スタバ史上最も高いコーヒーを国内の48店限定で販売
あなたは、コーヒー1杯に1850円(税別)を支払えますか?スターバックスコーヒージャパン(以下スタバ)が、スタバ史上最も高いコーヒーを国内の48店限定で売り出しています。売り出しているのは、エチオピア南西部原産の「ゲイシャ種」という希少な豆。その中でも世界一高価といわれるパナマ産を使用しており、世界のスタバグループが仕入れた1600袋のうちの日本向け1000袋です。
スタバは、ドリップコーヒー1杯280円(ショートサイズ)で販売しており、幅広い年代から支持されているコーヒーチェーン店です。そのスタバがなぜ、1杯1850円という価格のコーヒーを提供するのでしょうか?考えられる狙いを3つ紹介します。
スタバといえども、世間からの注目を集めるのは難しい
1つ目は、話題性を生むことです。スタバといえども、新商品発売などの理由で、世間からの注目を集めるのは難しいと思います。そこで「コーヒー1杯1850円」というインパクトのある商品です。さらに、48店限定であることや、1000袋しかないということから希少性があることも手伝い、話題性を生むことに成功しています。実際に、インターネット上でもSNSを通じて情報が拡散されており、「高いから飲めない」「高いけど、飲んでみたい」というように賛否両論あるものの、注目を集めています。
2つ目は、新規客を呼び込むことです。注目を集めることに成功すれば、普段は他店でコーヒーを飲んでいる人にもその情報は届きます。そうすると、「一度飲んでみたい」「とりあえず一回行ってみようかな」というように、興味を持った人が店舗を訪れる確率も高くなります。スタバは、社員教育の徹底によるサービス向上や、居心地の良い店舗づくりによって多くのファンに支持されてきたので、仮に1850円のコーヒーを注文してもらえなくても、来店してスタバの良さを体験してもらうことができるのです。
新しいコーヒーとの出会いを創出し、ファンを引きつける
3つ目は、ファンを楽しませることです。販売しているゲイシャ種のコーヒーは「スターバックスリザーブ」というサービスとして提供しています。これは、スタバのバイヤーが出会った希少で価値のあるコーヒーを楽しんでもらうためのサービス。他のチェーン店では、まずお目にかかれないコーヒーとの出会いを創出しています。常に新しいコーヒーを求め、世界中を旅するバイヤーがいるスタバだからこそできるサービスで、ファンを引きつける要因の一つになっています。新しい商品を心待ちにしているファンも多いようで、「パナマ アウロマール ゲイシャ」は、1袋250グラム入りで10000円(税別)という価格にも関わらず、オンライストアでは既に売切れ状態となっています。
世界のスターバックスで仕入れた量の約3分の2を日本で販売するということからも、それだけ日本市場を重要視しているということがわかります。もしも、その理由が「特に日本にはスタバファンが多いので、一人でも多くの人にぜひ飲んでもらいたい」という配慮が込められていたとしたら、ますますスタバのファンになってしまうかもしれません。
お近くのスタバ店舗で「パナマ アウロマール ゲイシャ」を販売していたら、注文してみてはいかがでしょうか?
(伊藤 伸朗/集客・顧客情報活用コンサルタント)