけるかもしれません。
良い体調をしっかりと維持することが一番の対策
アレルギーの症状がひどい時と、そうでない時。その違いは花粉の飛散量以外に、その時の体調が大きく関わります。「昔は花粉症ではなかったのに…」という人も少なくないと思いますが、良い体調をしっかりと維持することが実は一番のアレルギー症状緩和策なのです。
生活の質を低下させやすい抗アレルギー剤の服用を最低限にするためにも、漢方薬を上手に使ったり、以下の生活習慣に注意すると良いでしょう。
・疲れやストレスをためない
・睡眠をしっかりと取る
・食事のバランスに注意する
・真夏のような水分の取り方をしない
・体を冷やさない
このようなセルフケアが大切です。爽やかな秋をアレルギーに負けずに元気に過ごしましょう。
(早川 弘太/医薬品登録販売者)