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営業スタイルは女性的?「リクルート営業」の強み

JIJICO 2014年10月28日 12時0分

リクルートの営業の強みは「豪」と「柔」を併せ持つこと

リクルートが上場しました。時価総額1.9兆円。今年、最も注目されたIPOと言っても良いかもしれません。今回は、多くの営業職を抱え、営業会社でもあるリクルートの「営業のすごさ」について、女性目線で考えます。

リクルートの営業の特徴を端的に言うとすれば「圧倒的行動量とバイタリティ」。そのようなイメージを持つ人も多いでしょう。目標達成意欲の高さや論理性、経営者を相手にしても物怖じしないタフネスさ、独立心旺盛で個性豊かなキャラクターなどを思い浮かべる人もいるかもしれません。

しかし、私がリクルートで見た先輩や同僚たちは、必ずしもそういった派手なタイプばかりではありませんでした。全社表彰されるような成績優秀者は、コツコツと地味な努力を積み重ねる、一見目立たないタイプの営業も多くいます。

論理的に課題解決をしたり、経営者と対等に話をする「豪」の部分と、クライアントに寄り添い、要望を汲み取る「柔」の部分、その両方を併せ持っていることは、リクルートの営業のひとつの強みなのではないかと、私は思っています。

「徹底した顧客目線」から育まれる「高い共感性」

私も、短い期間ではありますが、約9年間リクルートグループにお世話になりました。データを駆使しながらプレゼンし、圧倒的行動量で動くリクルートの営業。入社初日で、付いていけるか不安になったことは、今でも鮮明に覚えています。しかし、表面的な派手さと裏腹に見えて来たのは、優秀な人に共通する「徹底した顧客目線」と「共感性の高さ」でした。

リクルートでは、「クライアントの事業に興味を持つ」ということを繰返し教え込まれます。私も、上司には「興味を持つ力はスキルだ」「興味が持てないなら辞めろ」と何度も叱られました。また、「クライアントの商売が良くなる方法を考え続けろ」とも。「徹底的にクライアントと同じ目線で商売を見る。そして、必要なことは何でもやれば良い。派手なプレゼンはその後だ」。その価値観も、叩き込まれました。

やることは地味なことばかりです。クライアントが原稿を用意する暇がないなら、自分が書く。クライアントがお客様を集めてお祭りを開くなら、手伝いに行く。クライアントの競合をリサーチする。常にクライアントの様子を観察し、グチや他愛も無い話を聞きながら変化をキャッチする、など。しかし、そんな地道なコミュニケーションこそが、クライアントの事業を深く理解し、信頼関係を築くカギとなります。その積み重ねが、いつしか高い共感性を育み、クライアントへの思い入れとなっていきます。そして、「同志」として認めてもらえるような存在になっていくのです。

リクルートの営業スタイルは女性的。「女性が憧れる女性」も活躍

そんな豪と柔を併せ持ったリクルートの営業スタイルは、ある意味とても女性的であるとも言えます。

実際に、活躍している営業の中には女性が多くいます。森本千賀子さんのような現役のトップ営業は、その優秀さもさることながら、誰にでも等しく気遣いのできる人で有名ですし、経沢香保子さんや太田彩子さんのような卒業生を見ても、徹底した顧客目線と見えない努力の積み重ねで成功をおさめています。また、女性らしい柔らかな雰囲気は、営業として顧客接点を強化するのに、とても強みだとも話されています。

そんな先輩たちは、女性の私から見ても憧れる存在。「女性が憧れる女性」が活躍しているのも、リクルート営業のすごさと言えるのではないでしょうか。

(島津 愛/営業コンサルタント)

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