普通預金は少なすぎず多すぎずがポイント
日本銀行が9月18日に発表した、平成26年4月~6月期の資金循環統計によると、家計の金融資産は1,644,8兆円と過去最高を記録しました。
主な内訳は以下のとおり。
■現金・預金:873,7兆円(53.1%)
※前年同期比1.6%増
■株式・出資金:149.9兆円(9.1%)
※前年同期比5.9%増
■投資信託受益証券:82.3兆円(5.0%)
※前年同期比14.5%増
それぞれ、預金は「流動性・安全性が高く、収益性が劣る」、株式は「流動性・収益性は高く、安全性が劣る」、投資信託は「流動性、安全性、収益性において中間的な商品」という特徴があります、では、どのように金融商品を使い分ければ良いのでしょうか?
まず、普通預金は少なすぎず多すぎずがポイントです。目安は生活費の数か月分。ちなみに、私は生活費の3か月分程度です。残高が多くても利子はほぼゼロですし、無駄遣いの温床になります。貯めたい資金、当面使わない資金は定期預金や投資信託等で持ちましょう。
投資信託はサッカーのようにDF型、MF型、FW型を使い分ける
投資信託は文字通り「投資」を「信」じて「託」す商品。元本保証はありません。投資の専門家に運用を託して、儲かれば「あなたの儲け」、損をすれば「あたなの損」となります。サッカーに例えると、金融商品は「選手」、あなたは「監督」です。サッカーにも「得点を取るFW」「相手の攻撃を防ぐDF」「両方の役割を持つMF」というポジションがあるように、投資信託にも様々なタイプがあります。
防御型の代表は「MRF」「MMF」。主に債券に投資する投資信託です。収益も損失も比較的小さい商品です。なお、外貨建MMFは為替の影響を受けますので、MF的な役割に近い商品いえます。
守備的MFは「債券型ファンド」。債券に投資をし、株式投資のリスクはありません。MMF等よりも少しリターン・リスクが高い商品となります。また、攻撃型MFは「株式」「不動産等のインデックスファンド」。インデックスファンドは、株式市場や不動産市場の代表的な指数(例:日経平均株価、TOPIX等)に連動した収益を目指すタイプです。株式や不動産に投資する分、リスクもリターンも大きくなります。
FWの代表は「アクティブファンド」。専門家が市場平均を上回る運用収益を目指して運用します。平均を上回ることも下回ることもあり、ひとえに運用会社・チーム・担当者の手腕頼み。総じて手数料は高め。選ぶ難しさはインデックスファンド以上です。
私は、DF型では「外貨建てMMF」、MF型では「インデックスファンド」、FW型は「バリュー(割安)タイプ」を選んで運用しています。主に老後資金準備で投資信託を活用しており、基本的なスタンスは長期保有。ただし、円高から円安に流れが変わった、株価が大きな下落相場に入った等、相場の向きが大きく変わったと感じたときに、売ったり、切り替えたりしています。
株式は日々のニュースから自己基準で判断。損切りは躊躇なく
株価は、業績、財務状況、新商品のほか、業界他業者のニュース、天候・自然災害、海外の政治・社会・経済のニュースなど、さまざまな影響を受け、価格変動は投資信託よりも大きく、最も難しい商品です。
私は金融資産の20~25%程度を株式で持っていますが、買うポイントは、割安株(PERが相対的に低い)、業績が数年間右肩上がり、チャートが良い(週足の移動平均線で見て値上がり基調)の3つ(売るポイントは、その逆です)。仮に5%以上値下がりしたら、自分の判断ミスを認め躊躇なしに売却します。損失を小さく抑えることで、全体のリターンを上げるようにしています。
国内では、「個人消費」「消費税増税」「円安・人件費増加・天候不順による物価上昇」、海外・世界では「TPP」「中国の消費・不動産市況」「アメリカの景気・利上げ」「中東」など、目を離せない情勢が続きます。家計の健全化は支出見直しから始めるのがセオリーですが、長期的に投資による収入確保も考えるのであれば、まずは少額から気になる金融商品を調べてみてはいかがでしょうか?
(益山 真一/ファイナンシャルプランナー)