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違法通販サイトへの法的対処法

JIJICO 2014年11月13日 13時0分

通信販売による相談件数が年々増加

株式会社国民生活センターが10月にコピー商品・偽造品などの「ニセモノ」に関する相談件数の推移を発表し、通信販売による相談件数が年々増加していることがわかりました。インターネットオークションを含めて、インターネット通販で買い物をする人は近年激増しています。大変便利で手軽な反面、顔の見えない取引でさまざまな被害が増えていくのも自然な流れかもしれません。

被害としては、冒頭のようなニセモノや粗悪品が届いたというものから、ひどいケースでは箱の中には石ころしか入っていなかった、購入の際に入力したクレジットカード情報などの個人情報を悪用されたという事例までさまざまです。

インターネット通販の場合、実際の店舗を持たない販売業者も多く、騙されたと思って連絡したときには、既に業者と連絡がとれなくなっていたということも少なくありません。

法定返品権が認められる

インターネットを通じた売買は、特定商取引法という法律の「通信販売」に当たります。そのため、届いた商品に問題がない場合でも、商品を受け取ってから8日以内であれば契約解除ができる法定返品権が認められています。

しかし、いわゆるクーリング・オフとは異なり、通販サイト上に返品できない特約が表示されている場合には使えない点が問題となります。ただし、「返品できません」といった表示が単に通販サイトのどこかにあればよいというわけではなく、最終申込画面で見やすく表示されていなければ無効といった制限もありますので、諦めずに確認しましょう。

証拠を残しておくことが重要

この他、冒頭のように届いた商品がニセモノだったり単なる石ころだったりした場合には、もちろん民法など一般的な法律を使って売買の無効や契約解除を主張できます。その場合でも、後の交渉などに備え、購入したサイト画面をしっかりとデータで保存、印刷するなど、証拠を残しておくことが重要です。

しかしながら、インターネット通販の場合、契約を解除し、証拠をしっかり残せたとしても、肝心の違法販売業者と音信不通で途方に暮れるということも少なくありません。

それでも、代金支払方法がクレジットカードのリボ払いの場合、割賦販売法という法律を使って、契約しているクレジット会社からのクレジットカード利用請求に対し、支払いを拒否できる場合があります。

クレジット会社からの請求を回避するという方法も

また、一般にあまり知られていませんが、VISAやMASTERなどの国際ブランドは、クレジット会社間の支払いに関するトラブルを解決する独自のルールを定めています。そのため、違法なインターネット取引の被害に遭った際、このルールに従い、既にクレジット会社が立替払いなどをしてしまった金額を取り戻す(チャージバックといいます)よう求めることができます。これにより、クレジット会社からの請求を回避するという方法がとれる場合もありますので、諦めないことが大切です。

ただし、このようなケースに対処するには専門的な知識も必要になってきますので、弁護士の無料相談を利用する、市役所などの消費生活センターに相談することをお勧めします。

(永野 海/弁護士)

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